2016年02月26日

「病の少女のための勝利の一打をここに……約束されし場外への本塁打!!」
魔技科の剣士と召喚魔王(ヴァシレウス) (11) (MF文庫J)
三原みつき
KADOKAWA/メディアファクトリー
2016-02-25



 復活した奴隷制と無慈悲な搾取により、ハリボテの繁栄を維持する「富の国」。文明と文化を否定し、歪んだ自然回帰を唱える「自称インディアン」。分裂したアメリカの惨状に終止符を打つ為に、内戦への介入とアメリカ王の打倒を決意した一樹。しかし肝心の王との対面もかなわず、ラスベガスで飼い殺しのような日々を送ることに。まあ証拠は隠蔽したとはいえ、北アメリカにとって重要な施設を破壊して王の側近を殺したのは事実なので警戒されても仕方ないのですが。

 決戦に向けて鋭気を養う、というにはいささか羽を伸ばしすぎのような気がする一樹たち。既に気持ちの通じ合った男女だから仕方がない(?)とはいえ最後の一線さえ越えなければ何をしても良いというようなポルノ描写には本気でレーティングが心配になってきますね。冒頭140pもイチャコラが続く構成にはやや胸焼けしたけど、後半は一気に話が動いて目まぐるしい。

 協力体制をとりつつも互いに相手の寝首を掻くことを考えている、一樹と北アメリカの王・クラークの駆け引きは緊張感を感じさせるものでした。そして始まるインディアンとの決戦。二転三転する状況と綱渡りの攻防が熱い。クラークのアメコミネタとかナンバーズの出オチ感など半ばギャグみたいなところもありましたが、それでも王(ヴァシレウス)同士の初めての本格的なぶつかり合いは燃えました。

 ベアトリクスの上司であるドイツ王がようやく登場したけど、例によって非常にアクの強い人物。ともあれ七国王が全て出揃い、決戦の舞台である幻の大陸も復活。次回から新展開のアトランティス編が始まるようです。数の上では日米英独伊と5カ国が揃っている秩序(コスモス)側が断然有利に見えますが……そんな簡単な話でもないんだろうなあ。

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2015年12月30日

「――今の理論なんか、一秒後には全部旧式にしてやるわ」



 1年ぶりに続刊。そもそも三巻のアレで完結してたつもりとかどういう冗談なんだか。アニメ化のおかげでこうして続きが読めるとは…ありがてえ

 旧時代にはチェンマイと呼ばれた世界有数の犯罪都市・シャングリラ。「良心と品性」以外はカネ次第で何でも手に入るその街なら、大破したアンクルを修理する目途も立つという。しかし、今や世界最悪のテロリストであるナオト達が、そんな場所で騒動の火種にならないわけもなく。

 ナオトとマリーの才覚。リューズとアンクルの戦闘力だけでは解決できない事態に、味方すら欺きながら奮闘するハルターとベルモット。オッサンたちの活躍が中心となるなんとも男くさい内容でした。今回は暇奈氏がメインで執筆している為か榎宮流のハッタリ感はやや弱いものの、地に足のついた文章が内容的にマッチしてたと思います。
 
 かつてリューズ自らが破壊したといういわく付きのYシリーズ参番機・テンプ。しかしそれは色々な物を拗らせてしまっているなんとも残念な妹でした。今のところは敵であるΩ(オメガ)の手に落ちているようだけど、チョロイン属性まで完備しているとなればナオトの所有になるのもそう遠くはないか……最大の障害はむしろリューズという。テンプの固有機能・月歌繚乱(ムーンフェイズ)は確かに凶悪なものの、リューズやアンクルのそれに比べると現実を幻想で上書きするほどのインパクトはない。彼女自身も理解していないらしい「本当の使い方」がカギになりそうです。

 神話(ブランド)とは語り継ぐ物ではなく、新しく紡ぐもの。師と呼べる人物とも出会い、Initial−Yの模倣ではない越え往く者としての決意を新たにしたマリーとナオト。特に周囲の評価に違和感を感じ続けていたナオトには良い指針が与えられたと思います。次の舞台はマリーの故郷も近い欧州圏――そろそろ彼女の姉なども登場しそうです。


ron_27 at 04:00コメント(0)トラックバック(0)書評 

2015年12月27日

「戦果を望むのなら、提督を返してください」



 瑞鳳編完結。例によって別の作品のように硬派なプロローグ……はともかくとして決死の偵察により発見された敵の前線拠点。この好機を逃してはならぬと、「提督」の鎮守府に極秘の掃討作戦が任されることに。

