※https://www.instagram.com/kissatanbou/
(※)喫茶探訪でも、只今絶賛同時期に紹介している「COFFEE BASE」2018年にオーナーの鬼追氏の元で誕生した店舗は、今や6店舗を数え増え続けている。今後も躍進が期待され京都のコーヒーシーンも牽引している同店にて、もう一人重要な存在として君臨しているのが「牧野 広志」氏である。その名を聞けば、京都のコーヒー業界、いや、全国の喫茶やカフェ業界では知らない人はいないほどに知名度を高めた牧野さんの取り組みは、コーヒーの可能性を広めるトップランナーの一人として欠かせない存在だ。今回は、その牧野さんと、京都のコーヒーシーンや将来性についてを語り合ってみました。

★敷居
80年代にDJを始め関西のクラブシーンの先駆者として活動し、日本最古のクラブとされる“京都METORO”の立ち上げにも携わった経験もある牧野さんは、今は廃止された京都芸術短期大学(旧:造形大)を卒業後、東京やフランスにも渡仏し日々の生活を送る中で関わる仕事で、輸入するコーヒー豆に混合している粗悪なコーヒー生豆にも着目し、それらを集めて自ら家庭レベルの焙煎を行ったり、お酒に漬けてバリエーションするなどの活用法を探っていた。そこから、コーヒーへの興味関心は高まり、帰国後の2002年に京都寺町御池界隈に“Park Cafe”をオープン。店舗契約として10年の期間で積んだ実績と、育んだ想いを胸に、継続ではなく新たな取り組みに進展させたのが、2015年に元立誠小学校を活用して誕生した“Traveling Coffee”のディレクション店主。地域の自治連との関係性から連携し、また図書館という文化的要素を残して併設した店舗には、期間ごとにセレクト豆を提供するといったコーヒーコミュニティの発展にも紐付けたのだ。それによってコーヒー文化の中で根付くお客様との間にある敷居をある意味開放し、コーヒーをより身近にする事で、その価値と共に“座布団”を広げていきたいという想いこそが牧野さんが継続する活動の重要な要素となっているのです。そこから、現「立誠ガーデンヒューリック京都」へと改築するタイミングを機に、それまでの活動に共感し、そして、香川ならうどんのように、“京都ならコーヒー”という文化を更に構築していくため、2022年にタッグを組んだのが現在の「COFFEE BASE」ディレクターというポジションなのです。

★地域
京都に身を置く牧野さんにとって、もう一つ大事にしているのが“新旧”の存在。それらを共にさせて織り成していこうとする姿は、ある意味職人技だ。その中でも代表的活動が、今では過去に127店舗ほどが参加し、今も尚継続し拡大している「ENJOY COFFEE TIME」というビッグイベント。2016年に第1回目が開催された当時は、約10店舗ほどだった集まりから、私自身も参加させて頂いていた。元々は当時の立誠校施設に同じく併設されていた映画館にて上映された「A FILM ABOUT COFFEE」の普及のタメにと開催した試験的な第0回目が好評だった事から、その後も牧野さんがコーヒーをテーマに人やお店が繋がり、京都のコーヒー文化としてもそれぞれの店舗が地域に根ざしていくための特別な場を一堂に会しているのです。また、食通でも知られる牧野さんは同年より「まいまい京都」そこから時を経て「ゆんたびグルメツアーズ」のツアーガイドも務め続けており、紹介する地域の文化や歴史と共に、現存しているお店の紹介を、喫茶やカフェ店舗を中心に巻き込んで、多くの人達に訪れる事の価値を見出してくれています。またそれらの機会を介して、直接的にコミュニケーションを取ることが何よりも牧野さんの情報普及(いわゆる生の口コミ)の重要性や、信頼信用を得る関係性の拡張であり、お客様にも同業者にも兄貴分として慕われる存在となっているのだと思います。