2009年02月09日
異性である理由とは....
呆れても驚いても追付かぬ。東京の女は男と同様に自由である。眼に付いた異性に対して堂々とモーションをかける。異性を批判し、玩味し、イヤになったらハイチャイをきめていい権利を、男と同じ程度に振りまわしている。只、全部が全部でないだけである。
こうした傾向にカブレた東京の少女は、知らぬ男から顔を見られても、耳を赤くしてうつむいたりなんぞしない。アベコベにジッと見返すだけの気概? を持っているのが多い。これはどなたでも東京に行って御試験になればわかる。
往来を歩く姿勢も、昔と違って前屈みでない。昔は「屈み女に反り男」であったが、今では「反り女に反り男」の時代になった。今に「反り女に屈み男」の時代が来るかも知れぬ。
表情も昔と違ってキリリとなった。触(さわ)らば落ちむ風情なぞは滅多に見当らぬ。八方睨みを極めてあるきながら、たまたま男と視線が合っても、じっと一睨みしてから、「チッ」とか「フン」とかいった風に眼を外(そ)らして通り抜けるのさえある。
田舎からポット出の学生なぞは、あべこべに赤面させられそうである。私も赤面症だ。。
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往来を歩く姿勢も、昔と違って前屈みでない。昔は「屈み女に反り男」であったが、今では「反り女に反り男」の時代になった。今に「反り女に屈み男」の時代が来るかも知れぬ。
表情も昔と違ってキリリとなった。触(さわ)らば落ちむ風情なぞは滅多に見当らぬ。八方睨みを極めてあるきながら、たまたま男と視線が合っても、じっと一睨みしてから、「チッ」とか「フン」とかいった風に眼を外(そ)らして通り抜けるのさえある。
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rockethealth at 16:03|Permalink│
2005年11月29日
若い女性の享楽気分
ここで是非特筆大書しておかねばならぬ事は、最近の東京に於ける若い女性の享楽気分である。
よく「女は女らしく」、「男は男らしく」と云うが、今の東京では、その「男らしい」と「女らしい」との意味が昔と違っている。「男が人間なら女も人間だわ」という意味である。だから、今の東京の女らしい女は、なかなか活溌で、華やかで、積極的で、魅惑的である。
そんなのの前に男らしく跪(ひざまず)いて、堂々と満身の愛を告白する。昔のように自己を偽って見識ばらぬ。そんなのが「男らしい男」らしい。
「神様が男の粕(かす)から女を作った」の、「女は家庭の付属物」だのと心得ているのは、中世紀か封建時代の思想である。その粕が馬に乗って民衆運動の先登(せんとう)に立った時代も過去の事である。新しい婦人が吉原へ女郎買いに行ったのは更に古い時代である。議会で男の席までも占領したとて、ちっとも驚く事はない。
婦人参政――被教育権の主張――その他社会的の地位を要求する黄色い声は、天下に満ち満ちて来た。
産児制限に依て象徴される、婦人の享楽的権利の主張は、医術と薬剤の発達でドシドシ貫徹されている。
職業婦人の増加に依って、婦人の独立生活、享楽生活の容易な事は明らかに証明されている。
女性崇拝の外国映画は盛にこの傾向の太鼓を持つ。
欧米の新思想は又、精神的方面からこの傾向を刺戟して、目下八度五分位の熱を出しているところである。
新しい女の先覚者の活躍時代は過ぎた。今は一般に普及しつつある時代である。男女同権――否、女尊男卑がドシドシ流行する。
よく「女は女らしく」、「男は男らしく」と云うが、今の東京では、その「男らしい」と「女らしい」との意味が昔と違っている。「男が人間なら女も人間だわ」という意味である。だから、今の東京の女らしい女は、なかなか活溌で、華やかで、積極的で、魅惑的である。
そんなのの前に男らしく跪(ひざまず)いて、堂々と満身の愛を告白する。昔のように自己を偽って見識ばらぬ。そんなのが「男らしい男」らしい。
「神様が男の粕(かす)から女を作った」の、「女は家庭の付属物」だのと心得ているのは、中世紀か封建時代の思想である。その粕が馬に乗って民衆運動の先登(せんとう)に立った時代も過去の事である。新しい婦人が吉原へ女郎買いに行ったのは更に古い時代である。議会で男の席までも占領したとて、ちっとも驚く事はない。
婦人参政――被教育権の主張――その他社会的の地位を要求する黄色い声は、天下に満ち満ちて来た。
産児制限に依て象徴される、婦人の享楽的権利の主張は、医術と薬剤の発達でドシドシ貫徹されている。
