2012年04月

2012年04月23日 02:27

「……にぃ、彼女、いらないって……しろがいれば……いいって……言った」

「強がってましたああああスンマセンでしたあああああああ」

ノーゲーム・ノーライフ1 ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです (MF文庫 J か 12-1)
ノーゲーム・ノーライフ1 ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです (MF文庫 J か 12-1)
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 「エアリセ」や「グリードパケット∞」の榎宮祐がまさかの小説家デビュー。それだけでも驚くのに予想以上に面白いから更に驚きました。

 高純度の厨二テイストにハッタリ感。クズ格好いい主人公に落ちぶれ系ヒロインとまさにいつもの榎宮作品がそのまま小説になったような(実際元は漫画用の原作だったとか)仕上がり。俺が好きなものは俺自身が書く! という気概にあふれていますね。そこにしびれる!あこがれるぅ!

 神との盟約により、武力行使による一切の争いごとが禁じられたファンタジー世界という設定が面白いです。唯一の交渉手段は「ゲーム」だけ。なら人間とそれ以外の種族が対等に戦えるようになったのか? というとさにあらん。獣人達のもつ優秀な五感は駆け引きを有利にし、魔法が使える種族ならそれこそイカサマだって(バレなければ)やりたい放題。弱者であるがゆえに、唯一にして最大の武器である「知恵」を研ぎ澄ますことで多種族と渡り合ってきた人類のアイデンテティは、皮肉にもそれを最も活かせるはずの舞台で優位性を失ってしまいました。

 そんな人類の最後の希望として(そんなヒロイズムとは無縁ですが)現代日本からやってきたのが空(そら)と白(しろ)の兄妹。心理戦や腹の探り合いに長けた兄と、純粋なゲームの腕前では誰にも負けない天才妹。色んな意味で二人で一組の彼らが、異世界の常識を覆していく様が痛快です。しかし、ソーラーバッテリーで充電できればファンタジーでも継続的に文明の利器が使える、というのは何気に盲点ですね(笑) 故障すればそれまでですけど。

 肝心のゲームだけれど、多少描写が分かりにくいのは今後の課題として(序盤のジャンケン対決を一読しただけで理解できなかったのは単に私の頭が悪いから)、単純な知略バトルにはならないハッタリ具合が楽しい。チェスから始まってどんどん別の何かになっていくカオスぶりに笑いました。今後も基本はアナログゲームになるのかな? と思いますが次々に変なものが出てきそうですね。

 しかしあのゲーム、イカサマ抜きにしてもクラミーは全然仕組み理解してないんじゃないか(自分で用意したくせに)。本物の戦争を知らない(忘れてしまった)異世界人より、幾多の修羅場を潜り抜けてきた(ただしモニターの中で)兄妹の方が闘争の意味を理解しているという構図がおかしい。

 設定とか、問題児シリーズを想起させる部分は有りますがそれほど気にならないかな。異世界召喚モノだとなにかと似てくるのはしかたないかと。ぶっちゃけどっちも好きだから問題なし!

 次が出るまで結構時間かかりそうですが、多種族との本格的なゲームが始まる2巻も楽しみです。グリパケの続きも待ってます。

2012年04月22日 01:18

「『沈黙せよ愚鈍(はなしかけんにゃー)』」

ライジン×ライジン2  RISING×RYDEEN (富士見ファンタジア文庫)
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 英雄の素質とは。


 ひたすらシモネタで弄り倒される主人公と頭のユルいヒロイン達のおバカなやりとりはそのままに、意外にもいい意味で王道の展開になってきて面白かったです。

 プロローグでいきなり語られるタイトルの意味。ヒーローを目指して成長する(rising)高良の物語なんですね。ストレンジャー(能力者)としての進歩はないものの、ゲル以外での活躍が多かったせいか今回はわりと真面目に主人公らしかった気が。無根拠な自信と長年の訓練(という名の妄想)でアウトローを手玉に取る姿には妙な格好良さがあります。

 新キャラの登場に伴い、口絵から消えた夜侘と沙凪。特に沙凪は今回一度も能力使ってないのだけど、メンバー随一のマイペースぶりで存在感はありました。ある意味最強。というかどんだけゲル好きなの!?

 不器用で口下手な魅神に比べると、高良いじりでもシリアス方面でも活躍できるアリアがわりと目立ってきてる様な。しかしこのお姉さんも高良好きすぎるんじゃねえの!?

 理想のヒーローを目指す高良の前に現れた「正義の味方」。冷徹な裁定の前に膝を折った高良は……まあなんとなくあっさり復活しそうな気がしますけど(笑) 男の意地を見せてくれる展開に期待します。

2012年04月20日 22:17

「……人魚姫がハッピーエンドなのはディズニーだけだ、ばかもんが」

おおコウスケよ、えらべないとはなさけない! 2 (富士見ファンタジア文庫)
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 あるべき物をあるべき場所へ。

 話の落としどころや彗と螢の真相など、特に驚くような展開はなかったものの概ね納得の結末。……これが2巻じゃなかったらなあ。 ということで残念ながら2冊で完結と相成りました。まあ短いなりに螢と彗という2人のヒロインをしっかり描けたからこその結末、という気はします。というかコウスケ一人勝ちじゃないのこれ? 爆発しろ!

