2006年09月02日
焼酎亭チェリオ 「酒の粕」
焼酎亭カシス 「夏の医者」
焼酎亭ベリー&ウーロン 「明石飛脚」
―仲入り―
焼酎亭乱夢 「厩火事」
焼酎亭モルツ 「千両みかん」
ゲスト:平林之英 「新作紙芝居+えかきうた」
―仲入り―
焼酎亭とらじ 「壷算」
焼酎亭呑衛 「大安売り」
「焼酎亭一門会」を観に、大阪・北浜のロータスルーツパークまで。
焼酎亭カシスこと劇団☆世界一団(もうすぐsunday)の年清さんをはじめ、関西小劇場の役者さん達がやってる落語同好の集い。気付くとメンバーが増えてるのもご愛敬でございまして。
会場のロータスルーツパークは、古い二階建の町屋を改装したカフェギャラリー。クーラーはないけど、たくさんの窓を開け放って、扇風機をがんがん回した風通しのよさがほんとに気持ち良くて。落語会にはいろいろ行くけど、あんなに開放的な会ってなかなかない。体ひとつでどこにも行ける落語だから、ますますいろんな場所でやってほしいと思います。
出演者に女の人のほうが多い落語会というのも私は初めて。道理でどことなし華やいだ感じの会でした。
開口一番、チェリオこと末満さん。髪がまっすぐで短いとこは初めて見たので、別人かと思いましたいやはや。紺の着物がなかなかお似合いでしたが、帯位置が高すぎて、こどもみたいでした(笑)殿方の着物は、もっと腰で着るですよ!
これが落語デビューです、ハイッ!と緊張しつつ「酒の粕」。(5分でできる小咄なので、これを手始めにかける人が多そう。秘かに焼酎亭一門の「道灌」と呼んでおります)
普段芝居をしてる人だけあって、二人のかけあいの演じわけに無理がない。落語くさくはないけど、すごく聴きやすかったです。そこにないものを使った仕草がうまいのは、惑星ピスタチオ出身者の面目躍如ですかな。甘党なキャラ(もともとそういう話)は、実感こもっていたと思います。
カシスこと年清さん、真夏にぴったりのお話です…と「夏の医者」。アンティークな感じの藍の浴衣に海老茶の帯がものすごく粋でかわいかったです。
こちらも決していかにも〜な落語くささではないのだけど、年清さんらしい、ふにゃふにゃ〜とした可愛さとしなやかな不思議さがあって、素敵に忘れがたい一席。呑気なお百姓さんもよかったけど、ものすごい笑顔で照りつける太陽とか、満腹になったうわばみのアンニュイなかわいさとか、人じゃないものがまた◎
ベリーこと枝村さんとウーロンこと西村さん、二人並んであがって「明石飛脚」をかけあいで、上方らしく途中にお囃子(サックスとギター)も入れて。
お二人とも初めて観る方でしたが、かわいくカラフルなゆかた(ベリーさんは白地にふわっと大きなピンクのバラ?、ウーロンさんは白地に緑やオレンジの大きめ抽象柄)をおしげもなく尻っぱしょりしてのしぐさが嫌味なくはまって、後味のいいおとぎ話みたいなかわいさ。今度はお一人ずつ観てみたいと思いました。
休憩はさんで、乱夢こと安元さん「厩火事」。薄紫に百合?柄ではんなりと。
東京版とほとんど同じ筋。なかなかの大ネタをたっぷり聴かせて頂きました。兄貴分のドスのきいた困惑ぶりが(さすがの感じで)はまり、おさきさんの可愛いいじらしさにドキッとなり…。思えば世界一団ではこういう、女らし〜い役どころを観たことなかったので嬉しい不意打ちでした。
