2012年04月30日

【展】ボストン美術館 日本美術の至宝

ボストン美術館 日本美術の至宝上野の東京国立博物館で開催中の「ボストン美術館 日本美術の至宝」に、平日の金曜日の夜に足を運んできた。
平日の夜の美術館は、やっぱりいい。混雑によるストレスも少ない。終わりが決まっているものの、6時頃から見始めることができれば、十分に見ることができる。そして、夜の美術館の楽しみは、閉館30分前に訪れる。会場をひと通り見た後、閉館間際のがらがらになったところで、気になった作品のところへもう一度足を運んで、じっくり眺めることができる。素晴らしい。
そんな、何度でも足を止めて見たくなるような日本の美術品が、ボストンから里帰り。
これら日本美術の優品は、明治時代に来日したフェノロサらによって収集されてアメリカへと渡ったわけだが、もしも日本国内にとどまっていたならば、他の多くの作品と同じように、どさくさにまぎれて散逸し、行方不明になっていたかもしれない。そういう意味では、フェノロサの日本美術における功績は本当に大きい。

本展には、曽我蕭白の大迫力のパノラマ画である『雲龍図』の初公開や、緻密でかつ躍動感あふれる合戦絵巻『平治物語絵巻 三条殿夜討巻』など、いろいろと見どころが多く、実際にそれらは目を奪われてしまうのだけれども、この展覧会で個人的にもっとも目を釘付けにされたのが、仏画の数々だった。
いつもであれば、仏画は淡々と見て通り過ぎてしまうのであるが、褪色し、剥落しかかった仏たちの姿が、控えめに照らされたライトの中で、ぼんやりと浮かび上がってくる様子は、何やら神秘的ですらあった。さらに目を凝らして見れば、描かれた仏たちの姿は、緻密で、とても濃密だ(もっとも、ライティングの効果もあるかもしれないが、であればとても効果的だったわけだ)。

そして閉館30分前。
会場をひと通り観覧した後で、もう一度じっくり見るべき作品を、蕭白にしようか平治物語絵巻にしようか…と考えをめぐらせた結果、僕が足を運んだ場所は、仏画のコーナーだった。

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