2011年06月05日

【展】ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー

ニュー・ドキュメンタリー久しぶりの東京オペラシティアートギャラリーにて「ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー」を観覧。
写真作品の展覧会とはいえ、なかなか一筋縄ではいかないものが並ぶ。
『Tokyo and My Daughter』では、一人の少女の成長の記録を写真に写しているようにも見えるが、少女の家族が撮った写真も混在している。『Widows』はイタリアのジェノヴァのとある町に住む老未亡人のポートレートともに、彼女たちのアルバムから複写された古いスナップ写真が並ぶ。
こうした写真を“ファウンド・フォト(found photo)”=”見いだされた写真”と呼ぶらしいが、どこまでを写真家自身の作品と呼ぶかの境界の曖昧さが、写真表現とは何かを問いかけてくる。
それから、雑誌などに掲載された自身の写真を再撮影・再編集した『re-construction』や、世界に広がるマクドナルドを撮影し、シルクスクリーンに仕立てた『M』。
この会場に展示された多くの作品には、反復、複写、引用といった行為を、写真表現で意識的に取り組んできた写真家の記録がかいま見える。そもそも写真を撮影するという行為自体が、この世の中の事象を複写する行為であるのだから、その行為をさらに複写し引用する行為が云々…と、写真表現のことを考えながら無限ループに陥るような、悩ましくも刺激的で、面白い展覧会だった。

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