2010年08月09日

夏の朝 法然院

早朝の境内。



蝉が鳴き始めるよりも早い時間。聞きなれない鳥の声を耳にして、その鳥の姿を想像する。



お堂の屋根の下で過ごす時間。ここのお寺の軒下には、誰でも手に取ることのできる本や雑誌などが置いてあって、



本のページをめくってみると、ちょっと湿り気を帯びているようにも感じられた。



緑の濃い木陰にあるお堂は、木々たちの息遣いでひんやりとした空気の中にあった。朝の日差しもここまでは届かない。


境内をあとにしようかという頃、ようやく木々の間から日が漏れてきた。



清浄な空間と時間。ここは、京都に滞在した時、ふと思いついて足を運んでみると、やはりいつも気持ちが良い。
このお寺の「心」というものが、この境内の清浄さに凝縮され、表れているのかもしれない。



門を出て、振り返ってみる。僕の背筋は、ここに来る前よりは、ちょっとだけ伸びていた。



ついでに墓地の方にも寄ってみる。



法然院の墓地には、「寂」という一文字が刻まれた、作家・谷崎潤一郎の印象的な墓石がある。



静寂さの「寂」であり、仏教で言うところの、悟りの境地としての「寂」であるのかもしれない。

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