2009年07月14日

【展】ウィンター・ガーデン

たまには現代アートでも…その2。
7月20日まで原美術館で開催中の「ウィンター・ガーデン〜日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開」。
「マイクロポップ」とは、この展覧会のキュレーターを務めた美術評論家・松井みどり氏による造語。1990年代以降の日本の若い現代美術家に見られるひとつの傾向として、「チープな素材やシンプルな技術を使って、時代遅れのものや凡庸なものに新たな用途や意味を与える。それらの断片を組み合わせて再構成することで独自の世界観を作り、個人の思考や行動を画一的にするグローバル化に抵抗しようという表現活動」のことらしい。
「チープな素材やシンプルな技術」「新たな用途や意味を与えて断片を再構成する」「グローバル化による画一化に抵抗」……と、それらのキーワードだけを拾っていくと、それらは第二次大戦後の現代美術が辿ってきた表現活動の踏襲にも聞こえるので、あまり新鮮な定義付けとは言いがたい。耳で聞いた響きが心地良いのは、むしろ「マイクロポップ」という旗印かもしれない。

この「マイクロポップ」のひとつの顕著な傾向として目立つのが、幼児的・子供的な感性による表現だろう。
山本圭輔や杉戸洋の童話的なペインティングや、オタクやアニメカルチャーを髣髴とさせる國方真秀未、やはりコミック的な人物表現を見せる工藤麻紀子、それから、いくつか出品されたビデオ作品(泉太郎、田中功起、Chim↑Pom)ではナンセンスで子供の遊び的な世界を表現する。
こうした表現行為は、ひとつ前に紹介した「ネオテニー・ジャパン」展とシンクロするものがあり、これら二つの展覧会が同時期に開催されたということは、日本の現代美術の動向を考える上で、たんなる偶然の一致ではないのだろう。


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