 日常話も多かった2巻から打って変わって戦闘の多い最終巻になりました。これまでは背景でガヤガヤしてた娘達や、金剛型姉妹など「いたのね」と思う艦娘なども総動員で任務に挑むことに。川内など1巻でちょろっと出てきただけでしたが、今回はなかなか活躍してました。あと明石さん、どさくさ紛れで告白してる……


 主力艦の不在を見抜かれ、(予測されていたこととはいえ)逆に強襲を受ける鎮守府。まるでRPGのラストバトルのように倒しても倒しても新手が出てくるという状況に皆が絶望する中、満を持して降臨する武蔵の格好良さときたら。しかし最後の美味しいところはやはり加賀さんが持っていくのがこのシリーズらしい。

 結末について多くは語りませんが、加賀さんその他にもワンチャンありそうな終わり方なのは良かったですね(笑) クソ真面目な提督にとってはこれからが大変そうというか。また機会があれば他の艦娘にスポットを当てたラブコメ物も読んでみたいです。

ron_27 at 00:45コメント(0)トラックバック(0)書評 

2015年12月23日

「疑いも、願いも、拒むも、望むも……全てが――帆楼(ホロウ)。おまえの糧になる」



 絶望的なゲーム条件で『 』に敗北を迫るジブリール。ゴールと引き替えに誰かの命を奪わなければならないいずな。どう転んでも多大な犠牲を払う泥仕合を始めたクラミーたち。誰もが裏切り、騙しあい、破滅に向けて突き進む中、人知れず行動を開始した者がおり――


 怒涛の伏線回収巻。なんとか理解はできたかな、とは思うけど面白さ以上に頭が疲れたのは否定できない(笑) 終わってみればいつものように『 』が書いた筋書き通り、ではあるけど今回は誤算や読み違えも多々あり。それでも勝手に場外乱闘を始めるプラム達の思惑を一手で封殺する手際は鮮やかでした。クラミーとフィーの二人は今回特にいいところがなかったですね……合掌。

 ジブリールの様子がおかしかったのは、プレイヤーの中で彼女だけが異なるリスク――サイコロが減るたびに記憶を失う――を負っていたからでした。ソラには知りえない異世界の法則が絡むがゆえに予測できなかった要素。『 』が生涯初の敗北を喫するまでのロジックはなるほどと思わせるものがありましたが、所詮はゲーム内ゲーム。実はコマの課題を一つこなしただけという脱力感が(笑)

 『 』に通じる空虚の名を与えられた神――帆楼(ホロウ)。自己否定を繰り返す彼女を味方に引き込むのが目的だった今回は、ゲームとしてはやや盛り上がりに欠けた感もあり。しかし大きな転換期を迎えた世界のこれからが楽しみです。そしてあの種族もついに動き出して……

ron_27 at 03:27コメント(0)トラックバック(0)書評 

2015年12月13日

「俺は時々思うんだよ。もしディオとジョナサンが共に力を合わせれば――そこから始まった様々な悲劇は起きなかったんじゃないかってね」



 色々なものを拗らせた結果、鋭太の「敵」として生徒会長選挙に名乗りを上げた真涼。ハーレム計画にも、医学部の推薦枠にも暗雲がたちこめる中、それでも晴れやかな様子の鋭太。誰も好きにはならない、しかし鋭太(ライバル)がいなければ生きていけない。そんな自己矛盾のカタマリのような女こそが、夏川真涼のあるべき姿だから。なにより、二人といない強敵との戦いに元・厨二病の血が騒がないわけがない! 二人の関係が理解できない千和が困惑を深める中、今度は鋭太の家庭に重大な事件が――

 迷走を続けた真涼が再起動し、今回でひとまず二人の破局から始まった展開も一段落。全校生徒を巻き込んだ痴話喧嘩の決着は最終演説代わりの公開討論という形に。建前を捨てて本気でぶつかり合う二人が熱い、けどこれ他の候補者が気の毒すぎるよな(笑)

 五人一丸となって、一つの目標に向けて動き出した自演乙。最終的にはやはり皆で協力して真涼の問題を解決する形になるのかな。しかし○チレモンの休刊というまさかの時事ネタと、冴子さんの失職という世知辛いイベントがガッツリ本筋に絡んできてカオスなことになってきました。

 果たしてジョジョ(鋭太)とディオ(真涼)はダニーの死という禍根を乗り越えて手を取り合うことができるのか。そしてそのときスピードワゴンは……一体どこに向かうんだ自演乙!

ron_27 at 00:27コメント(0)トラックバック(0)書評 
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