職業婦人の増加に依って、婦人の独立生活、享楽生活の容易な事は明らかに証明されている。
女性崇拝の外国映画は盛にこの傾向の太鼓を持つ。
欧米の新思想は又、精神的方面からこの傾向を刺戟して、目下八度五分位の熱を出しているところである。
新しい女の先覚者の活躍時代は過ぎた。今は一般に普及しつつある時代である。男女同権――否、女尊男卑がドシドシ流行する。
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2005年11月27日
おやじのシャッポ
新しい言葉の字引きなぞいう書物が近頃流行するが、現在の東京の少年少女が使う新しい言葉は、その中には一つも見当らぬと云っていい。又見つかる筈もない。日毎に月毎に、次から次へと新熟語が出来て、或は親たちを馬鹿にするために、又はいい人と秘密通信をするために用いられている。
ブル、プロ、ファン、セット位しか知らない明治人に、彼等の会話や手紙が理解されよう筈がない。
「おやじのシャッポ(ポコペンとか駄目とかいう意味)がホームラン(流連(いつづけ)のこと)」だの、「彼女のラジオ(色眼)がミシン(意味深長)」なぞ云って、わかる気づかいは毛頭ない。
否、こんなのももう古い。記者がこう書いている間にも、新しい単語が本場の東京でドンドン殖えているに違いない。
こんな事のすべてに対して、今日までの生活本位の親たち、月給取り本位の教育家、月謝取り本位の学校、政党本位の当局は注意が行き届かなかった。
これからもそうに違いない。
御蔭で不良少年少女は大手を振って殖えて行く。禁漁区の魚のように新東京のバラック街をさまようている。
ブル、プロ、ファン、セット位しか知らない明治人に、彼等の会話や手紙が理解されよう筈がない。
「おやじのシャッポ(ポコペンとか駄目とかいう意味)がホームラン(流連(いつづけ)のこと)」だの、「彼女のラジオ(色眼)がミシン(意味深長)」なぞ云って、わかる気づかいは毛頭ない。
否、こんなのももう古い。記者がこう書いている間にも、新しい単語が本場の東京でドンドン殖えているに違いない。
こんな事のすべてに対して、今日までの生活本位の親たち、月給取り本位の教育家、月謝取り本位の学校、政党本位の当局は注意が行き届かなかった。
これからもそうに違いない。
御蔭で不良少年少女は大手を振って殖えて行く。禁漁区の魚のように新東京のバラック街をさまようている。
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2005年11月26日
大人に対する反逆
近頃の少女はハンケチを畳んで、胸の肌に直接に押し当てている。又、男の子は帽子の中にハンケチを入れて冠っている。
それは、少女はお乳をふくらすため、又、男の子は香水を湿(しめ)して入れておくためと思っていたら大違いだと、一人の不良少年が笑った。
そんなら交換して異性の香(におい)を偲ぶためかときいたら、
「まあ、そんなところでしょう。ハハハハ」
と又笑った。その笑い方が変だったから、根掘り葉掘り尋ねたら、彼は一種皮肉な、イヤな笑い方をしながら、こう答えた。
「それあ云ってもよござんすがね、あなた方に必要のない事なんです……何故ってあなた方は皆、情欲の方のブルジョアなんでしょう。奥さんもおなりになれば、芸者買いも出来る。だから必要はないんです……若いものはみんなみじめな肉欲のプロですからね……女の子だってそうです。大人が受けている自由を吾々は禁ぜられているのです……ですから異性の香(におい)を嗅ぎながら眼を閉じて……」
記者はこれ以上書く勇気を持たぬ。しかし何という巧(たくみ)な議論であろう。何という不愉快な風潮であろう。
少年少女の不良行為が、大人の専制に対する反逆的意味を持っていようとは、この時まで気が付かなかった。記者も矢張り明治人であった。
こうした反逆気分は、少年少女が使う新しい言葉にもうかがわれる。
それは、少女はお乳をふくらすため、又、男の子は香水を湿(しめ)して入れておくためと思っていたら大違いだと、一人の不良少年が笑った。
そんなら交換して異性の香(におい)を偲ぶためかときいたら、
「まあ、そんなところでしょう。ハハハハ」
と又笑った。その笑い方が変だったから、根掘り葉掘り尋ねたら、彼は一種皮肉な、イヤな笑い方をしながら、こう答えた。
