2010年01月17日

冬の庭−金福寺

四明山下の西南一乗寺村に禅房あり、金福寺といふ。



土人口称して芭蕉庵と呼ぶ。階前より翠微に入ること二十歩、一塊の丘あり。すなはち、ばせを庵の遺跡也とぞ…



与謝蕪村が『洛東芭蕉庵再興記』で記した質素な庵のある金福寺にやって来た。



時刻はすでに3時をまわっていた。
日差しが雲の裏側に隠れてしまうと、空気はいっそう冷たさを増して、すでに一日が暮れかけているような気分になる。



そして僕は、うら寂しい悲しい気持ちになる。
庭の片隅には、蕪村の詠んだ句碑が立っている。



花守は 野守に劣る 今日の月。



花守とも野守とも縁のない冬の眺め。



今宵は月の姿も見えないだろうなと思いながら、お寺をあとにした。

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この記事へのコメント
冬の蓮華寺から一乗寺界隈・・・
静かで背筋がぴんと伸びる雰囲気が伝わってきました。
この冬はまだ雪の京都に遭遇できていません。
うまく週末寒波が来てくれるといいのですが・・・。
そうそう、この週末にhayateさん御上洛でした。
私は都合でお会いできませんでしたが、また石庭さん
交えて京都集合しましょうと電話で話しておきました^^;
Posted by 一休 at 2010年01月17日 19:44
>一休さん
蓮華寺から一乗寺まで(あるいはその反対)のコースは定番ですよね!好きな散策路です。
一休さんやhayateさんにも会える都合が付けばいいですね〜(・∀・)
Jリーグの日程発表ももうすぐなので…今年は何度京都に遠征できるのか…楽しみです。
Posted by 石庭 at 2010年01月17日 22:16
はじめまして
素敵な写真ですね。
時々京都には行きますが
こんなにしっとりとした場所があったのですね。

いつか「無りん庵」に行きたいと思っています。

ありがとうございます。
Posted by YUSA at 2010年01月18日 06:49
>YUSAさん
はじめまして!コメントありがとうございます!
無鄰菴の庭園は、水の流れもあり、緑も濃く、清々しい庭ですね。
奥行きがあるように作られているので、あそこに行くと伸びやかな気分になります!
Posted by 石庭 at 2010年01月18日 23:55