2011年05月03日

【展】トーハク総合文化展

3月の地震以降、休館や開館時間短縮などもあって、なんとなく足が遠のいていた東京国立博物館。
博物館のパスポートの更新を兼ねて、久しぶりに総合文化展へと足を運んでみた。

狩野一信『五百羅漢図』のうち「第四十二幅 七難 風」。暴風です。黒色で表現された風の表現が凄まじい。

五百羅漢図 第四十二幅

現在、総合文化展では江戸時代末期の絵師・狩野一信の五百羅漢図のうちの五幅を公開中。
狩野一信といえば知る人ぞ知る絵師だったが、近年になって増上寺の五百羅漢図の注目が急上昇、このGWからはいよいよ江戸東京博物館にて一挙公開中(こちらも見に行かないと!)…と、今が旬な絵師。
東京国立博物館で公開中の五百羅漢図は、増上寺のものとは別バージョン。増上寺版は100幅であるが、トーハク版は“富美宮允子内親王・泰宮聡子内親王御下賜”の全50幅。
「十三幅 六道 鬼趣」より。欲が深く、徳のない者たちが堕ちた餓鬼道を描いた一幅。
川の水や米を食べても口から炎が出て苦しむ餓鬼の姿。

五百羅漢図 第十三幅

「第二十三幅 十二頭陀 節食之分・中後不飲漿・一坐食節量食」。
こ…これは面白い。この影の表現に、狩野一信が西洋絵画を研究していたことを知ることができる。

五百羅漢図 第二十三幅

そして「第二十七幅 神通」。羅漢が木の枝から女の首吊り死体を下ろそうとしている。
死体の顔には涙の跡と吐瀉物、首には赤く締め跡が残り、肌の色は土色に変わる。死体を支えている人がいて、泣いている人もいる。

五百羅漢図 第二十七幅

狩野一信は、いったい、これらの仏画を描きながら、その向こうに何を見ていたのだろう?
彼は、仏画を通して、同時代の人間たちを冷徹に観察していたのではないだろうか。

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