2011年10月
2011年10月29日 22:38
「……お兄ちゃんって、私とは違う。私はお話を読むと、もっと読みたいって思うけど、お兄ちゃんは自分で話を作ろうって思うのね」
「そうなのかな。まあ、聞いてくれ――むかし、あるところに黒いパンストがいました」

僕の妹は漢字が読める2 (HJ文庫)
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ブンガクと妹をめぐる冒険、第2幕。
率直にいうと1巻ほど楽しめなかった。エキセントリックな導入に始まり、王道的なジュブナイルSFとしての着地を見せた前作に比べると、どうもまとまりもメリハリも無い内容。前回のあの引きからの展開としては正直なところ期待はずれです。
ネタとしてもやはり前回からの繰り返しが多く、早々に飽きがきてしまう部分が。それでもいくつかはエッジの利いたものがあってハッとさせられることはあったので、その辺は流石かなと。幼少時代のクロハとギンのあれやそれなんかは特によかったです。クロハは相変わらず良い。
外見幼女であることにもはや誰もつっこまないオオダイラ先生はともかく、ユズなんかも1巻でやるべきことはやってしまったのでヒロインの一人としてはいまいち存在感がないですねえ。あまりテンションに変化がない主人公の語り口も、話の盛り上がらなさに影響してるのかなあと。まあこれも味ですけど。
最後は、あー、そっちから来るかぁという展開で締め。次で盛り返してくれるといいんですけどねえ。
「さようなら、マイワールド!!!
こんにちわ、ニューワールド!!!
此れからは………此処が俺の世界だ――――――!!!」

問題児たちが異世界から来るそうですよ? そう……巨龍召喚 (角川スニーカー文庫)
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おもしろい、以外の言葉が見つからない。作品を構成する要素の何もかもがおもしろくてたまらない。
三巻。予告どおりインターミッション的な話ではあるのだけど、それでもひどく興奮させられる内容でした。広がり続ける「箱庭」の世界観にはまだまだ驚かされるし、想像をはるかに超えた十六夜のパーソナリティには脱帽。これで実質的には4巻のプロローグなのだからたまりません。
獲得したギフトによって徐々に復興し、力を蓄えていくコミュニティの様にはワクワクしますね。待望のあの人や意外なアレが仲間(下僕)に加わって、今後はますます賑やかになりそう。そしてリリの出番が地味に増えてるのも嬉しい。
1巻のプロローグと本編の間の挿話。十六夜によって語られる、彼が捨ててきた「世界の全て」の話は衝撃的でした。そしてそこに浮かび上がる一人の女性の存在。今はもういないとはいえ、今後もキーパーソンになることは間違いありませんね。
今回の舞台である南区画は幻獣のメッカということで、耀のパワーアップイベントが期待されましたが……それは次回に持ち越しになりそうですね。とはいえ今まで以上に彼女の内面に迫る内容で、それも非常に興味深かった。とりあえず耀は未来から来たということで間違いがなさそうですが、ゲノムツリーにもまだ隠された能力があるようで……彼女が十六夜と肩を並べて戦える日も来るんでしょうかねえ。
前回活躍の飛鳥、もといディーンは今回も安定した強さ。他のギフト保持者とは異なる飛鳥の特異性についても触れられていました。与えられる側ではなくむしろ与える側の存在。すなわちそれは……
ここからが本番、といわんばかりの強烈な引きで幕を引いた3巻。契約書類(ギアスロール)を読むだけでハーメルンとの戦い以上の絶望感がひしひしと伝わってきますが。さて、ノーネームと囚われのレティシアの運命は如何に。続きは……来年ですか、そうですか……
しかしレティシアさんは慈愛に満ちているというか、味方にはマジで優しい……そのぶん外道には容赦しないわけですが(ガルドとか) そしてナチュラルに混浴してる十六夜がパネエっす。
再読したら黒ウサギが些細なことでヴァジュラ・レプリカを使いすぎてて笑ってしまった。インドラの武具をハリセン代わりに使うんじゃない(笑) しかしこれ、奪った竪琴が敵の罠だったと知ったら耀がまた落ち込みそうですね。
2011年10月28日 18:13
「仲間とか! 夢とか! あと……こ、恋とか!? いっぱいあるだろ!? お前、今までそれ全部目を背けてきただろ! 一個のことだけ夢中に追いかけて、他の大事なものをふいにしてきただろ! ああもぉ! 恥ずかしいなっ! こんなこと言わせるなぁっ!」

