6448COFFEE+ESSENCE

六曜社珈琲店-セカンドライン-

2025年03月

そういえば、3月が始まったその日は、先斗町『Alphabet Ave.』の21周年記念でした♪

時折、諸先輩方と一緒に訪れ、店主タコさんも介して語らい合う空間は、いつも良質である♬

そしてその日は、タコさんの築いた関係や音楽で溢れる素晴らしいヒトトキで夜が明けていったのである。

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何となくね、その日のおやつにとお菓子を買いに行った。

飾らない佇まいでも、豊富なラインナップ♪

そして良心的な値段♬

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いろんな価値観が、価格に関しても変化している世の中…。

続けていくために原材料との格闘もあるけれど、いろいろなお菓子を買って告げられた金額に何となく嬉しくなった(笑)

“日常に寄り添うこと”や“小さな幸せ”を届けるタメには、そういう事も含めてだよなぁ~と改めて痛感。

利益を得るという意味や矛先は、お客様の安心感や喜びの中にもあることを忘れてはいけない!

『ゴゴ』に行った日♪

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ここと、『マハヤーナ』は私が敬意を表する店主の姿がある…♬

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大人気イベント『紙博』が2025年も開催され、文具雑貨の「forme.」さんも参加されます。
期間中、“6448 COFFEE + ESSENCE”が担当する“夢ミル京都喫茶巡りブレンド”の販売も決定しておりますので、気になる方は是非とも足を運んでみて下さい♪

イベント概要
【「紙博 in 東京 vol.10」開催概要】
日程:3月14日(金)・15日(土)・16日(日)
時間:9:00〜17:00  *16日のみ9:00〜16:00
場所:東京都立産業貿易センター台東館 4階・5階・6階展示室

