2009年08月12日

南都の古寺から(3)十輪院

奈良町にある古寺。静かな宅地の中の、静かなお寺。



お堂の方には人の気配がないので、おそろおそるお寺の玄関の方へ声を掛けて拝観をお願いすると、女性の方がやって来て、マンツーマンでお寺の説明をしてくれた。拝観に訪れる人も少ないようだ。



けれども、このお寺を通り過ぎてしまうのは、もったいない。



国宝にも指定されている本堂は鎌倉時代の建築。
お堂の最も奥には、地蔵菩薩の石像を安置した石仏龕(せきぶつがん=石造りの厨子)がある。花崗岩を切って彫られたこの石仏龕は、日本中を見渡しても、とても珍しいものなのだとか。



もともと野晒しになっていた石仏龕を雨風からよけ、お地蔵さま拝むための礼堂として建てられたのが、現在の本堂。



南都の古寺には、時の権力者によって建てられた壮麗な寺院が多いというイメージだけれども、この十輪院にやって来ると、大寺院への信仰とは別のところで、民間では地蔵菩薩信仰が根強く支持されていたことをかいま見ることができます。


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