雑誌

2020年02月09日

The World's Next Superpower

  ニューズウィークの英語版(1/24〜31)は、表題のタイトルが表示にでかでかでており、中身は、ナイジェリアの紹介。16ページも割いている。

 新興国をテーマにした特集というのは2000年代の半ばはBRICsが普通だったが、2010年ごろから、次のテーマはなにかということで、ナイジェリアも入り始めた。その文脈を知っていると、今更感はある。

 当時と何が違うかといえば、ITが伸びてきていることだけど、本特集では決済会社などには取材をしていない。人口が多いことや、映画の生産が多いこと、海外に行った500万人からの送金といったことを挙げており、また、起業が増えていることも触れてはいるが、この起業については、BBC放送の方が面白かったので、ニューズウィークは今一つだった。せめて、決済会社への投資が白熱していることぐらい取材してほしかったね。

 ナイジェリアは南部がキリスト教、北部がイスラム。誘拐などを行うボコハラムがいるのは北部。2010年ごろの特集だと、上記の要因で説得力あったけど、今となっては、もう少し深堀してほしいね。






ron222 at 20:33|PermalinkComments(0)

2017年11月05日

自衛隊は北空爆可能だ

 今月の月刊「Hanada」で、エドワード・ルトワック氏の「自衛隊は北空爆可能だ」を読む。ルトワック氏は有名な戦略家。

 さて、ルトワック氏の言っていることは、日本に自立しろである。

 自立するというのは、米国から武器を買わずに、自ら開発して、自立すること、つまり、戦前の日本の枠組みの復活をするということでもある。米国から武器を買いながら、なんちゃって自立で北朝鮮を攻撃したところで、武器の補給の問題が出てくる。

 現在、日本は米国の核の傘の中である。北朝鮮は本来、中国やロシアの核の傘にいるわけで、それから逸脱しようとしているのが現在なわけで、日本や韓国も北朝鮮に合わせて核を持とうとするなら、管理がややこしくなるわけだ。

 北朝鮮を対話、つまり冷戦によって封じ込めるなら、旧ソ連と同じようにしていくしかない。当時、ソ連は石油が高い時に調子に乗ってアフガンに侵攻し、安値の時、撤退している。そして、崩壊である。北朝鮮は戦争しているわけではなく、むしろ通常の軍備より核開発に絞っているので、ちょっとした経済封鎖では、あまり効果がない。より時間はかかる。それは認識したうえでの長期戦略が必要となる。

 80年代の永井陽之助氏のようなまっとうな議論をしてくれないかな。





ron222 at 08:51|PermalinkComments(0)

2017年07月23日

ポスト・トウルース時代の現代思想

 今月の新潮に浅田彰、東浩紀、千葉雅也氏の鼎談「ポスト・トウルース時代の現代思想」が出ているので買ってみた。驚いたことに、浅田彰氏が60歳になったことを記念した対談だという。1983年の「構造と力」で登場してから35年近くも経つということか。

 浅田氏の因数分解能力がここでも発揮されている。経済的再分配、文化的承認、想像の共同体、否定神学、子供の資本主義などのキーワードで、社会現象を整理していくのは、心地よい。昨日のNHKのAIが読み解く現代日本の裏解説に登場してもらうとなお面白いだろう。

 千葉氏は若い思想家として、売り出しているが、この鼎談ではあまり発言はなく、東氏がしゃべりすぎている感じはした(別にいい悪いという話ではなく)。まあ、直接、浅田氏に世話になっているから仕方がないか、。


新潮 2017年 08月号 [雑誌]
新潮 2017年 08月号 [雑誌] 


ron222 at 07:58|PermalinkComments(0)

2015年12月06日

日経トレンディの万年筆

 日IMG_0365経トレンディの最新号を買うと万年筆がついてきた。写真の左。実は、右によく似た万年筆がある。右は3本の線があるが、左は一本でそれを除くと同じ。色は違うけどね。右のは、以前、日経アソシエを買った時の付録。さすが日経さんなので同じところに発注したようにみられる。ペン先もIRIDIUM POINT GERMANYと印字されている。