またまた世界一団つながり、モルツこと吉岡さんあらため吉陸さんは「千両みかん」。白地に濃いめピンクのの花柄がふわっと散った浴衣でかわいらしく。
今回の演目では唯一、東京版で。番頭さんがみかんを捜し当てたところからの短縮バージョン。悪い意味じゃなく、普段芝居をしてる感じのままでぐいぐい運ぶ。「(千両の値段に)驚いてるのはあたしだけですか」とかのギリギリせっぱつまった感じがえらくよかったです。
サックスでの生お囃子も担当したゲストの平林さん。極彩色脱力柄のアロハにざくっとした編みテンガロンハットが、やけにお似合いです。
だしものは新作紙芝居二本立て(もちろん自作) 「タンバリンブラザーズ」で笑わせた後、おもむろに「横笛シスターズ」。あの独特の絵と、迷いない口調で訥々と語られるいんちきの香ほのかなおはなしのハーモニー…。いしいしんじさんのおはなしを連想。
二度目の休憩をはさんで、とらじこと宇田さん「壷算」。濃い緑の地に黒の縞のゆかた、畳表の草履を素足に。帯を低めにきりっと締めた感じもほどよく。出囃子は「男はつらいよ」、そうこなくちゃ。
宇田さんの落語って、やけに老成した語り口を想像していたのだけど…、短くはない持ち時間中、全速力で喋りっぱなしでした。緊張のためか、喋りで惑わす演出なのかどうか。緩急つけないと聴きづらいものだけど、急ばっかりも困るもので(笑) ゆったりした、仕草の多いネタなんぞをじっくり聴いてみたいものです。刀や箸を使うの、さぞやきれいだろうと思います。
それにしても…人を煙に巻く宇田さんは初めて観たのだけど、生来の口先八丁ないかさま師には、やっぱり見えなかったでした。
トリは呑兵衛こと大宮さん「大安売り」。着物の色は…たしか藍だったかと。
東京版との違いは遠征した江戸の本場所で全敗して、もとの名前が玉二つじゃないぐらい(もとは上方の話らしいですが)。がっちりした体格を生かした話を、というだけあってお相撲さんの感じがよく出てほほえましい。血気盛んなお侍さんなんか演ったら似合いそうでした。
焼酎亭カシス 「夏の医者」
焼酎亭ベリー&ウーロン 「明石飛脚」
―仲入り―
焼酎亭乱夢 「厩火事」
焼酎亭モルツ 「千両みかん」
ゲスト:平林之英 「新作紙芝居+えかきうた」
―仲入り―
焼酎亭とらじ 「壷算」
焼酎亭呑衛 「大安売り」
「焼酎亭一門会」を観に、大阪・北浜のロータスルーツパークまで。
焼酎亭カシスこと劇団☆世界一団(もうすぐsunday)の年清さんをはじめ、関西小劇場の役者さん達がやってる落語同好の集い。気付くとメンバーが増えてるのもご愛敬でございまして。
会場のロータスルーツパークは、古い二階建の町屋を改装したカフェギャラリー。クーラーはないけど、たくさんの窓を開け放って、扇風機をがんがん回した風通しのよさがほんとに気持ち良くて。落語会にはいろいろ行くけど、あんなに開放的な会ってなかなかない。体ひとつでどこにも行ける落語だから、ますますいろんな場所でやってほしいと思います。
出演者に女の人のほうが多い落語会というのも私は初めて。道理でどことなし華やいだ感じの会でした。
開口一番、チェリオこと末満さん。髪がまっすぐで短いとこは初めて見たので、別人かと思いましたいやはや。紺の着物がなかなかお似合いでしたが、帯位置が高すぎて、こどもみたいでした(笑)殿方の着物は、もっと腰で着るですよ!
