ある初夏の昼下がり。

その寺にやって来ると、一人の女性が庭を眺めておりました。先客がいるとは、珍しい。

ここへ足を運ぶ人は、おそらく、ひとり物思いに耽りたくなってやって来るのではなかろうか。

だからここでは、他の人が視界に入らないような場所を選んで座してしまう。
そして、ほんのわずかな時間、本堂の仏様に手を合わせに行っているあいだに、女性の姿は消えてなくなっていた。

はて…玄関の前ですれ違っただろうか…。
そういえば、玄関の下駄箱に女性の履き物があったかどうか、そもそもそんなものは僕がやって来たときからなかったような。

まぁ、いいや。これは、ある初夏の昼下がりの回想なのだから。
Posted by rock_garden at 19:39│
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