2012年03月19日

【展】ジャクソン・ポロック展

JacksonPollock東京国立近代美術館で開催中の「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」へ。
ジャクソン・ポロックの名前を知ったのは、マンチェスターのロックバンド、ストーン・ローゼズのデビューアルバムを買った時までにさかのぼる。そのアルバムのジャケットデザインは、ギタリストのジョン・スクワイアが手掛けていたのだが、それこそがまさに“ポロック風”のアートワークであり、その当時は「ふーん、ポロックって誰?」くらいにしか思わなかったのである。
ずいぶんと懐かしい話である。

と、そんなことを思い出したりしながら、ポロック展。
ポロックといえば、ドリッピングやポーリングを駆使したアクションペインティングによる抽象画家…というイメージが強いが、世間一般が認めるところの“ジャクソン・ポロック”的な画風は、彼の画業においては全盛期の数年にしか過ぎない。そこに至るまでは、メキシコ壁画やネイティブ・アメリカンの影響の濃い土着的な作風や、ピカソやミロやマティスといったヨーロッパのモダンアートの影響など、その画風は変遷していく。この展覧会では、そのあたりも丁寧に掘り下げていく。
そして、画風の変遷を経た後に、いわゆる我々がよく知る“ジャクソン・ポロック”が生まれるわけだが、土着性とモダンアートの消化なくして、この唯一無二の画風は生まれなかったのだろう、ということを実感する。
すなわち、展覧会場の4つに分けられた章展開はスリリングで、ポロックという画家の成り立ちをとてもうまく紹介している。

会場では、ポロックが画を製作している映像も紹介されているのだが、この映像を見ると、筆を動かすポロックの動きは、けっこう慎重で、計算されているようにも見え、“アクションペインティング”という言葉から想起してしまう激しさは薄い。
腕のストロークによって絵の具を一定のリズムで垂らし、手首の返しによって筆の動きを機械的に刻んでいく。そう、ポロックの腕までもが筆の一部分となっているようにも見えてくるのだ。
百聞は一見に如かず。
アクションペインティングやらドリッピングというイメージは、ポロックのほんの一部分でしかないことを知る。そう思って画を眺めれば、一見、絵の具の飛沫や線でハチャメチャに埋め尽くされたように見える画の奥から、一定の構成とリズムが見えてくるのだった。

stonerosesちなみにこれが、ストーン・ローゼズのデビューアルバムにして歴史的な名盤となってしまった一枚。
その名も『ストーン・ローゼズ』。1989年。
発売当時は『石と薔薇』とかいう、ヘンな邦題が付いていた。ヘンというか、そのままじゃないか…とツッコミを入れたい気分だ。
今となっては、誰もこのアルバムのことを『石と薔薇』とは呼ばない(はずである)。

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/rock_garden/52074000