2010年01月03日

【展】国宝 土偶展

東京国立博物館にて「国宝 土偶展」を見る。
土偶とかよく分からないけど、まぁ、でも、パスポートで観覧できるから入ってみるか……という軽い気持ちで展示場へ入ったのだが、いい意味でその軽い気分は裏切られ、とても面白い展示だったと感じると同時に、土偶について自分がほとんど何も知らないことを省みるきっかけにもなった。土偶再発見。
日本各地で発掘された土偶は約18000点、そのうち、国宝は3点しか存在しないことは初めて知った。「中空土偶」「合掌土偶」「縄文のビーナス」という通称で知られるそれらの土偶を同時に見ることができたのは幸運だったのかもしれない。なるほどこれが土偶の代表なんだな…と、自分の中で咀嚼しやすくなった。
それから、土偶が女性を表現していること、とくに、妊娠している女性を表現していることが主であることも初めて知った。なぜ妊娠している女性なのか?…という理由には諸説あるようだが、そこに託された意味を空想しながら土偶を眺めてみると、個性的な土偶たちが、より個性的に見えてくるのだった。



土偶に託された創造力(かつ、想像力だ)は、実に多様で豊かだ。
表情(顔)は、猫のような顔、ムンクの叫びのような顔、ハート型の顔、三角形の仮面をかぶった顔、大きな眼鏡を付けたような顔…と、一言では表すことのできない多様さ。体の表現にしても、下半身や下腹部の丸みを強調したもの、しゃがんで手を組んだもの、腕を組んだもの、こどもを抱いたもの…と、主に女性の姿をデフォルメした形状が強烈だ。
20世紀の美術家たち、たとえばピカソであり、モディリアニであり、日本では岡本太郎なりが、プリミティブな芸術に触れて自らの血肉としてきた。けれども、今から4000年前、5000年前の人がこれを作りました…と土偶を目の前に出されてしまうと、そうした20世紀美術のビッグネームも遠く霞んでしまう印象だ。だって、土偶の製作は4000年前であるにもかかわらず、これが20世紀の前衛美術作品です、と言われても違和感がないのだから。

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