2010年06月
2010年06月27日 01:07
「もしかして、さっきの言葉は余計でしたか?」
「いいえ、助かりましたわ。マミヤユウ、貴方の言葉にはわたくしを力づける効果がありますわね」

はるかかなたの年代記 双貌のスヴァローグ (集英社スーパーダッシュ文庫) (集英社スーパーダッシュ文庫 し 7-1)
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新シリーズ。新人じゃないの?と思ったら電撃文庫からの移籍でしたか。
地球から遥か彼方、遠く放れた場所にある殖民惑星。凶悪な現住生物等、過酷な居住環境に対し人類は「換象術」と呼ばれる能力――かつては空想の産物であった、現実を書き換える力を発達させることで対抗していた。しかしその星ではなんらかの原因により一度文明が暗黒時代まで退行しており、人々は今、再び新たな文明を築き始めていた。物語は、世界中から様々な人種の学生が集まり換象術を学ぶ「フラムスティード学院」で3人の新入生が出会ったことから始まる。
絵柄から受ける印象よりもコミカルなやりとりが多かったです。特にクリスはイラストだとクールな優等生という感じだけど、意外にも面倒見のよい兄貴タイプでした。
素直クール同級生。おっとり生徒会長。純情女教師。異なるタイプのヒロインがよりどりみどりで、ユウくんのトリプルリーチぶりには崇敬の念を禁じ得ません。なんという天然ジゴロ……ッ
黒幕の正体に関しては予想通り……というか口絵も隠す気ないみたいだしどうでもいいんでしょうねきっと。
展開にはあまり意外性が無いしバックボーンもいまいち不明瞭だし、一巻にして既に主人公サイドの能力がインフレしすぎだったり気になる部分が多いです。でもそれぞれに秘密を抱えた3人が互いを護り、助け合いながら問題に立ち向かっていくストレートな友情の話としてはなかなかいい雰囲気でした。ユウくんは気持ちに実力が追いついていない「空回りタイプ」の主人公ではあるけれど、前向きで行動力もあるので不快ではなかったです。
全体的にあと一歩感はありますが素材は悪くなさそう。あまり性急に話を動かさずじっくりやってくれたら面白くなるんじゃないかなあという気がします。
カティアもいいキャラでしたが生徒会長のアレットがよかったです。ぶっちゃけベン・トーの沢桔梗に似てましたが……
2010年06月24日 22:14
「下北沢に漂うかほりはパンやコーヒーなどのカフェっぽい匂い。一方、この上野で感じるかほりは、どこへ行っても魚なのよね。
たまも、よく覚えておくがいいわ。地元の女の子にとってはね、この上野を否定することこそが、思春期の到来を告げる、崇高なるノロシなのよ!」

恋する鬼門のプロトコル (電撃文庫)
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荒削りなれど、これこそ新人作品! というエネルギーが感じられる一冊。いやー、ほんと、こういうのが嬉しいんだわ。文庫本を90度倒して読まされたのは初めてだなあw
あらすじだけ見るとなんだかGA文庫の某作品の様なのだけど、のっけからヒロイン?のたまも視点で話が進むので意表をつかれました。このいかにも感情むき出しでやかましい女子高生文体は人を選ぶよなー、と思いながら読んでましたが、これがいいんだよなあ。
強烈に「現代」を意識させるたまも達の姦しい日常と、葉介の目に映る「過去」の世界との対比が鮮烈。それはすなわち「生」と「死」であり、作中で象徴的に描かれる「ある場所」の風景が強く印象に残りました。
近いようでいつまで経っても交わらない二人の物語にやきもきしながら読み進めたけれど、まさか真のヒロインはたまもでもユリアでもなかったとは……話的にはサブ扱いですがクレタとマルタの姉妹が結構お気に入りです。ナマモノ系の腐女子は恐ろしいな……
後半になるとやっぱりというか前半の雰囲気は鳴りを潜めていかにもラノベ的な展開になっていくのだけど、独特のセンスは健在なので最後まで楽しめました。どちらかというとたまもの心情のほうが詳細に描かれるので、葉介の心変わりにはちょっとついていけないところもありましたが。うじうじ悩まないのはいいんですけどね。
とにかくいったれ! 的な見切り発車感を感じる内容ですが、あえて新人らしいテイストを残したまま刊行したとの事。2巻以降の変化が楽しみです。
読み終わると上野に行きたくなる事請け合いの一冊。桜坂洋とか清水文化あたりが好きな人は結構イケるかも?
ザッピング風だったりいきなりト書き風になったり、奔放な文章でしたが面白かったです。
2010年06月21日 22:22
「百恵ちゃんっ、百恵ちゃんが帰ってきてくれたっ」
「目から鼻水が止まらねぇっ、あの頃の思い出がプレイバックしてくるっ」

