センターブログ byみやぎ野生動物保護センター野生動物保護について考える森を守る 〜日本熊森協会〜

 台風14号の通過により、日本各地に多大な被害がありました。近年の台風の被害がとても増加しているように感じわれます。 やはりその原因となっているのは地球温暖化があげられると思いますが、それ以外に山の森林の人工化によるものがあるようです。

 1997年、奥山保全・復元の実践活動を行う自然保護団体として「日本熊森協会」が立ち上がりました。この日本熊森協会では、

【21世紀を生き残るため、日本を自然保護大国に ―クマなどが棲む豊かな森を次世代に―】

 を合言葉に大型動物の絶滅の阻止と奥山の保全と復元を目的として活動しています。

 日本の山の大半がもともとドングリブナの木などの広葉樹が広範囲にわたって茂っていたそうです。ですが近年加工用木材の生産のため、広葉樹を切り倒し、まっすぐ伸びる針葉樹を植えてきました。 その「ツケ」がいま私たちに被害をもたらしています。

奥山の原生林

人工の杉林

 

 

 

 


大雨が降ると川はすぐに増水し、やがて川の水は堤防を越え住宅地に流れ込みます。その度に護岸工事を行い堤防を高くしてきました。 

 いまの山にある杉などの針葉樹は根が浅く、風に弱い、また広葉樹と比較した場合とても保水力が低いのです。またあちこちをアスファルトやコンクリートで固めた結果、雨水が地面に吸い込まず、川に流れ出します。 山の保水力とコンクリートの地面、これによって昔に比べ川の水位の上昇が大きくなってきているようです。 雨が降れば、山がダムとなり少しずつ川へ流す。山が本来の姿に戻れば人工のダムは必要なくなるかもしれません。

 皆さんもご承知のことかと思いますが、昨年の出没というニュースが非常に多くありました。そして人に被害を及ぼすとして射殺されるケースが多くありました。 クマはもともと臆病で小心者ということを聞いたことがあります。人を見るだけでパニックになり襲いかかってきてしまうそうです。そんなクマがなぜ人里に下りてくるのか。

 捕獲、射殺されたクマのほとんどが若くて空腹だったようです。 このことから原因は明確です。山に餌がなく、餌を採ることのできない若いクマが人里に餌を求めて下りてきたのです。生きるための当然の行動であり、危害を加えにきたけではなく、必要に迫られ出てきたのです。 特に昨年の場合、冬眠前の時期にドングリなどの木の実が大型の台風によって叩き落され、例年になく山に餌が足りない状況にあったと推測されます。

 その時期、ニュースでもクマの被害(クマも被害者です)をなくそうと山にドングリを撒こうとという活動が行われました。多分日本熊森協会だったかと思います。 テレビで見ていたときその活動に対して研究者などが批判をしているをよく覚えています。「もともと生えている樹木の自然の生態を崩すからやめるべきだ」というものです。

 ― もともと生えている樹木はどのくらいあるのでしょうか?

 クマや猿、鹿などといった野生動物たちが人里に出てこないようにと考えるのであれば、まずは山に餌が豊富にある状態を作ってあげようと考えるべきです。日本熊森協会の考え方はそこにあると思います。 

 自然に手を加えないようにという人もいるかもしれませんが、もうすでに本当の自然はなくなっているのかもしれません。だから「自然を復元する」というところから考えを起こさなくてはいけない時代なのかもしれません。

 今年も台風が大型化しています。このままでは昨年同様に山の食料が足りなくなり、クマが出てきてしまうことも考えられます。国や自治体にはいち早く対応してもらい、それを促すためにも私たちが声を上げ訴えかける必要があると考えます。

スタッフより

 


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トラックバック一覧

  1. 1. 「自然保護」という宗教

    • [A-WING::Frog is not Blog]
    • 2005年09月11日 21:51
    • 以前に書いた「日本熊森協会」の記事に対して,「ロッキーの野生動物保護センター 設立準備室」というところからトラックバックがあったので,関連した話題を書きます。クマが人里に降りてくる理由として,山の餌不足というのが良く上げられますが,最近ではその理由として...
  2. 2. 野生のクマを見て、星野道夫さんを思う

    • [多忙な人のスローライフ(ロハス)]
    • 2005年09月11日 22:36
    • 壱岐健一郎さんのスローなブログ「自然を体験する旅」でマレー熊の写真を見つけた。野生の熊の写真を見ると星野道夫さんの言葉を思い出す。 「ある朝、遠い山の斜面をグリズリーが歩いていた。原野でクマと出会う。それは何という体験なのだろう。そこに一頭のクマがいるだ...

 コメント一覧 (3)

    • 3. まち
    • 2006年04月20日 21:35
    • 今日のアンビリーバボー感激でした
      人間に傷つけられた動物たちを保護活動されてる武田さんすばらしいです涙がとまりませんでした私もお手伝いしたいです動物が大好きです自然に帰れてよかったですこれからも活動に応援していきたいです
    • 2. snoopypapa
    • 2005年09月12日 02:03
    •  トラックバックありがとうございました。
      「森のkoe」としてblogを立ち上げてから、
      初期の自分の「森」への思いに注目して戴いたの
      は初めての事かと思います。
       具体的な「活動」は何一つ出来てはいないの
      ですが、「森」と海への思いは人一倍強いもの
      があります。
       私は今、その「森」と「海」をテーマにした
      「物語」をしごくゆっくりと展開しているに過ぎませんが、自分のライフワークとして、「物語」
      を通して、自分の思いを紡ぎ、人間と自然について、更に深く考えを深めたいと念じています。
    • 1. ロラバありがとうございました
    • 2005年09月11日 22:52
    • こんにちは。
      「多忙な人のスローライフ(ロハス)」の
      大樹です。
      トラックバック ありがとうございました。
      国も使われない道路やダムを作ったりするより、
      「自然を復元する」ために費用を使って欲しいものです。

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