2009年07月13日

【展】ネオテニー・ジャパン

たまには現代アートでも…その1。
7月15日まで(もう終わってしまう…)開催の、上野の森美術館「ネオテニー・ジャパン〜高橋コレクション」は、現代アートコレクターの第一人者でもある精神科医・高橋龍太郎氏のコレクション展。



「ネオテニー」という聞きなれない言葉は、“neoteny”すなわち”幼形成熟”、生物学的な言葉においては「成熟した個体でありながら幼生や幼体の性質が残る現象」という意味なのだそうで、この言葉をキーワードに、1990年代以降の日本の現代美術にみられる傾向を探ろうというもの。そこには、幼さ、こどものような感性、漫画やアニメ、オタク、サブカルチャー…といったものが内包されている。

奈良美智や村上隆ら、すでに国際的な評価を得ている作家たちの作品がこの展覧会における「ネオテニー」という傾向と潮流を決定付ける一方で、天明屋尚や山口晃や町田久美といった、独自のスタンスで日本画と対峙しつづける作家たちの作品もあり、テーマ云々を抜きにしても、十分に楽しいものだった。

ポスターに選ばれた作品は、小谷元彦「Human Lesson」(手前のオオカミ)と、できやよいの絵画作品(背景の画)。



また、もうひとつ顕著な傾向が「細密」「精緻」であるということ。
親指のフィンガープリントに小さな顔を描き込んだできやよいの絵画作品、なにげない風景を刺繍作品に仕立て上げる青山悟、ペンとインクによる細密な描写の集積で壮大な作品に仕立て上げる池田学(これは驚嘆!)、紙袋の一部を切り抜いてそこに切り絵のように小さな「森」を出現させる照屋勇賢(これまた驚嘆!)…などなど。
気の遠くなるような作家たちの格闘に、心底、感嘆してしまい、作品の前で足を止めることもたびたびだった。

精緻な描写といえば、加藤美佳の描く少女の画は、東京都現代美術館で初めて見て以来、僕の心を惹きつけてやまない。
彼女の画は、まず自分で少女の人形を作り、それを写し描くというもの。そのせいか、リアルな描写でありながら、現実の少女が持ちえない不思議な魅力がある(妙に色っぽかったりする)。
絵はがきを売っていたので、買って帰ってきました(手前が加藤美佳「パンジーズ」)。





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