くずばこに箒星 (集英社スーパーダッシュ文庫 い 6-1)
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面白かったけど、なんだかいびつというかバランスの悪い話だったなあ。おそうじ部の面々に焦点を絞らず、色々と欲張りに物語に取り込んだ結果とりとめがなくなった感じ。ネタばらしとか各キャラの背景とかを全部台詞で説明してしまうあたりもあまり上手いとはいえないのだけど、厚めの頁数を最後まで読ませるだけの面白さはあったかな。
おそうじ部はあくまで三人セットという感じで、その分個々の印象はそれほど強くなかったかも。代わりに生徒会の待(マチ)が随分と目立ってて、というか一番ヒロインっぽいのが待だったような……
なんだそりゃ? というおそうじ部三人の「探し物」が、まさかのロングパスで繋がる展開は面白かったけど、そこに行くまでが長くてちょっとムズムズしましたね。あと唐突にいい人になる宇都宮先輩には笑ってしまった。
「チェア」の設定はなんだかシュール。というか貰ってもあんまり嬉しくない気がするのは気のせいか(笑) 10thチェアとか待が使うならいいけど、男が座ってたらいい晒し者じゃないかなー、とか。順位変動で持ち主が替わる設定の割には、現在の持ち主の個性に合わせた設定になってるのはちょっと気になるというか。まあ深く考えたら負けなんでしょうけど。
ちょっと期待値を上げすぎたかなあ、という内容ですが概ね楽しめました。来月にもう一冊大賞が出ますが、そちらはどうなんでしょうね。
2011年10月27日 01:55
「終わらせたいのならちゃんと終わらせて。終わったフリなんてやめてよ。あの女しか見てないのに、他の誰かを見ようとするフリなんて止めなさい。それは、侮辱だわ」

テンプテーション・クラウン 3 (テンプテーション・クラウンシリーズ)
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3巻。話が大きく動いたわけでもないけど、今後の展開からすると大きく意味のある巻だったかなあ。というか無事に続くようで何より。
表紙になったヒロインはあまり活躍しないきまりでもあるのか、思ったほどラースさん無双でもなかったような。凶悪な「破滅」の力を持っていても、身体能力はそれほどでもないのが弱点なんですね。しかし無害かと思ったら次の瞬間には敵に回っている油断のならなさは相変わらず流石。アキトにもガッツリ警戒されてるし彼の目の前で物騒なこともたくさんしてるのだけど、それでも自分のペースを崩さないあたりが、他のヒロインでは敵わないなあと思うところ。これで本人、普通に恋愛してるつもりなのが心底恐ろしいですね。そして彩姫は相変わらず天敵が多くて大変。
煮え切らないアキトを糾弾する彩姫の姿には、「魅了」の能力の根深さを見たような気がします。ただ盲目にアキトを慕うのではなく、彼の良いところも悪いところも、ありのままを受け止めた上で、それでも恋焦がれずにはいられない。それは何も不自然なことではないのだけど、その普遍さがかえってタチの悪さを感じさせます。
ラブコメと異能バトルがつかず離れず、シームレスにつながってる感覚がなんだか新鮮。というか明らかにラブコメがベースですが。それを成立させているのがゼファの力というインチキである事実は変わらないのだけど、なんとなく今回の事件で作品の雰囲気が変わってきたかなあという気はしますね。ルクツァーが確信した事実とアキトの行動が、今後の彼らの関係にどう作用するのか、非常に楽しみです。
選定者の設定についてはちょっとした補完が。ゼファみたいに意志が残ってるのはレア中のレア。異世界?で死んだ異能者のおこぼれを受け継いだのが選定者、というのはちょっと面白いですね。ゼファも元の世界ではアキトみたいなハーレム主人公だったんでしょうか。
2011年10月25日 22:45
「なんかね……このくらいだな、って思って」
「なにがだ」
「今この瞬間、あたしにできること」

オワ・ランデ! 4 はるかなエンのムスビ方 (オワ・ランデ! シリーズ)
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完結。終わっちゃいました。内容的には順当なので打ち切りではないのかなあ、と思いますが。最後までいろんな意味で濃い話で面白かったです。
しかしこう、終わってみるといまどき珍しいくらいの真っ直ぐな純愛物だったなあと。さんざんバカもエロもやっているのですけど。サントリーちゃんは最後まで平常運転?である意味安心しましたが。
夢魔の貴族すら囚われる、佐品家の闇。オズが立ち向かおうとしていた物は予想以上に凶悪で、今まで以上にシリアス寄りの内容だったけど、ジャスティンのフルボッコぶりには妙に癒されました(笑) オズはあれで普通に格好いい主人公になってるしなあ。
反体制派最後の一人、リスキスは単純な悪役じゃなくてよかったですね。というか普通にいい人。仮に打ち切りだとしたら、正統派貴族の残り2人が出てくる予定なんかもあったんでしょうか。コッコ女史なんかも今回出番は無かったのでその辺は残念。
この人の言語感覚はかなり好きなので、もっと他にも読んでみたいですね。なにはともわれお疲れ様でした。新作も期待して待ちます。
創刊した漫画雑誌の方も読みましたが、相変わらず読んでも読まなくてもいいようなオリジナル話だったのが残念。一通り読んだ中だと、意外にもカンピオーネがよく出来たコミカライズでした(本当に意外なことに)しかし一般人にあれだけベラベラ説明して、記憶を消さなくてもいいもんなんだろうか。
まあもっとも読み応えがあったのはアサウラとAM研の座談会ですが。本当、なんでこんな物が漫画雑誌に載ってるんだ(笑)
