2010年10月16日

【展】新たな国民のたから 文化庁購入文化財展

仙台市博物館仙台にサッカー観戦で遠征のついでに、青葉城公園内にある仙台市博物館にて「新たな国民のたから 文化庁購入文化財展」を観覧。
お目当ては、曾我蕭白の「群仙図屏風」。2008年に東京国立博物館で見て以来だから、2年ぶりの対面。こうした作品を、人の混雑に悩まされずに、ゆっくりと時間をかけて眺めることができるのも、地方の博物館ならではの利点。

向かって右には、龍に乗る呂洞賓(りょどうひん)らしき仙人。渦巻く風の表現がすごい。周囲では葉が吹き飛び、呂洞賓に向かって手を振る鉄拐仙人の衣服が歪むようになびき、渦巻きを眺めていると吸い込まれてしまいそうな、迫力の大画面。ごうごうという音さえ聞こえてきそうだ。
そして、向かって左には、変態的な世界が展開される。女性に耳の穴を掃除させる蝦蟇仙人のいやらしい目、毒々しいまでの赤い口。子供たちがまとわりつく老仙人は、一人の幼児を抱えて、ニヤニヤと笑っている。いったいこの子供をどうするつもりなのか、誘い入れて食べてしまうんじゃないかという錯覚さえ抱かせるような、ざわめきを覚えずにはいられない、倒錯感たっぷりの変態ワールドだ。
曾我蕭白は目をそむけたくなるような毒々しさに満ちているけれども、それが病み付きになる孤高の世界観を持っている。

常設展を覗いてみれば、支倉常長に関する展示が興味深かった。
伊達家の家臣として、ヨーロッパとの交易を実現させるべく、慶長遣欧使節団を率いて太平洋を横断、メキシコを経て大西洋を渡ってヨーロッパまで渡航。けれども、交易の実現は上手くいかず、帰国した常長に待っていたのは、キリシタン弾圧の嵐と、その中での失意の死だった。
こうした支倉常長の資料が「慶長遣欧使節関係資料」として国宝に指定され、仙台市博物館に展示されている。
伊達政宗が使節団に託した書状(きらびやかな料紙に書かれている)や、ローマで描かれた支倉常長の肖像画も(日本人を描いた油絵としては最古のものとされる)。
伊達家仙台藩ならではの展示物の数々だった。

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