詩仙堂にやって来たときには、すでに日暮れも近かった。

春、夏、秋。いつの季節も人を集めるこの庭も、冬のひと時だけは、ぽつりと取り残されたようで寂しげな様子。

もっと早くここに来てあげれば良かったのかな。

あなたが見たいと言った冬の庭を、僕はこうして一人で眺めているのです。

どんよりと曇った冬空にも、ようやく、うっすらと西日がにじんでくる。

それから、門を出て、石垣づたいに歩いて庭へと下りてみる。

そこに誰かの姿を探してみたけれども、もう誰の姿もなかった。

そうこうしているうちに、あたりはどんどん薄暗くなってきて、

そして、僕は途方に暮れた。
Posted by rock_garden at 23:50│
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