 実は、日経トレンディといってもTSUTAYA書店でないと、コンビニや普通の本屋さんで買うと雑誌のみ。コラボということか。

 この万年筆も中字で残念。年賀状の宛名書きには使えると前向きに解釈しよう。






ron222 at 20:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年10月11日

日経ビジネスアソシエの万年筆

 日経ビジネスアソシエという雑誌の付録に万年筆がついていたので、つい買ってしまった。ざっとしたものを買う癖はなかなか治らないものだ。

 大体この手の雑誌の付録の万年筆は何故か中字なのだけど、今回も中字。中字って、字を書くと、にじみを考えると大きくなるので、その後使わなくなることが多い。

 通常のペンは細字がはやっているのを編集部は知らないのか、万年筆はサイン用だからこれでいいのだと思っているのだろうか??実際、今月号は恒例の手帳特集だが、後半にペン7選とあり、きっちり細字のペンを推奨している。自分は1.0ミリのペンが好きなので範囲外だけど。

 普通に買う万年筆は細字を買う。細字で日常的に使うからだ。namikiとかいいよね。

 ただ、この万年筆は色が落ち着いていていい。インクはオーソドックスなブルーブラックになっているけど、これは切れた時に、もう少し明るい色のものを買えばいいだろうから気にはならない。

 限られた予算枠でこうした付録を企画する編集部には毎度恐れ入る。発行部数が伸びることを祈りたい。




ron222 at 18:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年03月15日

オウムと漂流する若者

 中央公論4月号の「オウムと漂流する若者」を読む。3つの記事があり、武田徹×森達也、古市憲寿×田原総一朗、宮台真司氏のインタビューである。

 先の新潮の記事で90年代半ばから思想より社会学の方にシフトしてきているという指摘があったが、その代表である宮台真司氏のインタビューが面白かった。「終わりなき日常」を、アイロニー化、汎システム化、スーパーフラット化というキーワードで整理していく。そして、イスラム国はオウムであるというのは納得。その上で、分配、承認、退屈の問題を整理していく。そのうえで新たに出てきた日本固有の「みえない化」という問題に対して、包摂せよという。つまり、排除しないということ。ネットをやりすぎずにと。

 承認されても、次の退屈の問題が出てくるのは、古い問題のようだが、これは解決不能の問題のようだ。しかし、テーマを設定する構想力の問題じゃないか。退屈だと、他人がうまくやっていることに嫉妬するようになるわけだし。結局、自分が動くしかないと思う。テレビでサハリンで頑張っている日本人をやっていたけど、自分のテーマを設定して、必要とされている場所に動いていくということだろう。



 



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現代思想の使命−新潮2015年4月号

 雑誌・新潮の4月号に、浅田彰、中沢新一、東浩紀氏の鼎談「現代思想の使命」が出ていたので読む。

 要は、1989年以降を振り返るということで、ベルリンの壁崩壊、オウム、3.11、今年のパリでの風刺画雑誌社襲撃、ピケティ、ミシェル・ウェルベック、交換と贈与等、再分配と承認といったことが語られる。

 ベルリンの壁崩壊で、資本主義とエンジニアリングで行けると思っていたら、左系は宗教の方へ行き、単に再分配の問題というより承認の問題が潜んでいることが、今日のパリ襲撃やISIS問題に絡んでいるという見方は、すっとうまく線を引くなあと思いながら読んだ。

 ピケティも、マルクスに比べて、踏み込みが原因のところまでいかず、単なる実証分析で、富裕層に課税をという実務的なところにとどまっている批判はその通りだと思う。しかし、浅田氏も中沢氏も、原書の段階で読んでいるようで、頭が下がる。しかも、格差問題は再分配の問題のみならず、マイノリティの承認問題を含んでいるという視座は、多文化の問題は単に経済問題だけでないことを改めて想起させてくれる。となると、先のパリ襲撃問題につながってくる。

 シャルリー・エブトという新聞社の風刺自体は、イスラムに限らず、誰に対しても風刺を行う便所の落書きのようなものらしく、この事件が起きたことで「崇高」な問題になってしまうという言い方に、改めて本質的な理解のためには、とりまく文脈をきちんと理解しておかないと、一段したの次元でものを解釈するようになると改めて思った次第。