「それあ云ってもよござんすがね、あなた方に必要のない事なんです……何故ってあなた方は皆、情欲の方のブルジョアなんでしょう。奥さんもおなりになれば、芸者買いも出来る。だから必要はないんです……若いものはみんなみじめな肉欲のプロですからね……女の子だってそうです。大人が受けている自由を吾々は禁ぜられているのです……ですから異性の香(におい)を嗅ぎながら眼を閉じて……」
記者はこれ以上書く勇気を持たぬ。しかし何という巧(たくみ)な議論であろう。何という不愉快な風潮であろう。
少年少女の不良行為が、大人の専制に対する反逆的意味を持っていようとは、この時まで気が付かなかった。記者も矢張り明治人であった。
こうした反逆気分は、少年少女が使う新しい言葉にもうかがわれる。
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2005年11月25日
ルパシカを着る息子
たとえば息子がルパシカを着て喜んでいるとする。
親は、単純な物好きか、又は社会主義にカブレたのかと思って叱り付ける。
ところが見当違いである。本人は物好きでも社会主義者でもない。
近頃の東京の若い女、殊に自堕落な気分に浸(ひた)る女の中には、そんな風な男を好く国もない。家もない。思想的に日本よりもはるかに広く思われる露西亜(ロシア)、政治上の最高権威者が労働者と一緒に淫売買いに行く国、婦人子供国有論が生れる国――そんな国にあこがれているために日本の社会から虐げられている青白い若い男……そんな男は小説を読む淫売なぞに特にもてはやされることをその息子は知っている。だからそんな風をするのだ。
……と知ったら、親はどれ位なげくであろう。
まだある。
机にかける布(ぬの)切り子やセルロイドの筆立て、万年ペンのクリップ、風呂敷、靴にまで現われている趣味を通じて、その子女が世紀末的思想から生れた頽廃趣味に陥っていることを見破り得る親は先ずあるまい。
その持っているノートの黒い小さなゴムの栞(しおり)や、万年筆用の黒いクリップが、ナイフや針で文字を彫って、異性の家の壁や約束の立ち木やに隠して、秘密通信をやるのに便利な事を知っている監督者も先ずあるまい。
男のような字を書く娘、女のような字を書く息子が、変名を使って異性と通信しているに違いない事を看破し得る父兄もあまりあるまいと思う。
まだまだ驚く事がある。
親は、単純な物好きか、又は社会主義にカブレたのかと思って叱り付ける。
ところが見当違いである。本人は物好きでも社会主義者でもない。
近頃の東京の若い女、殊に自堕落な気分に浸(ひた)る女の中には、そんな風な男を好く国もない。家もない。思想的に日本よりもはるかに広く思われる露西亜(ロシア)、政治上の最高権威者が労働者と一緒に淫売買いに行く国、婦人子供国有論が生れる国――そんな国にあこがれているために日本の社会から虐げられている青白い若い男……そんな男は小説を読む淫売なぞに特にもてはやされることをその息子は知っている。だからそんな風をするのだ。
……と知ったら、親はどれ位なげくであろう。
まだある。
机にかける布(ぬの)切り子やセルロイドの筆立て、万年ペンのクリップ、風呂敷、靴にまで現われている趣味を通じて、その子女が世紀末的思想から生れた頽廃趣味に陥っていることを見破り得る親は先ずあるまい。
その持っているノートの黒い小さなゴムの栞(しおり)や、万年筆用の黒いクリップが、ナイフや針で文字を彫って、異性の家の壁や約束の立ち木やに隠して、秘密通信をやるのに便利な事を知っている監督者も先ずあるまい。
男のような字を書く娘、女のような字を書く息子が、変名を使って異性と通信しているに違いない事を看破し得る父兄もあまりあるまいと思う。
まだまだ驚く事がある。
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2005年11月24日
ボンヤリする心
彼等都会の少年少女は、その頭の鋭さ、デリケートさに相応する相手を求むべく、飢えかわき、ふるえおののいている。――秘密、犯罪等を扱った科学雑誌等を読みたがっている。――その中に隠されている、人生に対する皮肉、反逆、嘲罵の巧妙さを直感して快がっている。そうしていつの間にか、そんな事をやって見たい気持ちになっている。
内外の小説に極めて繊巧に、又は露骨に描かれた挑発的な場面を、紙背に徹する程眼を光らして読んでいる。
友達と話が出来ないというので活動に這入る。先ず俳優の名前を覚えて、その表情から日常生活まで研究する。そうしてこれを嘆美したり、崇拝したり、通を誇ったりする。
その中(うち)に世間が活動のように見えて来る。或る場面が自分の境遇のように思える。あの人があの俳優のように見える。圧迫から逃れて恋に生きる場面が、自分を中心にいく度(たび)か妄想される。そうしてボンヤリと明かし暮らす。
