2010年05月
2010年05月30日 03:14
「俺を怒らせてでも俺と恋人になりたいの?」
「そうよ」
「それで幸せになれる?」
「私はなれるわ」

ピーチガーデン 3.ラスト・コノテーション (角川スニーカー文庫)
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デッド・オア・アライブなアンチハーレムラブコメ。ついに(?)完結。――振り切るぜ!(何
これでラストだからか、それとも打○切りだからなのか、今までの鬱憤を晴らすかのようなあらゆる意味で自重してない内容。シモネタ多いよ!
この巻ではウサギの祖母、月読様(設定がものすごい)が登場して、「運命の恋人」に関してはわりとアッサリと明かされます。まあこれは2巻を読んでれば予想の範囲内ですね。しかしその後の修羅場が……無言で頬をはたき合う二人が怖すぎました。
それにしても、月読の出自といい徐福船団の由来といい、想像以上に深く考えられた設定でした。なんという大ホラ話……わりと説得力があるのがタチが悪い。タイトルの意味もそこにかかってくるのかー、と納得。
犬養は個人的にはそこまで好きじゃないのでまあこんなものかという感じでしたが、まかみさんは……なんというか想像以上でした。あそこまでやられたらあの幕引きにも納得せざるを得ないというか。隆は本当によく頑張った! としか(笑)
まあこの結末にはやはり賛否両論あるでしょうが、一連の騒動の締めとしてはこの上なく綺麗な終わり方かなあ、と思います。個人的にはかなりハッピーエンドですよ!
呪法によって、本来は出会わないはずの二人が結ばれたがゆえに背負う事になる宿命は、確かに切ないものですが、それでも互いを「最高」と思えるが故の運命の相手なのだろうなあ、と。
厄介な設定をご都合主義で逃げずに最後までやりきった作品でした。次回作も期待しています。
いやー、それにしてもウサギはかわいいなあ(健全な意味で)
しかしよく考えたら2巻と3巻の間って雑誌掲載の短編が入るので、どうせなら収録してくれればよかったのに。このまま死蔵になっちゃうのかな? ウサギが本格的にローテーションに加わる事になった経緯とか文庫の方では書かれてませんもんねえ。
2010年05月29日 17:53
「……子供じゃないんですから好き嫌いとかどうなんです?」
「子供じゃないんだから嫌いなもの食べない自由はあるだろ」

天使から百年 魔人と主人と廃棄物 (富士見ファンタジア文庫)
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なんて素直じゃない話。野梨原さんの本はマルタを数冊とコバルトの1冊くらいしか読んでないけど、それでもこの人らしいなあ、というのがわかる話でした。
世界の敵たる怪物と戦う若者を養成する学校。異世界から召還された戦士。目覚めた力に戸惑いつつも成長していく主人公。そういう「お約束」的なパターンをなぞりつつもことごとく外していくような感覚が面白い。
現代日本から召還されたユイカ(唯香)ではなく、その主人となったカイ(フルネームがひどい)の方を主人公として描いているあたりがまずパターン崩し。しかもなんだかよくわからん理屈によって色々納得しているユイカと違い、むしろ当事者のはずのカイの方が現在の状況に戸惑っているわけです。ユイカの戦闘スタイルも(いい意味で)ひどいし、色々とズレてるなあ、と感じる。そしてそれが面白い。
カイとユイカの関係がまた良いですねえ。「わたしだけの人」であるカイのことが好きで好きでたまらないユイカと、唐突な好意に戸惑いながら徐々に彼女を受け入れていくカイ。この二人の微妙な距離感が素晴らしい。奥ゆかしいように見えて頑固で我が強いカイと、奔放で明け透けだけど意外とヘコみやすいユイカ。いい組合せです。
まぁ脇を固める男衆もいい味出してますが、やっぱりメインディッシュはカイとユイカの二人だなあ。イズシール先輩とかなかなかイイ性格してて面白いけど。
最後の展開がまた意外なところに落ち着きましたが、続きも期待。3巻完結予定らしいけどもうちょっと長く続いてくれないかなあ。
2010年05月27日 22:26
「いつかまた会うとき、あなたが変わらないままだといいのに」

