メットール!

『ロックマンⅩ アニバーサリー コレクション』が発売され、
皆さん遊んでいただいておりますが(ありがとうございます)
今回のXアニコレ開発スタッフとロックマンXに当時関わったオリジナルスタッフである
加治さんを交えての対談の後編であります。

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プロデューサー:野中大三(文中では野中)
ディレクター:田中誠(文中では田中)
オリジナルスタッフ:加治勇人(文中では加治)
聞き手:ロックマン ユニティ ウッチー(文中では――)

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ではどうぞ!

■『ロックマンX』ファンに応える『アニバーサリーコレクション』

――では、ここからは『アニバーサリーコレクション』のコンセプトについてお聞きしていこうと思います。

野中 コンセプトとしてはシンプルで、『ロックマンX』の『1』から『8』までを移植することがプロジェクトの使命でした。

ただ、単に移植と言っても、いろいろやりようがあるだろうと。
昔の作品を今出すわけですから、ファンの方々への届けかたを考えなくてはいけないと。

でも、ディレクターの田中さんがどんどん仕事しちゃうんですよ(笑)。
「やれー!」みたいな感じで、進行していくわけです。僕のほうが遅いくらいで。

でも、じっくり考えた末、25周年の周年タイトルにしようと決めました。

8作品まとめて出すという、当初からの目的はブレてはいないのですが、単純な移植じゃなくて25年間、何らかの形で『ロックマンX』に触れてきた人たち、触れたタイミングが違ってもみんなが一緒に楽しめる周年タイトルにしようというのがコンセプトです。

そこから柱を決めて整理をしていきました。


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▲野中 大三(のなか だいぞう):『ロックマンX アニバーサリー コレクション』プロデューサー、好きなエックスシリーズは“ドットグラフィックは芸術レベル”と言う「ロックマンX4」

――ひと口に『ロックマンX』シリーズと言っても、8作品となると結構な期間になりますよね。
どの作品から入ったのかというのもありますし。

田中 そうなんです。ファン層の幅があるんですよね。
「俺は1~3世代」とか、「僕は7~8世代」という風に分かれていますね。


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▲田中 誠(たなか まこと):『ロックマンX アニバーサリー コレクション』ディレクター


野中 もしかしたらカプコンでもシリーズを通してやっている人は少ないかもしれませんね。

――そもそも3つのハードにまたがっていますしね。

野中 どれもヒットしたハードでそれぞれのユーザー層は厚いのですが、
やはりハードごとにプレイヤーの世代が見事に分かれていて。

――ずっと同じハードで出ていた『ロックマンエグゼ』は、世代がガチッと固まっているのですが、『ロックマンX』はバラけていますよね。
ところで、先ほど田中さんがガリガリと仕事を進めていたと伺いましたが、田中さんとしては移植に当たりどんな思いがあったのでしょうか?


田中 僕もただ移植するだけでなく、いろいろ入れようという気持ちは当然ありました。
最初に考えたのは、25年間『ロックマンX』を愛し続けてくれた人と、『ロックマンX8』が出てから13年間待ってくれている人、その2層のターゲットに対して発信していかなければならないということでした。
ただ、ファン層が広いこともあって、どうゲームを組むのがいいのか、見極めるのが難しかったですね。

設定画などを収録したギャラリーなどはもちろんのことですが、まずはファンの皆さんが安心してプレイできる『ロックマンX』を確保しようと。

開発当初から、チームの大前提として8作品をしっかり再現するということを掲げていました。
それが長年愛してくれた方たちに対する答えなのかなと。

そして、13年待ってくれている人に対しては、新しい遊びやインパクトが必要だなと思いまして、
新モードの“Xチャレンジ”を入れました。


――加治さんはこのXチャレンジについてどう思われましたか? 以前、加治さんはこういった遊びや工夫をすることを「頓智をきかせる」とおっしゃっていましたが……。

加治 いろんなボスと戦うなんて、もう考えられないことですよね。
デバッグと調整、大丈夫かなって(笑)。
大変だろうなあというのが正直な感想でしたが、見事にやり切ってくれましたね。


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▲加治 勇人(かじ はやと):『ロックマンX』でエックスのデザインとドット絵を担当
好きなイレギュラーは「ランチャー・オクトパルド」


田中 Xチャレンジはシリーズファンに向けての提案ですが、今回は初心者の方のためにイージーモードも入れているんです。

そんなワガママタイトルになっています(笑)。

そのため、ボリュームとしてはとんでもない量になりまして。
毎回「大丈夫?」と言われながら作っていました。

たぶん、カプコンの移植タイトルとしては歴代で一番大きなチームだったと思います。
32人ほどでしょうか。
外部の協力会社さんも含めたら、延べ50名ほどになるかもしれません。
QA(品質管理)スタッフも40名くらいかな。