そんな牧野さんが「全国的に見ても、こんなに喫茶店やカフェが混同し集まってる地方は無いよ~」というほど“コーヒーランド”として化してる京都には、やはり後継者育成が自然と行われている背景や、建物や店舗としての継承にも重要性を見出している観点が何よりコーヒー文化が育まれている要素であると語る。焙煎業者としても老舗が多い中、今では「小川珈琲」を筆頭に存在価値を高め合い「WEEKENDERS COFFEE」や「Unir」のスペシャリティコーヒーを活用した認知拡大や浅煎り傾向の焙煎を先駆者とし、近年では「Kurasu」のコーヒー関連商品の取り扱いや開発には目を見張るものがある。そして、全国の業界関係者が集うSCAJの日本最大級イベントにまで、京都の企業や人材がブースに集まっていること自体が異様な光景に見えて面白いと言い、自らも「カリタ」のブースに立つ。それはまさに、それぞれの店舗が地域に根ざそうとしたり、普及に対して課題を見出して、それぞれの立ち位置に誇りを持ちながら取り組む事で生まれる価値の連動性が、京都のコーヒー文化を育み続け、自然と繋がり、そして和となり大きく広がり続けているんだという事を実感するのです。
★役割
苦しくも、90年代喫茶店が衰退していく中で、その転換のようにカフェが大塔していき、そして缶コーヒーという手軽さはコンビニによってクオリティの高いコーヒーをより身近にしてくれた。そこから、お店に足を運んでみるという興味や、ドリップパックといった家庭でもコーヒーを飲む機会に行為を与えてくれた事で、興味関心と共に日常過ごしていく中で寄り添ってくれる飲み物として存在意義が更に広がったように思う。そして昨今、存在価値も高まる事により原料としても市場としても価格の変動が起きてしまっている中で、私達が見据えていくべき行き先には、それぞれが役割を担おうとしながら進んでいるように思う。
牧野さんは特に、音楽イベントやクラブシーンにコーヒーを結び付け、企画では自らのパフォーマンスも欠かさない。鬼追さんはフットワークが広く、夜のセカイにも良質なコーヒーの提供を普及させている。私はというと、喫茶文化を守りながら浸透を図り、自身がカウンターに立ち続けることで空間を演出している。その他にも立ち位置を設けて活動している方々が京都には様々に存在していて、その関係が横に繋がっていることにも大きな意味と魅力があるのだろう。
牧野さんに、今の六曜社の景色を伝えると、驚きと共に関心を持つ表情をされていた。それは、政治的要素は無いに等しくも(笑)若者達が談義の場所として、利用法としても待ち合わせや止まり木のように生活リズムの中に取り入れる観点でしっかりとした目的をもって活用しているからだ。それは、業界としてはカフェ的要素の最先端さや、焙煎や抽出においてもデータを基本としたシステムやマニュアルを駆使する機械的光景が増えたコーヒーのセカイになっていると共に、バラエティーに飛んだ生豆の精製にまで発展していること。そしてニーズに対しては、映えや記録の共有で、提供の意味や価値が情報拡散を見据えた手法で当たり前のようになっている時代の中で、アナログ的な感覚やインディーズ的な文化のコンテンツ、そして直接的な時間の共有が体験価値として醍醐味となり今の若者にも響きながら衰えていない事実があるからである。
最後に、牧野さんは今の仕事を“みそぎ”と位置付けながら日々を歩んでいると言う。それはめまぐるしいコーヒー業界に置いても、時代の進み方や不透明な世の中に対しても残してしまった不安を“大人として”明確な姿勢を正すことで響いてほしい若者への可能性や将来性に対して筋道を作る目標を持っているからである。そうやって今日も明日も様々な町に足を運び、世間を眺め、京都を愛する人間として、観光地としてとも名高い京都の文化の本質的な価値を届け“なんちゃって京都”に蔓延らない道理を築くために、珈琲文化という角度から唱えているのである。
