2010年10月14日

北陸妄想(7)永平寺(後編)

中雀門越しに仏殿を臨む。



永平寺の伽藍群をめぐる回廊は、山の斜面に沿うように、山門から仏殿、仏殿から法堂へと上り、そしてその反対へと下って、元の場所へと戻ってくる。拝観の受付を済ませた「吉祥閣」という、現代的な鉄筋コンクリートのきれいで明るい感じの建物にも驚いたけれど、禅宗の様式に則った七堂伽藍の広大さには、回廊をめぐりながら、ただ圧倒されるばかりだった。


法堂でお参りをすませて、



一文字廊から仏殿を眺めつつ、庫院へと回廊を下っていく。



庫院には食事を作るための典座寮と呼ばれる台所がある。



仏殿を覗くと、窓からはすっかり高くなった日差しが注ぎ込み、美しいシルエットを作っていた。



山門まで下りてきて、ここから中雀門を見上げたところで、七堂伽藍の拝観は終わる。



短い時間の滞在だったが、背筋がしゃんと伸びて、心の中にも山の爽やかな空気が入ってきて、風通しが良くなったように感じられた。
行方不明になった彼もまた、同じような気分になったのだろうか。だとしたら、なぜ行方をくらましたのか…と問いたくもなる。なぜ。
いや、もしかしたら、この山の寺院の空気ゆえに、行方をくらましたのかもしれない。
けれども、彼の胸に去来したであろう思いを想像することは、僕には難しいことだった。



永平寺からはふたたびバスに乗って、えちぜん鉄道の永平寺口の駅へと向かった。
駅のホームの端に立つと、のどかな田園の風景が広がっていた。電車を待つこと数分。僕は福井方面の電車に乗った。

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