2009年09月17日

【展】東京国立博物館・平常展

上野の東京国立博物館へ。
9月に入って展示替えがあったので、企画展が始まる前の静かなうちに、何か面白いものはないかと見てきました。

まずは17世紀の『四条河原図屏風』。筆者不詳。花見の季節を描いた、見ていて楽しい屏風絵。



画面の上半分には花見や踊りに興じる人たち、画面下半分は、道を行く人たちの浮かれたような姿。
幕のあいだからその様子を覗いている人たちも。花見の季節に浮かれるのは、昔も今も変わらぬ光景。

印籠に蝉が……。



もともとは薬を入れておくための小さな容器だった印籠。しかし、江戸時代の中頃からは装飾性が増し、装身具としての性格も帯びて、凝ったデザインが施されるなど、オシャレになっていく。
今でいえば、携帯電話をデコったりする感覚なんだろうか……「俺の印籠、かっこいいだろ〜」とか。
室町時代の宮廷貴族の調度品『扇面雑画帖』。
文字の部品を運んだり、はしごを掛けて作業をしている様子がおかしい。組み立てると“詩”という文字になるのかな?



能と歌舞伎のコーナーは、能において女性の姿を表現するための能面と能装束の陳列。
装束は、柄が細やかで綺麗であったり、あるいは落ち着いた模様であったりと、目を惹かれるものが多かった。



18世紀の奇才の画家、曽我蕭白の掛軸二枚。『葡萄栗鼠図』(左)と『牽牛花図』(右)。
墨の濃淡と、筆先の動きだけで描き出した即興的な画。蕭白のテクニックをもってすれば、こんな芸当は朝めし前だ。



もう一人、奇才の絵師といえば、江戸末期の浮世絵師・歌川国芳。
左は『荷宝蔵壁のむだ書』、右は『人かたまつて人になる』。
『荷宝蔵〜』は「似たから」をもじっている。質素倹約の天保改革で豪華な錦絵や役者絵が禁止されたことを皮肉って、“これは役者絵ではなく、壁の落書きですよ”と、禁制を逃れるための方便となっている。
『人かたまつて人になる』には“大勢の人が寄ってたかって、とうとう、いい人をこしらえた。兎角、人の事は人にしてもらわねば、いい人には成らぬ”との言葉。
遊び心や諧謔精神の中にも世相を皮肉った風刺画の作成は、歌川国芳という人の批評精神を表している。



国宝室は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての『地獄草紙』でした。絵巻物は、描写がえぐいです。



このような感じで、今月の博物館平常展はなかなか楽しかったです。

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/rock_garden/51500019
この記事へのコメント
こんばんわ、
博物館って楽しいですよね〜。

私は面白そうな企画展があるごとにちょこちょこと行くんですけど、基本人が少ない平日の昼間に行くんですよ。
したら、常設の展示品で恐竜の等身大の骨格模型が…… 廊下つきあたりの部屋にババーン!と立ってまして…… 昼間だというのに何故か恐くて1人では近付けなかったりしてます…。
全然平気な時もあるんですけどね……。

明日から県展が始まるので久し振りに行ってみようかなぁ。
Posted by miki at 2009年09月19日 01:08
>mikiさん
美術館は企画展も良いですけど、常設展も静かで良いですねぇ。
旅行に行くと、その土地の美術館に入ったりするのですが、所蔵作品からその土地の文化が垣間見えたりします。
でも、常設展というのは人もまばらで淋しいので、もっと盛り上がるといいなと思います!
Posted by 石庭 at 2009年09月20日 12:22