(※)喫茶探訪でも、只今絶賛同時期に紹介している「COFFEE BASE」2018年にオーナーの鬼追氏の元で誕生した店舗は、今や6店舗を数え増え続けている。今後も躍進が期待され京都のコーヒーシーンも牽引している同店にて、もう一人重要な存在として君臨しているのが「牧野 広志」氏である。その名を聞けば、京都のコーヒー業界、いや、全国の喫茶やカフェ業界では知らない人はいないほどに知名度を高めた牧野さんの取り組みは、コーヒーの可能性を広めるトップランナーの一人として欠かせない存在だ。今回は、その牧野さんと、京都のコーヒーシーンや将来性についてを語り合ってみました。

★敷居
80年代にDJを始め関西のクラブシーンの先駆者として活動し、日本最古のクラブとされる“京都METORO”の立ち上げにも携わった経験もある牧野さんは、今は廃止された京都芸術短期大学(旧:造形大)を卒業後、東京やフランスにも渡仏し日々の生活を送る中で関わる仕事で、輸入するコーヒー豆に混合している粗悪なコーヒー生豆にも着目し、それらを集めて自ら家庭レベルの焙煎を行ったり、お酒に漬けてバリエーションするなどの活用法を探っていた。そこから、コーヒーへの興味関心は高まり、帰国後の2002年に京都寺町御池界隈に“Park Cafe”をオープン。店舗契約として10年の期間で積んだ実績と、育んだ想いを胸に、継続ではなく新たな取り組みに進展させたのが、2015年に元立誠小学校を活用して誕生した“Traveling Coffee”のディレクション店主。地域の自治連との関係性から連携し、また図書館という文化的要素を残して併設した店舗には、期間ごとにセレクト豆を提供するといったコーヒーコミュニティの発展にも紐付けたのだ。それによってコーヒー文化の中で根付くお客様との間にある敷居をある意味開放し、コーヒーをより身近にする事で、その価値と共に“座布団”を広げていきたいという想いこそが牧野さんが継続する活動の重要な要素となっているのです。そこから、現「立誠ガーデンヒューリック京都」へと改築するタイミングを機に、それまでの活動に共感し、そして、香川ならうどんのように、“京都ならコーヒー”という文化を更に構築していくため、2022年にタッグを組んだのが現在の「COFFEE BASE」ディレクターというポジションなのです。

★地域
京都に身を置く牧野さんにとって、もう一つ大事にしているのが“新旧”の存在。それらを共にさせて織り成していこうとする姿は、ある意味職人技だ。その中でも代表的活動が、今では過去に127店舗ほどが参加し、今も尚継続し拡大している「ENJOY COFFEE TIME」というビッグイベント。2016年に第1回目が開催された当時は、約10店舗ほどだった集まりから、私自身も参加させて頂いていた。元々は当時の立誠校施設に同じく併設されていた映画館にて上映された「A FILM ABOUT COFFEE」の普及のタメにと開催した試験的な第0回目が好評だった事から、その後も牧野さんがコーヒーをテーマに人やお店が繋がり、京都のコーヒー文化としてもそれぞれの店舗が地域に根ざしていくための特別な場を一堂に会しているのです。また、食通でも知られる牧野さんは同年より「まいまい京都」そこから時を経て「ゆんたびグルメツアーズ」のツアーガイドも務め続けており、紹介する地域の文化や歴史と共に、現存しているお店の紹介を、喫茶やカフェ店舗を中心に巻き込んで、多くの人達に訪れる事の価値を見出してくれています。またそれらの機会を介して、直接的にコミュニケーションを取ることが何よりも牧野さんの情報普及(いわゆる生の口コミ)の重要性や、信頼信用を得る関係性の拡張であり、お客様にも同業者にも兄貴分として慕われる存在となっているのだと思います。