2009年09月28日

金沢21世紀美術館 タレルの部屋

午後の日差し。



雲ひとつない天気。日差しが強く、光と影の織り成す陰影が濃い。
幼い女の子が踊りはじめる。だって、踊りたくなるような天気だから。



夕闇が迫る頃。空の色は、濃い藍色に染まっていく。



太陽の光が失われるということは、すなわち、影を失うことでもある。光と影を失うと、物は立体感を失っていく。いや、物が立体感を失うのではなくて、我々の視覚が立体視を失っているのかもしれない。
天井を眺めているうちに、不思議な気分になってくる。
だってそれは、白い平面にいびつな台形を描き、藍色に塗りつぶしただけに見えるのだから。
自分は確かに部屋の中にいる。だけど自分の頭の上は平面である。



そして朝。曇りの朝。



朝方まで雨の音を聞いていた。白い部屋は、清浄な世界に見えた。



ジェームズ・タレルの「ブルー・プラネット・スカイ」は、正方形の部屋に、正方形に天井が切り取られ、そこから眺める空や光の移ろいに、新たな感覚を発見する作品。
金沢滞在中に4度ほど訪れたが、時間や天候によって、この部屋はめまぐるしく表情を変えたのだった。

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この記事へのコメント
いい空の色を楽しめて良かったですね。
時間や季節で作品自体が変化するという
発想が凄いと思います。・・・タレルさん!
Posted by 一休 at 2009年09月29日 00:59
>一休さん
こうして写真を並べてみても、天気や時間で印象が違って見えますね。
とくに、夕闇から夜へと移ろう時間帯は、不思議な感じでした。
立体感がなくなって、そこは正方形の部屋であるのに、のっぺりとしているような。写真で見ても、何だか変な感じがします。
この部屋は本当に面白かったです!
Posted by 石庭 at 2009年09月30日 00:05