――もはや新規タイトルの規模ですよね。

野中 8本分ですし、新モードが入っていますから。

加治 予算のほうも大丈夫かなあ(笑)。

田中 野中さんはヒィヒィ言っていましたけどね(笑)。

野中 その分、いっぱい売らないとね。
あと25年間売れ続けてくれるくらい(笑)。

――やっぱり最新のハードで遊べるというのは大事なことですよね。
この『アニバーサリー コレクション』から始める人もいらっしゃるかと思いますし。
そこから新しい世代にも『ロックマンX』が繋がっていくのではと思います。

加治 初めての人も手を出しやすいとは思うんですが、
それにしても8本分で5500円って安くないですか?

野中 最初はもっと値段を抑えてダウンロードコンテンツとして配信という案もあったんですけどね。
いろいろあって、単品版は3300円という聞いたことないような値段になって。

僕個人としては3980円にしたかったんですけどね(笑)。

一番初めに企画したときは、バーチャルコンソールのスーパーファミコンタイトルの価格を参考にしていたんですよ。

でも、その内に新モードとか作り始めちゃって。

田中 (苦笑い)

――ギャラリーもすごいボリュームですしね。

野中 それに、ジャケットの描き下ろしというのも移植作品ではあまりないですからね。

田中 移植なのにメインアートとパッケージイラスト2つと、他にも描き下ろしイラストが何点かあるんですよ。
RXCCパッケージFIXレイヤー分け0123

オフィシャルイラストレーターの水野(佳祐)くんをめちゃめちゃこき使いました(笑)。

野中 彼は開発チームに入っているわけじゃないのに、なかなか解放しないというね(笑)。

田中 しまいには特典物のマークまで描かせて……。

野中 ポスター用やインゲームのイラストも何点か描いてもらっているんですよ。
でも、もとはと言えば、田中さんのワガママ
ですからね(笑)。

田中 (苦笑い)描いてもらったキャラクターも延べで80体くらい……。

――80体! そうですよね、8作品分ですし……。
でも、このビジュアルもすごく評判がいいですよ。
ファンの方にとっても、自分の好きなキャラクターがちゃんといる、抜けていないというのが喜ばれているみたいです。描ききった水野さんの執念を感じますね。

加治 本当によくがんばってくれていますよね。

野中 キャラクター選定のときはおもしろかったですよ。
途中で「コイツがいません!」となったりして。

田中 「ココにまだ入れるの!?」って言いながらも、どんどん増えていきましたね。

野中 加治さんのお言葉を借りますが、デザインとしても頓智(とんち)がきいていて、“X”の字がバーンとあって、タイトル別にエリアを分けていて、そこにキャラクターを描いています。

ゼロとかタイトルをまたいで登場しているキャラクターは、それぞれのポジションで出ています。
『ロックマンX』のゼロとか、『ロックマンX5』のゼロという位置づけで描いています。
登場キャラクターが多い作品もありますから、大変でしたけど。

田中 これを見やすく成立させるのも大変でしたね。
“X”を前に出しつつ豪華なイメージを求めたので、整理にはだいぶ時間を掛けました。

野中 今回、田中さんはディレクターですけど、元々デザイナーでもあるのでそういう部分にはこだわっていますし、力も発揮してくれました。

僕の心無い無茶なオーダーも引き受けてくれて……。
パッケージイラストなんてまさに無茶でしたよね。
「キャラクター多いほうがいいでしょ」と頼んでおいて、「セット版は、単品版のイラストを分割で入れてくれ」と。
【小】ワンツーパックPS40316

田中 そうでしたね。よく見るとレイアウトが異なっているんですよ。
また、PlayStation4版とNintendo Switch版でもレイアウトの縦横比が違うんです。
それを水野くんが組んでくれて。
またそれが終わった後に北米版パッケージを作ってもらって(笑)。

加治 北米版はどう違うんですか?