鍵開けキリエと封緘師 モラトリアム・ミッドサマー (富士見ファンタジア文庫)
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地味田舎ファンタジー2巻目(ひどい)。主人公がだいぶ感情的になって普通の少年っぽくなってきたなあ。
キリエといい新キャラのジニィといい、感情の動きや行動が個人の中で完結してしまっているのでなんとももどかしい。お前らもうちょっと人の話を聞け。ただキリエの抱える漠然とした不安やジニィの劣等感など、等身大の若者の悩みという感じで共感を得やすい感じではあります。
田舎らしくのんびりしているようでいて、展開に「溜め」がなく悪い意味でサクサク進んでしまうところがあるので、いまいちチグハグな印象を受けるのは1巻と同様というところ。もうちょっと余韻を持たせるような書き方だと好ましい。
「大統領」の素性とか役割なんかは割と簡単にバラされてしまった感じですが。ここからどれだけ話を膨らませられるかに期待したいですね。リュリュやジニィもどんどんデレそうですし(お
2010年05月25日 01:18
「私、暴力を交渉手段の一つだと思っている人としばらくいたので、平手の一発や二発なんてちょろいもんです」
「そ、そうかい……」
「ちなみにその人はお父様でした」

神さまのいない日曜日II (富士見ファンタジア文庫)
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スペクタクルに拘泥しない『物語の力』を強く感じる第2巻。ちょっと気負いすぎかな? という感じもしますが素直に応援したいです。面白かった!
神に見捨てられた世界の最後の子供、アイ。彼女が望むのは、生者が当たり前に生き、死者が当たり前に死んでいく、そんな優しい世界。しかし変質してしまった世界は、もはや彼女が追い求める「救い」を必要としていないのかもしれなくて……
子供が生まれず、死んだはずの人間がリビングデッドとして動き続ける(但しゾンビと違って知性がある)。そんな「世界」の有様が2巻では改めてじっくりと描かれています。そのなんと絶望的なことか。いや、常識が変容したこの世界では、もはや死が日常であり、生きているということの価値すら消えかかっている。そんな世界を「救う」という事の意味を、アイは残酷な形で突きつけられることになります。
それはともかく相変わらずアイがかわいい。そしてとことん空気読めない。いや、読もうとしない。だがそれがいい! アイの不屈さと真っ直ぐさは、この作品の中ではまさに一筋の光明のようです。
1巻は面白かったけど、大部分が一度しか使えないネタで成り立っていたので、続編はどうなるかな? と不安もありましたが個人的には満足のいくものでした。合間合間の調子が外れたようなコメディパートは評価が割れそうですが、雰囲気が重くなりすぎない(ラノベの範疇から外れない)ように配慮した結果なのでしょうね。
最後の傷持ち(スカー)の行動や墓守の特性、現在の人間の状況を考えると一つの推測にたどり着くのだけど……はたして、神の思惑はいかに。そしてアイの救世の旅路の行方は……続きが楽しみです。あまりにも予想外な役割を与えられた傷持ち(スカー)の今後も気になります。
2010年05月22日 01:15
「……いまのもおれが悪いと思うか?」
「いや。どちらかというと北斗だな」
「お前は単に、『ダメ』なだけ」

東京レイヴンズ1 SHAMAN*CLAN (富士見ファンタジア文庫)
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帝都に舞う闇鴉達(レイブンズ)の饗宴。ここに開幕。
DクラッカーズやBBBでおなじみあざのさんの新作。BBBの方はちょっとしか読んでないんですよねえ……周りの評判を聞くと勿体ない事をしてるとは思うんですが。
霊的な災害「霊災」への対処役として、陰陽庁祓魔官、すなわち「陰陽師」の存在が一般に認知されている現代が舞台の退魔アクション+学園物。
割とありそうな感じの導入部やいかにも頭悪そうな主人公。いい意味でライトノベルらしい設定等、オーソドックスにまとまった感じですが、さくさく読ませる牽引力や伏線の妙はさすがというところ。
特に1巻のオチは、はー、へー、ふーん、なるほどねー。という感じ。まあ大体予想した通りではあったのだけど、そこに一捻りしてあって感心させられました。上手い事考えたなあ。というかこれはまた、いい幼馴染ヒロインですなあ! 改めてアレがぜんぶ夏目だった、と考えるとなかなか素敵な気分になりますよ。
スロースターターで知られるあざの氏らしく、まだプロローグという感じですが、素直に続きに期待できる内容でした。色々と各キャラの隠れていた素性が明らかになったので、次巻からは話もどんどん動いていくのではないかと。
メインキャラが春、夏、冬と揃っているので、もう一人出てきそうです。同じ現代モノのDクラッカーズに比べると、キャラ造形やノリなんかはだいぶ明るい感じになってますね。
イラストのすみ兵さんはどっかで見た名前だなーと思ったけど、マルタ・サギーシリーズの人ですね。今月はちょうど野梨原さんがファンタジア文庫に登場していたり、縁を感じます。