親はそんなことに気付かぬ。
内外の小説に極めて繊巧に、又は露骨に描かれた挑発的な場面を、紙背に徹する程眼を光らして読んでいる。
友達と話が出来ないというので活動に這入る。先ず俳優の名前を覚えて、その表情から日常生活まで研究する。そうしてこれを嘆美したり、崇拝したり、通を誇ったりする。
その中(うち)に世間が活動のように見えて来る。或る場面が自分の境遇のように思える。あの人があの俳優のように見える。圧迫から逃れて恋に生きる場面が、自分を中心にいく度(たび)か妄想される。そうしてボンヤリと明かし暮らす。
親はそんなことに気付かぬ。
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2005年11月22日
世界一の不良境
東京の子女が不良化して行く経路は極めてデリケートである。殊に現在の不良化の速かさ、不可思議さは世界一かも知れない。
都会の子女は生意気だという。それだけ都会が刺戟に満ちているからである。
震災後の東京は殊に甚だしい。毒々しい、薄っぺらな色彩のバラック街……眼まぐるしく飛び違う車や人間……血走った生存競争……そんな物凄い刺戟や動揺(どよ)めきをうけた柔かい少年少女の脳髄は、どれもこれも神経衰弱的に敏感になっている。ブルブルと震え、クラクラと廻転しつつ、百色眼鏡式に変化し続けている――赤い主義から青い趣味へ――黄色い夢幻界から黒い理想境へ――と寸刻も止まらぬ。その底にいつも常住不断の真理の如く固定して、彼等を刺戟し続けているものは、本能性や堕落性ばかりである。
このような刺戟に対する敏感さと、これを相手に伝える手段の巧妙さと新しさとは、彼等都会の子女が常に誇りとしているところである。
生活にいじけ固まった明治生れの親達は、こんな気持ちを忘れている。
都会の子女は生意気だという。それだけ都会が刺戟に満ちているからである。
震災後の東京は殊に甚だしい。毒々しい、薄っぺらな色彩のバラック街……眼まぐるしく飛び違う車や人間……血走った生存競争……そんな物凄い刺戟や動揺(どよ)めきをうけた柔かい少年少女の脳髄は、どれもこれも神経衰弱的に敏感になっている。ブルブルと震え、クラクラと廻転しつつ、百色眼鏡式に変化し続けている――赤い主義から青い趣味へ――黄色い夢幻界から黒い理想境へ――と寸刻も止まらぬ。その底にいつも常住不断の真理の如く固定して、彼等を刺戟し続けているものは、本能性や堕落性ばかりである。
このような刺戟に対する敏感さと、これを相手に伝える手段の巧妙さと新しさとは、彼等都会の子女が常に誇りとしているところである。
生活にいじけ固まった明治生れの親達は、こんな気持ちを忘れている。
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良心から切り離されて
台湾征伐、熊本籠城、日清日露の両戦役、又は北清事変、青島征伐等を見た明治人、勤倹尚武思想を幾分なりとも持っている明治人は、科学文明で煎じ詰められた深刻な享楽主義をとても理解し得ない。日本化された近代芸術が生む不可解な詩――鋭い文――デリケートな画――音楽――舞踊――そんなものの中に含まれている魅惑的な段落やポーズ、挑発的な曲線や排列の表現を到底見破り得ない。
一方、都市生活で鋭敏にされた少年少女の柔かい頭には、そんなものが死ぬ程嬉しくふるえ込む。メスのように快く吸い込まれる。
その近代芸術、又は思想の底に隠されている冷たい青白いメスは、彼等少年少女の精神や感情を、一つ一つ道義と良心から切り離して行く……その快さ……。
彼等少年少女は、言わず語らずのうちにそんな感情を味わい慣れている――街頭から――書物から――展覧会から――活動から――芝居から――レコードから――そうして、そんなもののわからぬ親たちを馬鹿にしている。
明治人はこうして、大正人であるその子弟から軽蔑されなければならなくなった。それは嘗て自分たちが天保人を時代後(おく)れと罵ったのと同じ意味からであった。
因果応報なぞと笑ってはいられぬ。時代後れが出来る毎に日本は堕落して行く。亡国のあとを追うて行くのだから。
明治人はしかしこれを自覚しない。明治時代と大正時代の思想の差が、旧藩時代と明治時代のそれよりもずっと甚だしい事すら知らない。
一方、都市生活で鋭敏にされた少年少女の柔かい頭には、そんなものが死ぬ程嬉しくふるえ込む。メスのように快く吸い込まれる。
