宵山の夜。
山鉾町の駒提灯に明かりが灯り、
道行く人を幽玄な雰囲気へと誘い、町を夏祭りの雰囲気へと仕立て上げる。
宵山の夜。
山や鉾から聞こえてくる祇園囃子の音色が熱を帯びてくる頃、
露店が立ち並ぶ通りを行く人たちで、町も熱気を増していく。
「ひとつ、お面でもどう?」「いや、自分……ム、ムリです……(汗)」
宵山の夜。
たくさんの人たちの背中に、夏を感じる夜。
宵山の夜もしだいに深まり、人の波もやがて散りはじめ、長い長い一日が終わりを告げようとしていた。