レンタル・フルムーン〈3〉第三訓 星に願ってはいけません (電撃文庫)
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色々あって読書ペース低下、ブログ更新意欲も減退中ですが頑張ってみます。今の俺からラノベを取ったら本格的に無趣味になりかねないので。
感想書いた事は無いけど実は読んでたこのシリーズ。というかつい最近読んだんですけどね。
ツクモが意外にもちゃんとヒロインっぽいしクルンも相変わらず健気で可愛い。全体的にはいつも通り程よく肩の力が抜けてて面白かったけど、ちょっと惜しい部分もあったわけで。
このシリーズは小雪を初めとして一見無害そうなキャラが実はアレという「残念さ」が面白いところなのだけど、今回はクルンの故郷である聖獣ランドという初めからアレな世界が舞台なのでなんとなく普通のコメディっぽい印象に。まあ悪くはなかったですが。
シリーズ通してシリアス部分がいまいちぎこちない印象を受けるものの、全体的にはいい意味で青臭いのがいいです。
新太とツクモのカップルがガチガチに鉄板でまったく揺るがないあたりは逆に新鮮というか最近のラブコメとしてはちょっと珍しい誠実さではありますなあ。
どうにも売上げがヤヴァイらしいので頑張ってほしいところ。まあ話的にはツクモの母親の伏線さえ解決すればいつでも完結できそうですけどね。
ツクモの「チョップ」がいじらしくて微笑ましいです。
2010年06月14日 22:07
「貴様は、わしを無視するのか? この世界の持ち主を」
「じゃあ決まりだ。オメエは俺を手伝うんだ」
「俺は王様になるんだ。そのために、先頭行くんだよ。だから、俺に無視されたくなかったら、俺と同じ方向に、俺より先に行くしかねえ」

境界線上のホライゾン〈3 上〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)
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英国の代理としての三征西班牙との戦い――アルマダ海戦に辛くも勝利したものの、多大な損害を被った武蔵は六護式仏蘭西の上空、中立地帯であるIZUMOにてその傷を癒していた。つかの間の休息を皆が楽しむ中、英国本土での敗戦や三征西班牙主力との戦いで実力不足を痛感したミトは、「王の騎士」たる自分のアイデンティティに悩んでいた。己の祖国であり、因縁の地でもある六護式仏蘭西に対する漠々たる想いもまた、彼女を憂鬱にさせるものであり――
待望の第三話スタート。表紙は人気ナンバーワン?のミト。本編でもなかなか重要な役割になりそうですよ。
上中下巻の1冊目、ということもあってか今回の敵?である六護式仏蘭西は終盤でやっと話に絡んできました。そしてこの巻では文庫一冊分くらい交渉と話し合いが続くわけですが……これがむちゃくちゃ面白い。
「歴史再現」という大義名分のもとに行われる各国の駆け引きがとにかく面白い。架空戦史シミュレータとしてこれほどよく出来た設定もなかなか無いのでは。
かつての歴史を再現するという事は、言い換えると「出来レース」なわけだけどそこに「解釈」が加わる事で複雑な駆け引きが生まれるわけです。「襲名者」というシステムも巻を増すごとにその魅力を存分に発揮しており、特に今回登場した清・武田の総長、義経の設定の凄まじさには思わず昇天しかけました(笑) どんな頭してたらこんなの思いつくんだ。
襲名者に限らず、「あやかり」で名づけられたキャラの名前一つとっても駆け引きの要素になるというのがすごいですね。ナルゼに嫌なフラグが…… 今回の交渉はセージュンが頑張ったので次はシロジロの活躍に期待。
四方八方敵だらけで世界征服宣言までしちゃった武蔵が、それでもなお極東の代表として振舞える最大の理由はホライゾンの存在であり、歴史再現にあるわけです。後の極東の覇者である徳川――松平家の当主であるホライゾンがいる限り、武蔵は他国に対して大きなアドバンテージを持ち続けることになります。
だからこそ、そんな極東史の大前提をも破壊せんとする太陽王――ルイ14世の「宣言」は衝撃的でした。そして、彼らにはそれを成しても聖連に文句を言われないだけの確固たる力がある。強力な常識に非力な非常識で対抗してきた武蔵にとって、これほど強大な敵はいないといえましょう。
果たして武蔵は六護式仏蘭西を、その先に待つ更なる強敵を征することができるのか。いろんな意味でアブなそうな人に捕まってしまった我らが主人公・トーリの運命やいかに!
ノリキの設定がまたかなり意外な事になってて驚きました。あと義康かわいいよ義康。
2010年06月10日 21:40
「なんの後ろめたさもなく『小学生の女の子が好きだ』って宣言できる時期がどれだけ尊いものか、きっと大きくなってから痛いほどに知るわ。どうかその時に後悔のないよう、精一杯小学校生活を満喫して頂戴」

ロウきゅーぶ!〈5〉 (電撃文庫)
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帯は今回普通(やや嘘)ですが、それ以上に購入者の勇気が試されるような表紙。他の娘はともかくひなたはガチで犯罪臭がするんだよ! 助けて!
何度目だの合宿編。バスケ部だけならともかく生活圏の違うスバルが話に絡む以上、それが一番都合がいいというのはわかりますが。べ、別に嫌なわけじゃないんだからね! しかし、水着程度じゃいまさらサービスでもないので海水浴イベントでもあまりあざとさを感じないというのもすごい。
相変わらず他愛が無いにも程がある話。だって本当にただ合宿するだけなんだぜ!? そして今回ついに試合の描写がなくなりました。バスケとは別に、いつも以上に熱い戦いもありましたがね。バスケ部強すぎて吹いた。
スバルのロリコンスルーぶりが神業の域に達しているので健全な雰囲気は保たれているけれど、ちょっとイライラしていきたり(笑) まあこれで覚醒されてしまうといろんな意味で作品が終わってしまうんですが。
竹中出てくんな(笑)とか思うわけだけど、スバルはあくまで保護者なのでバスケ以外での少女達の問題解決には役不足なんですよね。でも竹中出てくんな(笑)
手痛い敗北を経験した女子バスケ部の更なる成長などもあったけど、挿絵があいかわらず自重して無いのでどうしたものかと。表紙が一巡したので次は……また智花からかな。一人忘れてる気もしますが。
前回といい今回といい葵が必死すぎてつらい。
