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ーMemoryー

師走でせわしなく過ごし、睦月で和やかに歩みながら、如月は衣も薄く羽織る気候で、弥生は何となくいよいよという感じはしませんが、春が訪れようと目の前に卯月が待っています。

改めると、今年は何の制限も無い年明けで、飲食店の皆様は期待に心躍らせていた方も多いのではないでしょうか。
それでも新年と共に、悲しく無常な出来事も起こり、その気持ちをグッと堪えて足並みを揃えていた人も多いと思います。
それでも、いつまでもペースを緩めてはいられない現実は、この時期に、改めて新年度と前を向いても良いのではないかと存じます。

実際、生活は晴れやかな状況へと展開されています。
というよりは、コロナ禍を経て、今年は何よりも以前を取り戻していく、取り返していく活気で蘇っていく年月に入っていったのだと思います。

京都で言えば市長も新たに代わり、経済や政治は不安定であったとしても、社会や生活は次の時代へと活力を見出してきているようにも感じるからです。

私達に出来ることは、過ぎゆく月日に、同じような毎日を繰り返しているかのような日常に、微笑みのヒトトキや、彩りを添えるような時間を生み出し、守っていくことしか出来ないのかもしれません。
しかし、毎年春夏秋冬を感じ、学生生活や社会生活でも年度ごとのイベントを催しながらも、私達は都度そのような繰り返しを顧みて次に進んでいます。
そう振り返れば、同じようで違い、繰り返しているようで積み重ねている時間や月日の一日一日を、懸命に前に歩んでいるのだと実感できます。

私達、喫茶やカフェに飲食店の営業、そして社会生活においては出勤から退勤までの労働と共に、家庭や生活へと戻る日々。
その中で生まれるリアルやドラマが人間の心を育み、人々の成長へと導いているのであれば、一時一時に無駄な時間なんて何処にもないんだなと省みることも出来ます。

私個人の話しをすれば、家業に携わり10年の月日が過ぎました。
また、もっと遡れば、この喫茶業に勤め20年の歳月が既に過ぎております。
前職から関係が続くお客様、そして家業に携わってから構築されたお客様との間柄を考えると、喫茶店主としては幸運なことだと改めて幸せを噛みしめる事が出来ます。
そして、だからこそ感じる感謝に背筋が伸びる思いと、期待を裏切りたくない精進の想いが芽生えます。

それぞれの人生、喜怒哀楽含む様々な経験が、その人を支えているのだと思います。
時として見舞われる悲劇や無常、また一時として生まれる歓喜や幸福。
そういった両極があるからそこ人生が面白いのであれば、どんな物事も受け止める力を持ち、次へと活かしていく体験に変え、何処かで自分の足跡を振り返る時が来た時に「あぁ、あんなこともあったな」と笑える自分がいるのかもしれません。

あるゆることにスピード感があり、ありふれるように流行を探る今の時代に、当組合は改めて「続けていくこと」「継承させていくこと」の価値を強く見出していきたいと思っています。
それは、日本の伝統文化や食文化と同じように、喫茶文化にもハイカラとされる時代を彩る華やぎが今も存在するからであり、京料理のように、少し形は違えど喫茶店という存在価値こそが京都に根付いているからでもあります。
そして何よりも、そういった場で過ごしたその時は何でもなかった人生の中で考えれば一瞬だった出来事や空間が、誰かにとっては大切な思い出となり、かけがえのない経験となり、その人の心も豊かにする財産となっているのかもしれないからです。

信念とまでは言いませんが、強い芯を持つこと。
動じない、揺るぎない眼差しを保つこと。
そういったモノコトに意義を考えながら、私達はまず、この京都の喫茶やカフェ、そして飲食業としての食文化に役割を果たしていきたいと存じます。

さぁ、もうすぐ春ですね。
新年度に向けて、心機一転力を合わせながら切磋琢磨していきましょう。

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