これが落語デビューです、ハイッ!と緊張しつつ「酒の粕」。(5分でできる小咄なので、これを手始めにかける人が多そう。秘かに焼酎亭一門の「道灌」と呼んでおります)
普段芝居をしてる人だけあって、二人のかけあいの演じわけに無理がない。落語くさくはないけど、すごく聴きやすかったです。そこにないものを使った仕草がうまいのは、惑星ピスタチオ出身者の面目躍如ですかな。甘党なキャラ(もともとそういう話)は、実感こもっていたと思います。
カシスこと年清さん、真夏にぴったりのお話です…と「夏の医者」。アンティークな感じの藍の浴衣に海老茶の帯がものすごく粋でかわいかったです。
こちらも決していかにも〜な落語くささではないのだけど、年清さんらしい、ふにゃふにゃ〜とした可愛さとしなやかな不思議さがあって、素敵に忘れがたい一席。呑気なお百姓さんもよかったけど、ものすごい笑顔で照りつける太陽とか、満腹になったうわばみのアンニュイなかわいさとか、人じゃないものがまた◎
ベリーこと枝村さんとウーロンこと西村さん、二人並んであがって「明石飛脚」をかけあいで、上方らしく途中にお囃子(サックスとギター)も入れて。
お二人とも初めて観る方でしたが、かわいくカラフルなゆかた(ベリーさんは白地にふわっと大きなピンクのバラ?、ウーロンさんは白地に緑やオレンジの大きめ抽象柄)をおしげもなく尻っぱしょりしてのしぐさが嫌味なくはまって、後味のいいおとぎ話みたいなかわいさ。今度はお一人ずつ観てみたいと思いました。
休憩はさんで、乱夢こと安元さん「厩火事」。薄紫に百合?柄ではんなりと。
東京版とほとんど同じ筋。なかなかの大ネタをたっぷり聴かせて頂きました。兄貴分のドスのきいた困惑ぶりが(さすがの感じで)はまり、おさきさんの可愛いいじらしさにドキッとなり…。思えば世界一団ではこういう、女らし〜い役どころを観たことなかったので嬉しい不意打ちでした。
またまた世界一団つながり、モルツこと吉岡さんあらため吉陸さんは「千両みかん」。白地に濃いめピンクのの花柄がふわっと散った浴衣でかわいらしく。
今回の演目では唯一、東京版で。番頭さんがみかんを捜し当てたところからの短縮バージョン。悪い意味じゃなく、普段芝居をしてる感じのままでぐいぐい運ぶ。「(千両の値段に)驚いてるのはあたしだけですか」とかのギリギリせっぱつまった感じがえらくよかったです。
サックスでの生お囃子も担当したゲストの平林さん。極彩色脱力柄のアロハにざくっとした編みテンガロンハットが、やけにお似合いです。
だしものは新作紙芝居二本立て(もちろん自作) 「タンバリンブラザーズ」で笑わせた後、おもむろに「横笛シスターズ」。あの独特の絵と、迷いない口調で訥々と語られるいんちきの香ほのかなおはなしのハーモニー…。いしいしんじさんのおはなしを連想。
二度目の休憩をはさんで、とらじこと宇田さん「壷算」。濃い緑の地に黒の縞のゆかた、畳表の草履を素足に。帯を低めにきりっと締めた感じもほどよく。出囃子は「男はつらいよ」、そうこなくちゃ。
宇田さんの落語って、やけに老成した語り口を想像していたのだけど…、短くはない持ち時間中、全速力で喋りっぱなしでした。緊張のためか、喋りで惑わす演出なのかどうか。緩急つけないと聴きづらいものだけど、急ばっかりも困るもので(笑) ゆったりした、仕草の多いネタなんぞをじっくり聴いてみたいものです。刀や箸を使うの、さぞやきれいだろうと思います。
それにしても…人を煙に巻く宇田さんは初めて観たのだけど、生来の口先八丁ないかさま師には、やっぱり見えなかったでした。
トリは呑兵衛こと大宮さん「大安売り」。着物の色は…たしか藍だったかと。
東京版との違いは遠征した江戸の本場所で全敗して、もとの名前が玉二つじゃないぐらい(もとは上方の話らしいですが)。がっちりした体格を生かした話を、というだけあってお相撲さんの感じがよく出てほほえましい。血気盛んなお侍さんなんか演ったら似合いそうでした。
(16:31)