そんな牧野さんが「全国的に見ても、こんなに喫茶店やカフェが混同し集まってる地方は無いよ~」というほど“コーヒーランド”として化してる京都には、やはり後継者育成が自然と行われている背景や、建物や店舗としての継承にも重要性を見出している観点が何よりコーヒー文化が育まれている要素であると語る。焙煎業者としても老舗が多い中、今では「小川珈琲」を筆頭に存在価値を高め合い「WEEKENDERS COFFEE」や「Unir」のスペシャリティコーヒーを活用した認知拡大や浅煎り傾向の焙煎を先駆者とし、近年では「Kurasu」のコーヒー関連商品の取り扱いや開発には目を見張るものがある。そして、全国の業界関係者が集うSCAJの日本最大級イベントにまで、京都の企業や人材がブースに集まっていること自体が異様な光景に見えて面白いと言い、自らも「カリタ」のブースに立つ。それはまさに、それぞれの店舗が地域に根ざそうとしたり、普及に対して課題を見出して、それぞれの立ち位置に誇りを持ちながら取り組む事で生まれる価値の連動性が、京都のコーヒー文化を育み続け、自然と繋がり、そして和となり大きく広がり続けているんだという事を実感するのです。
★役割
苦しくも、90年代喫茶店が衰退していく中で、その転換のようにカフェが大塔していき、そして缶コーヒーという手軽さはコンビニによってクオリティの高いコーヒーをより身近にしてくれた。そこから、お店に足を運んでみるという興味や、ドリップパックといった家庭でもコーヒーを飲む機会に行為を与えてくれた事で、興味関心と共に日常過ごしていく中で寄り添ってくれる飲み物として存在意義が更に広がったように思う。そして昨今、存在価値も高まる事により原料としても市場としても価格の変動が起きてしまっている中で、私達が見据えていくべき行き先には、それぞれが役割を担おうとしながら進んでいるように思う。
牧野さんは特に、音楽イベントやクラブシーンにコーヒーを結び付け、企画では自らのパフォーマンスも欠かさない。鬼追さんはフットワークが広く、夜のセカイにも良質なコーヒーの提供を普及させている。私はというと、喫茶文化を守りながら浸透を図り、自身がカウンターに立ち続けることで空間を演出している。その他にも立ち位置を設けて活動している方々が京都には様々に存在していて、その関係が横に繋がっていることにも大きな意味と魅力があるのだろう。
牧野さんに、今の六曜社の景色を伝えると、驚きと共に関心を持つ表情をされていた。それは、政治的要素は無いに等しくも(笑)若者達が談義の場所として、利用法としても待ち合わせや止まり木のように生活リズムの中に取り入れる観点でしっかりとした目的をもって活用しているからだ。それは、業界としてはカフェ的要素の最先端さや、焙煎や抽出においてもデータを基本としたシステムやマニュアルを駆使する機械的光景が増えたコーヒーのセカイになっていると共に、バラエティーに飛んだ生豆の精製にまで発展していること。そしてニーズに対しては、映えや記録の共有で、提供の意味や価値が情報拡散を見据えた手法で当たり前のようになっている時代の中で、アナログ的な感覚やインディーズ的な文化のコンテンツ、そして直接的な時間の共有が体験価値として醍醐味となり今の若者にも響きながら衰えていない事実があるからである。
最後に、牧野さんは今の仕事を“みそぎ”と位置付けながら日々を歩んでいると言う。それはめまぐるしいコーヒー業界に置いても、時代の進み方や不透明な世の中に対しても残してしまった不安を“大人として”明確な姿勢を正すことで響いてほしい若者への可能性や将来性に対して筋道を作る目標を持っているからである。そうやって今日も明日も様々な町に足を運び、世間を眺め、京都を愛する人間として、観光地としてとも名高い京都の文化の本質的な価値を届け“なんちゃって京都”に蔓延らない道理を築くために、珈琲文化という角度から唱えているのである。
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