2010年08月30日

【展】束芋〜断面の世代

大阪は中之島の国立国際美術館にて、「束芋 断面の世代」
横浜美術館での開催をスルーしていたので、神戸遠征の帰りに大阪に立ち寄って観覧。



映像インスタレーション作品が5点、それから、新聞で連載された小説『悪人』(吉田修一)の挿絵原画。
《団地層》や《団断》といった作品からは、この人が「団地」というもの自らの世代(これを彼女自身は「断面の世代」と呼称する)のキーワードとして重要視していることがよく分かる。
団地というのは、画一的な空間の仕切りの中に多くの住居・家族が暮らしていているわけだが、そうした“団地”という空間をスライスする……いわば、住居を断面化することによって、そこに生きる人間、さらには、彼女の言うところの「断面の世代」の人間を表出させようと試みているようだ。そして、浮かび上がってくるのは、作家自身の言葉を借りれば「個の尊重を重視し、尊重の表現として無関心を装う」という人間のあり方なのだが、一方でそれは、孤立感といった言葉も想起せずにはいられない。
今では「団地」という言葉もほとんど耳にしなくなったような気がするが、かく言う僕も、少年時代は団地で暮らしていた。作家自身の経歴からは、彼女が実際に団地で暮らしていた経験があるのかどうかは知りえないが、僕が少年時代の記憶を辿って懐かしく思うところの「団地」とは大きな隔たりがあるようにも感じられた。


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