 最後に、東氏が二人の思考の速度についていくのが精いっぱいという言い方をしているが、これは、世代の差による考える材料や情報の違いのように感じた。一つ上の世代からみると、アニメやサブカルにはまって時間をつぶしているの?と言っているのかもしれない。

 今更ながら、諸現象を因数分解して、少ない単語で本質を語るというのは、快楽物質が分泌されるということを実感。

 



 

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2013年05月11日

経済成長のありがたみを再認識する

 atプラス16という雑誌がある。5月号の中で山形浩生氏の「経済成長のありがたみを再認識する」をいう記事を寄稿しているが、これはリフレ派と反リフレ派の議論を整理している。非常にわかりやすく、また、共感する。

 反リフレ派は2つあって、反成長、他の方法論を主張するものがあるという。

 反成長は昔からあったくたばれGDP論ということで、現在の構造を固定したい人、他の方法論としては、構造改革、失業・雇用対策派になる。前者は小泉内閣の主張であるが、構造改革しないと成長しないという珍妙な論理、また後者は分配論だが、元手がないのにどうやって分配するの?となる。民主党系の論理。

 この雑誌に寄稿する知識人は反成長論が多いが、これは高度成長時代にいうから意味が多少あった、つまり、高度成長の影に光を当てる意義はあったものの、今日のようにデフレで成長しないのにこれをいうと、分配すらできないことに考えが及ばないわけだと批判する。

 元手を殖やさないと分配は出来ない。リフレは、元手を殖やそうとしている訳で、これが失敗したところで、民主党の末期に戻るだけ。
 
 テレビでは、株で儲けた河合俊一がガールズバーで飲んでいるのをやっていたけど、こういう金の回り方も許容することで、景気はよくなるわけだから、いちいちけしからんと言ってもしようがないと思う。

 



 
 


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2012年08月14日

アラウィ派はシリア沿海部を目指す

フォーリン・アフェアーズの8月号に、ケイティ・ポール氏の論文「アラウィ派はシリア沿海部を目指す」を読む。日本の新聞には出てこない情報だ。

 日々の新聞をみていると、シリア政府軍と自由シリア軍がダマスカスや北部の町アレッポで攻防戦となっており、足元の報道では政府軍がやや優勢と伝えられている。一方で、国防相が暗殺されたり、首相もアサド政権から離脱とも伝えられている。

 本論文では、政権側のアラウイ派住民が、沿岸の町、タルタス(タルトウース)に集まってきていると言う。写真でみる限り、リゾート地のような感じで雰囲気は良い。

 ポール氏は、アラウィ系住民がタルタスに集結していくことで、アサド政府側は、戦い続けるしかなくなるという。タルタスだけで独立国家を維持することは不可能だし、それは周囲の国も許さないだろうと言う。

 ところで、アラウィ派住民の人口は2200万人のうちの12%を占めるということで260万人ぐらい。この人口はシリアにいるクルド族より少し多いようだ。クルド族の独立も周辺国が警戒している。

 内戦が続くと、タルタスに人は集まり、より結束を強める。しかし、それは出口が遠いものになる。

 なお、この論文には、アサド政権側の民兵組織シャビハというのが少し出てくる。悪名高いらしい。こういったのも日本の新聞では報道されない。これはこれで困ったものだ。

 Syria-Tartus-2 



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2009年10月10日

勝間和代×香山リカ 対談

今週のAERAに勝間和代×香山リカ対談が出ている。なかなか面白い。自己啓発の塊のような勝間和代氏と、ややまったり系の香山リカ氏で考え方は真逆。

勝間氏のいう教育。これはその通り。自己努力すれば、スキルは上がる。ただ、全員が努力すれば、全体でみれば平均があがるだけで、正規分布が変わるわけではない。よって、その中で上と下に分かれる。

香山氏は、上のような説明はしていないが、その分布の下側の人に着目した意見。

まあ、どっちも正しいが、どっちも片面に着目したもの。

ただ、香山氏の主張を延長すると、現状肯定が、構造の固定化をもたらす可能性もある。勝間氏の方が現状打破を狙っているとも言える。

さて、自分はどっち取る?ということだね。



ron222 at 09:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0)