2009年10月06日

【展】若冲ワンダーランド

先日、石山駅からバスに揺られて約50分、滋賀県甲賀市信楽の山の中にあるMIHO MUSEUMにて「若冲ワンダーランド」を見てまいりました。
最近、なんだか現代美術ばかりを見ていたような気がするので、こうやって古いものを見るとホッとします。まぁ、伊藤若冲の場合は、古いけれども新しい、見るたびに新鮮な驚きを与えてくれます。

若冲ワンダーランド

目玉は、2008年に北陸にて発見された「象と鯨図屏風」の初公開。
晩年の若冲が描いた大作は、向かって左に潮を吹く鯨、右には白い象が描かれている。海でいちばん大きな動物と、陸でいちばん大きな動物との対比。
動物が対となった屏風絵というと龍と虎が定番ではあるけれど、こうして象と鯨を描いてしまうところが、類型に縛られない若冲の発想の面白さというか、想像力のたくましさなのかもしれない。

若冲「象と鯨図屏風」は、僕の手元にある「週刊日本の美をめぐる 脅威のまなざし 伊藤若冲」という冊子にもモノクロ写真で図版が掲載されているのだが、よく見てみると、この図版と公開された屏風は微妙に異なっている。
たとえば、図版には象の尻尾がないし、目のかたちも異なっている。鯨にしても、波の形が大きく異なり、図版の方の波頭は大きく描かれ、新発見の方は波頭が細かい。
図版の「象と鯨図」は、1928年に3100円で落札されてから行方不明になっているのだが、今回の新発見の屏風はこれとは別ものであるようだ。
それでは、若冲は似たような画を二つ残したのか。
「象と鯨図」は、まだまだ謎に包まれた、興味深い作品である。

他には、プライスコレクションから升目描きの「鳥獣花木図」や、点描を駆使した「石燈籠図」といった斬新な画法を楽しめる大きな作品の他、若冲のもうひとつの特徴であるユーモラスで軽妙な水墨画が多く展示されていた。
また「平安人物志」(江戸時代の京都における各方面の文化人の人名録)や、若冲直筆とされる手紙の紹介(写真ですが)など、文書資料にも興味深いものがいくつかあった。

■関連リンク:MIHO MUSEUMで初公開 「象と鯨図屏風」を読み解く
MIHO MUSEUMのロケーションは、こんな山の中。

若冲ワンダーランド

神慈秀明会という新興宗教団体の創始者、故・小山美秀子(みほこ)のコレクションを収蔵し、美術館の名前もそれに因む。
バスで美術館まで来る途中、教団の本部やら施設を車窓の向こうに見ることができる。

若冲ワンダーランド

古代のギリシア、ローマ、エジプト、中近東、ガンダーラ……といったものから近世のものまで。そのコレクションの時代とジャンルはとても広く、私立の美術館としては日本屈指。収集には数百億円がつぎ込まれたとかなんとか。

若冲ワンダーランド

そのロケーションやら立派な設備やら、いろいろとびっくりなMIHO MUSEUMでした。

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