★詳しくは『紙博』ホームページにて↓
https://kamihaku.jp/202503tokyo/

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肩書きなどに囚われる人ではないが、私から感じる『吉田省念』は音楽家。バイオリンやチェロなど重厚感のある美しい音を奏でることも出来れば、フォークやエレキギターといった魂が宿り感性が刺激される音さえ表現する。さらにはピアノやドラムや…でさえ、それぞれの音を自分の手でカタチにして楽曲を完成させることの出来るオールラウンダー。そして省念君の人柄が、何よりも唯一無二のバランスを引き出し彼の音楽として世の人達に存在感を解き放っているように思うのです。
そんな彼の父は現代美術家。母はバイオリンの演奏とポエトリーリーディングで活動。さらには祖父母も音楽に触れ合い、祖父は戦前・戦中も蓄音機鑑賞をこよなく愛する方だったと語る。芸術家である父が1964年に建築した自宅兼アトリエの一部にはコンクリートで覆われた作業場があり、1970年の万博と同時にサンフランシスコやニューヨークへと活動で渡米する事になってからの8年ほどの間で、そのアトリエは当時カルチャーに明け暮れていた作家やバンドマン達が屯するコミュニティーの場所になっていった。ロックな壁画絵師「木村 英輝」ことキーヤンや、「柴田 和志」ことチャー坊率いる村八分に、「ザ・ノーコメンツ」のギタリストだったタコさん(現:Alphabet Ave.店主)や、京都の多角的スペース「UrBANGUILD」を営む芸術全般愛好者の店主・福西次郎さんらも通い、地域コミュニティとして今では根強い“左京ワンダーランド”の根源のような活気が当時繰り広げられていたという。
そんな境遇が、もしかしたら自然と省念君のルーツをたぐり寄せ結び付いたのかもしれない。それは、遅がけながらも小学3年生の頃からバイオリンを始め、その素質が見出されていった時期を機に、90年代中学生になった頃には男子らしく古着や洋楽にハマり、同級生の特殊な感性を持つ友人と二人でバンドを組み“厨二病”のように音楽を掻き鳴らしていたというからだ。
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父が日本に戻ってからのアトリエも、省念君には音楽と共に出来るスタジオになったのは言うまでもなく、そんな姿からもチャー坊のエレキギターを譲り受けることになったのは運命的だ。高校時代はアルバイトで稼いだお金を好きなモノコトへつぎ込み、街に出て社会や大人を学びながら、オールディーズBarのオーディションに受かったりもして、音楽にも触れ続けていく。大学は父のように美術系の大学に進み、様々な感性も磨かれていきながら、時が経つにつれてバンドで音を鳴らす事よりも、音源を作っていくことに興味を持ち始めたのが2000年代。打ち込みをする友人との出会いにも羨ましさが芽生え、省念君は自身の環境と実力を注ぎ込める宅録に没頭していくのである。それでも生音を披露するべく環境は続け「SUZMENBA」「吉田省念と三日月スープ」というバンド活動から、特に衝撃だったのは2011年に「くるり」へ加入したこと。そんな順風満帆な活動を送っているように見えた彼だが、自身の音楽の方向性と表現を更に作り出していくために、2013年春には脱退を決意し発表された。
それからというもの、2010年に他界された父のアトリエを整理しながら、今度は自らのスタジオへと変化させ作業場のスペースとして受け継いだ彼は、自身のペースで自分のカラーで音源を発表し続けながら、様々な音源制作にも携わっている。また、2014年からCOFFEEHOUSE「拾得」でマンスリーライブの開催を継続するなど、音楽を表現する舞台に今も尚立ち続け、そこでも様々なアーティストと価値ある音楽を届けるためのバンド活動も欠かさない。
そこには、そして省念君の音楽には、1980年代に美術の現場において父と母が夫婦としてパフォーマンスを繰り広げていた時のような“空間の美食家”を意識した寛容な音が美しく重なっていて、ステージと共有するハコ全体にも、音源としての領域でさえも、幅と奥行きといった広がりがあり包み込まれるような感覚を抱いていく実感がある。
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そういった境地に立つ省念君が足を運ぶ喫茶店の時間は“ながらの究極”と言う。普段自身のスタジオで自分のことに没頭する時間を費やすことの多い彼にとって、会話をしなくてもその空間で他者と共存することや、何かをしながらコーヒーを飲む時間は、ギターならばチューニングをしているような感覚で捉えている。そして時に本を読みながらや考え事をしながら、はたまた会話をしながらの“ながら”を共にして過ごす行為は、音楽制作の時間には行えないシチュエーションなので心地良さがあるという。また、何をしたいかで足を向けたい場所(お店)がそれぞれにあるのも、多種多様な人々が行き交う店内で、何か過ごしたいセカイ感が共有されていて、空間として時間軸が共存した“魂”みたいなものが宿っている感覚があるのも面白いという。そして、そういった視覚的にも飛び込むものを自然と心の中に念写して記憶している光景が自身の表現や制作に活かされているかもしれないというインスピレーションがあるところも、まさに私には音楽を介する表現者のように感じて止まないのです。そして、アーティストとしても建築や重さみたいなものに心が動く省念君は、構造や空間の中に物質として重厚なものや、バランスとして重厚感が取れている所に落ち着きや居心地を抱くという感性が発見だった。テーブルやカウンターやイスの重量など、何処かに重たいものがある事によって落ち着きが生まれるという感覚は確かに言われてみればシックリときて、自然と私自身もそのように感じているのかもしれないと思えた。
まさにお店は、音楽制作のようにジャンル分けはされても、そこにオリジナリティーが追求出来るかも重要な要素。これだけ環境や物でも溢れ出した世の中に対して、どうやって個性を解き放ち、またそこに価値としての重みを加えていけるかも、私達店作りでは鍵になっているような感覚を、省念君の生き方を知ると感じる絶妙なバランスがある。皆同じようで同じじゃない本質と、同じではいけない理由もないけれど、同じにはしない追求が何かを育んでいくんだと思う。
それはまさに省念君自身が、今度は音楽を通して空間の美食家になっている様であり、家族愛の中での継承でもあるのかもしれない。そして、省念君と似たような境遇や価値観を持っている私自身も言葉を借りれば、連続し積み重ねていく喫茶店の時間や場所を、人間ドラマが交差する空間として、コーヒーを介した美食家マスターとして振る舞いたいと願って日々カウンターの中に立っているのです。
それでも時に、お互い葛藤が生まれるのも事実。たまには脱力や解放も必要で、そうやって省念君は今日も自然と音楽を鳴らし、僕はコーヒーを淹れている。そして自分の好きなことと、やりがいを探求し、それらと共に暮らしていくことに幸せを感じているんだと思う。
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★プロフィール
・吉田 省念
・1980年京都生まれ。
・13歳でエレキギターに出会い音楽やバンドに没頭。
・数多くのグループに演奏者として楽器を担当。
・現在は宅録での音源制作と共に、ソロやバンドでの音楽活動も欠かさない。

☆オフィシャルウェブ↓
https://www.yoshidashonen.net/

ずっと担当して下さっていた方の定年退職もあったけど…。

今シーズンもお世話になります!

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