2011年09月14日

【展】レオ・ルビンファイン 傷ついた街

レオ・ルビンファイン2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロからちょうど10年。
ちょうど10年ということもあって、あらためてメディアで振り返られることの多かった出来事だが、アートの世界では、東京国立近代美術館の常設展で「レオ・ルビンファイン 傷ついた街」が開催されている。
ルビンファインは、テロの起こる数日前に世界貿易センタービルのすぐ近くに引っ越してきて、そして、あの未曾有の出来事を目の当たりにする。その後、写真家として彼が取り組んだのは、世界各国の都市を訪ね、ストリートスナップの手法で、その町に暮らす人々を撮ることだった。東京、ロンドン、マドリッド、モスクワ、イスタンブール、エルサレム、コロンボ、クタビーチ(バリ島)、ムンバイ、ナイロビ、ジャカルタ…などなど。それらはいずれも、近年、テロの起こった都市である。
等身大よりも大きく引き伸ばされた写真の中の人々の顔には、不安、焦燥、恐れ、怒り…といった感情が浮かび上がる。1枚の写真だけを見れば、きっと深い考えなしに見送ってしまうのかもしれない。けれども、人々の姿が写真家によって選ばれ、並べられることで、一本の糸によってつながるようにメッセージ性を持ち始め、都市から都市へと連綿とつながっていく。

「傷ついた街」には、横軸と縦軸で広がるメッセージ性が含まれている。
すなわち、都市から都市へという横に広がるの空間的なものとして。それから、2011年にいる我々にこれらの写真を提示することによって、2001年から2011年へと時間的な縦軸でつながる。そしてこの先も、またどこかで誰かが「傷ついた街」の人々の姿を見ることによって、写真家のメッセージはつながっていくのかもしれない。


この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/rock_garden/52036389