
はじめの考えでは、鹿王院で少し休んだ後は、市街地に引き返して、六角堂か渉成園にでも行こうかという曖昧な計画だったのだが、鹿王院の庭から眺めた嵐山の方角に、山が桜に色付いているのを発見してしまい、どうしてもその桜に近づいてみたくなり、そのまま桂川に沿って嵐山までやって来てしまった。

たくさんの人で混雑する渡月橋を横目に、川に沿って上流に向かってしばらく歩いていくと、桜の姿が向こう岸の山の斜面に現れた。

そして、さらに亀山公園へと入り、展望台を目指してどんどん上っていくと、ようやく僕の目の前に、濃淡のある桜の木々で色付きはじめた山の姿を見ることができた。
遠く鹿王院の庭から見ることができたのは、この風景だったのだ。何だかずいぶん歩いたような気がするけれど、歩いてしまえば、たいした距離でもなかったように感じられた。
展望台からは、眼下にトロッコ電車や保津川下りの船を眺めることができる。なかなかの眺望。

下流に流され、柵に引っかかって動けなくなっている家族。保津川のボート遊びでは、たまに見かける。ほのぼのとした光景だ。

◆出町柳=(徒歩)=本満寺=(徒歩)=同志社前《京都御苑》=(市バス・220円)=上七軒=(徒歩)=平野神社=(徒歩)=北野白梅町=(嵐電・200円)=車折神社=(徒歩)=鹿王院(拝観料300円)=(徒歩)=嵐山(亀山公園)
計720円で満喫した、のんびりまったりの桜めぐりの小旅行でした。(完)