その近代芸術、又は思想の底に隠されている冷たい青白いメスは、彼等少年少女の精神や感情を、一つ一つ道義と良心から切り離して行く……その快さ……。
彼等少年少女は、言わず語らずのうちにそんな感情を味わい慣れている――街頭から――書物から――展覧会から――活動から――芝居から――レコードから――そうして、そんなもののわからぬ親たちを馬鹿にしている。
明治人はこうして、大正人であるその子弟から軽蔑されなければならなくなった。それは嘗て自分たちが天保人を時代後(おく)れと罵ったのと同じ意味からであった。
因果応報なぞと笑ってはいられぬ。時代後れが出来る毎に日本は堕落して行く。亡国のあとを追うて行くのだから。
明治人はしかしこれを自覚しない。明治時代と大正時代の思想の差が、旧藩時代と明治時代のそれよりもずっと甚だしい事すら知らない。
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2005年11月21日
青春の享楽を先から先へ差し押える親
明治時代の親たちが、大正時代の少年少女の気持ちを理解し得ないのは当り前である。「権利と義務は付き物」という思想では、「人間には権利だけあって義務はない」と思う新しい頭を理解し得られる筈がない。
今の少年少女にとっては、学校は勉強しに行く処でない。卒業しに行く処である。又は親のために行ってやるところである。も一つ進んで云えば、学資をせしめて青春を享楽しに行く処である。
親はそんな事は知らぬ。
早く卒業させよう――働かせよう――又嫁や婿を取らせようと、青春の享楽の種を先から先へと差し押えようとする。
少年少女はいよいよたまらなくなる。益(ますます)家庭から離れよう、せめて精神的にでも解放されようとあせる。
華やかな、明るい、面白い、刺戟の強い、甘い、浮き浮きした方へと魂を傾けて行く。そうしていつの間にか不良化して行く。
親はこれを知らない。
現代の子女がどんな刺戟に生きているかを、明治時代の頭では案じ得ぬ。
今の少年少女にとっては、学校は勉強しに行く処でない。卒業しに行く処である。又は親のために行ってやるところである。も一つ進んで云えば、学資をせしめて青春を享楽しに行く処である。
親はそんな事は知らぬ。
早く卒業させよう――働かせよう――又嫁や婿を取らせようと、青春の享楽の種を先から先へと差し押えようとする。
少年少女はいよいよたまらなくなる。益(ますます)家庭から離れよう、せめて精神的にでも解放されようとあせる。
華やかな、明るい、面白い、刺戟の強い、甘い、浮き浮きした方へと魂を傾けて行く。そうしていつの間にか不良化して行く。
親はこれを知らない。
現代の子女がどんな刺戟に生きているかを、明治時代の頭では案じ得ぬ。
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2005年11月20日
上流家庭に不良が出るわけ
東京の社交婦人の忙しさは、とても九州地方の都会のそれと比べものにならぬ。哺乳をやめ、産児制限をやり、台所、縫物、そのほか家事一切をやめて、朝から晩まで自動車でかけ持ちをやっても追付(おっつ)かぬ方がおいでになる位である。その忙しさの裡面には風儀の紊乱が潜んでいる場合が多い。遠慮なく云えば、上流の夫人ほど我ままをする時間と経済の余裕を持っている。
そんな人の子女に限って家庭教師につけられているのが多い。その又家庭教師にも大正の東京人が多いのである。
震災前の不良少年は、大抵、下層社会の、割合いに無教育な親を持つ子弟であった。それが震災後は反対になって来た。上流の方が次第に殖えて来たと東京市内の各署では云う。
こんな冷たい親たちを持つ上流の子弟が不良化するのは無理もない。
そんな親様がいくら意見したとて利く筈はない。
それでも親としてだまって頭を下げているのは、只お金の関係があるからばかりでなければならぬ。
そんな人の子女に限って家庭教師につけられているのが多い。その又家庭教師にも大正の東京人が多いのである。
震災前の不良少年は、大抵、下層社会の、割合いに無教育な親を持つ子弟であった。それが震災後は反対になって来た。上流の方が次第に殖えて来たと東京市内の各署では云う。
こんな冷たい親たちを持つ上流の子弟が不良化するのは無理もない。
そんな親様がいくら意見したとて利く筈はない。
それでも親としてだまって頭を下げているのは、只お金の関係があるからばかりでなければならぬ。
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