野中 北米版は、エックスとゼロとシグマの3人で構成されているんです。
シンプルにキャラクターを押し出してほしいということで。
ただ、北米のほうでも日本版パッケージのイラストが欲しいという人も多いみたいです。

海外版パッケージfix0322


――イラストは本当に人気で、セット版のほうがお得なんですが、それだと単品版のレイアウトでイラストが味わえないから単品版をそれぞれで買うという方もいるようです。


田中 実は、開発チームの中に北米版も含め全バージョンを買った者がいまして。
限定版も買っていたなあ……。若手スタッフなので、給料飛んじゃうんじゃないかな(笑)。


野中 僕も絵は好きなので、タイトルを制作するときにデザイナーにまず絵を描いてもらうんです。
表紙絵とかではないですけど。

今回も、水野くんに共通アートを描いてもらって。そして、田中さんにも3つほど作ってもらいまして、その内の1つがとても良かったので、宣伝用のビジュアルにしたり、e-カプコン限定版のアクリルアートとキャンバスアートに使いました。それが、おかげさまで大好評でした。

イーカプ限定版


――驚くほど受注が入ったそうですね。

野中 僕としては値段が高いので猛反対したんですけどね。
社内では「それ見たことか」と言われていると思います(笑)。


――やはり絵の力はすごいですね。

加治 絵と言えば、ゲーム中のフィルターでキレイになる機能もいいですよね。
ドットだとカクッとしていますけど、キレイに見てもらえるのはいいですよね。

野中 フィルターもどういうものがいいのか、じっくり検証しましたよね。

田中 昨今ではフルHDでのプレイ環境が基本になっていますよね。
そのため、過去作品の移植も難しくなってきているんです。

『ロックマンX』シリーズは、スーパーファミコンからPlayStation2まで、さまざまなハードをまたいでいますが、原作のドットを味わっていただくことは我々の使命だと思っています。

さまざまな形式でグラフィックを楽しめる移植作品はこれまでにもありますが、もう一つインパクトが欲しいなと思いまして。

それでいてオリジナリティを保ちながら大きいテレビで遊ぶことに対して助力ができたらと思い、ドット絵のキャラクターをスムーズにするフィルターを搭載しました。

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これはカプコンの移植タイトルでは初めてのことだと思います。
フィルターはスーパーファミコンと初代PlayStationのタイトルに対して適応されます。
当然、フィルターをオフにすることでオリジナルのグラフィックでも遊べます。

――そういうところにも時代の変化が感じられますね。当時はブラウン管のテレビでしたし……。

加治 ええ。アナログで色が滲むのがまたグラデーションのようになっていましたよね。

――そのブラウン管で丁度よかったオリジナルのまま、液晶の大きいテレビに映すとキャラクターが小さかったりするんですよね。

田中 でも、実はファミコンの解像度とあんまり変わらないんですよ。

――そうなんですか!

加治 3Dではないですからね。

野中 ドットの大きさは変わらないのですが、色が多いんですよね。

田中 ファミコンの移植はドット絵で出すと“レトロ”で済むんですが、スーパーファミコンの場合は、色数が多いけど解像度が変わらないため、ガタつきのほうに目が行っちゃうんですよ。それで今回、大きいテレビで遊ぶときにキレイに見えるというのを実現するために、なめらかフィルターを入れました。

――フィルターは2タイプ用意されていますね。

田中 はい。フィルターにも種類があるんですよ。今回、プログラマーからいろいろ提案してもらいつつ、3~4ヵ月かけて、プランナーの松浦(賢司)さんと絞り込みました。

野中 選定の終盤では、彼らが何を比べているのか分からないくらいでしたよ。
「同じフィルターじゃないの?」って(笑)。


でも比較してみると、キャラクターはキレイになるけど、背景がボヤけるとか、文字が読みづらいとか、フィルターにもそれぞれに特徴があるんですね。

ドットで打たれた文字の場合は、限られたドットで読みやすいように書かれていて、ちょっと特殊なものですから、それにもまたフィルターとの相性があって。

そんな風に滑らかにすることで読みにくくなることもありました。
ゲージなどの表示もそうです。

田中 体力ゲージのバーが繋がっちゃったりね。
フィルターをかけることで壊れる絵もありました。
本当に試行錯誤しましたね。そこから一番相性が良くて、キャラクターの顔のイメージを崩さないものを選んで調整していきました。

――その辺りもぜひ、プレイヤーさんに実際に見ていただきたいですね。
では、そろそろお時間となりましたので、加治さん、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

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加治 僕自身、25年も経っていることにビックリしています。
本当に長い間待っていただいているファンの皆さんには、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。
『アニバーサリー コレクション』で初めてプレイされる方にも、魅力が伝わるといいなと思っています。そして、新作が作れるともっといいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。


以上!いかがでしたでしょうか?
エックスについて加治さんにお話を聞ける機会はなかなか無いですし、
「今」エックスに関わっているスタッフとの対談と言うのも貴重なのではないでしょうか?

実は!この企画、まだ続きます。

次回はサウンドについて、です!






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