 よくいえば三本立て、悪くいえばダイジェスト的な展開ですごい勢いで話が畳まれてしまいました。クララさんマジ天使な1話目から、彗の魅力がギュッと濃縮された2話など内容は良いのですが、なまじ素材がいいだけに圧倒的な文量の物足りなさがただただ残念。ネタ的に4巻くらいまではいけそうだったんですがねえ。

 まあそれでもコウスケから彗への「布教」の場面などは非常にグッとくるものがありました。図書ネタは最後までよかったですね。長老はさすがに卒業したか(笑)

 どうみてもプロローグだった1巻からわりと待たされただけにダメージが大きいですが、やはり好きな作品ではありました。次は富士見かファミ通かわかりませんが……もうちょっと長めのシリーズが読みたいですね。

2012年04月19日 00:09

「教えてくれ。なんでもいい。――私だってちゃんと、歩吹のことが知りたいよ」

アリス×アカデミィ −彼女のついたウソ− (GA文庫)
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 多重世界のボーイズ・ミーツ・ガールズ。


 「一人シェアードワールド」的な新シリーズの第一弾。個々の話は独立しているものの、設定を相互に補う形なのでよっぽどのことがなければ両方読むのが前提です。多少のハードルの高さはあるけどこうして読み終えてみると、他では得られない満足感はそれなりに感じるかなあ。

 まず読んだ順でアカデミィの方から。文量でいうとこっちの方が若干多いです(実際作中の時間経過も長い)。こっちの世界の「歩吹」があちらの世界の「アリス」に出会う話になりますが、この手のジャンル?には珍しくそもそも入れ替わる前の「ありす」を主人公がほとんど知らないのはちょっと変わってるかも。逆にアリスの方は自分の世界の「フブキ」のことをよく知っている、というのがミソになりますね。

 とにかく主人公の歩吹が男ツンデレというか、かなりとっつきづらい性格なのでそこでちょっと躓きそうになりました。まあその分アリスの歪みのないキャラクターが際立つといえますが。

 人がそれまでについてきた「嘘」の数が見える歩吹。たとえ善意からのごまかしや強がりであっても、故意に事実とは異なる発言をすれば嘘としてカウントされてしまうわけで、作中で善良とされる人物でも3000を超えています。しかしアリス(ありす)はそれがゼロなんですね。ぶっちゃけアリエナイけど妙なインパクトはあります。でもアリスはともかくありすまでゼロなのはちょっと納得いかないな(笑)

 ユニバースに比べるとこっちは普通の世界観……と思いきや学園の設定なんか結構カオス。終盤の双子とか吉岡の何者だお前ら感がすごいです。ちなみにこいつらはユニバースでも謎の活躍を見せます(特に吉岡)
 
 色々変だし展開も予定調和気味ですが(ユニバースにも同じことがいえる)、話の着地点はわりと綺麗。パターンとしては戻ってきたありすと歩吹の話なんかも面白そうだと思うけど、カップリングはこれで固定なのかな。最後に蛇足みたいなオマケがありますが、これがユニバースに繋がっていきます。


『いいかい? 君は百回生まれ変わっても、この船の女王様なんだぜ?』

ありす×ユニバース −キャプテンはJK− (GA文庫)
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 こっちは平行世界に行った「ありす」の話。SFとしてはかなりゆるーい世界観なので設定の妙を楽しむようなものではないですね。なにかとやかましいありすや、宇宙船のAIのクドさに慣れてくると普通に楽しめるかな。アリスは向こうの世界では広く知られた存在のため、アカデミィではさほど意識されない、入れ替わりによるギャップや変化がこちらではよく描かれています。

 話はアカデミィよりとっつきやすいと思いますが、吉岡やらなにやらがやたらと目立ってるのでありすとフブキの関係性という点では弱いかな。スペオペ成分はともかく、アカデミィでは出来ない設定説明が可能なため、色々と補完される内容になっています。学園が共学化した理由とかひどくて笑った。

 とりあえずどっちから読んでもあまり問題はないので好みで選べばいいかと。ただユニバースが先だとある人物の印象が大きく変わってしまうので、ニュートラルな状態で読みたい人にはアカデミィがオススメですね。

 手放しで褒められない感はありますが試みとしては面白いので続きも気になります。ただ毎回2冊同時だと正直しんどいですね……

 読んでる間はあまり気にならなかったけどイラストが少ないです。2冊あわせてやっと一冊分くらいなのでは。

2012年04月13日 21:52

「借りっぱなしは嫌なんです。お金も、親切も、おせっかいも」

うちの居候が世界を掌握している! (GA文庫)
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 小さなかがやき。

 ベタだけど雰囲気のよいホームコメディ。若干地味だけど安定感のある内容で面白かったです。それはそれとしてレネシクル結局延期したのね……しかも5月予定にもない……

 スマホ一つでキラー衛星からマイクロウェーブまで操る超大物の主人公。ぼんやりしているようにみえて毎度きっちり決めてくれる強かさが格好いい。最後まで強キャラを貫き通してくれました。というかかなり容赦なくて笑った。

 多少?おバカっぽいが、真っ直ぐな性格の長女。クールな毒舌家ながら家族を思う気持ちは人一倍強い次女とヒロイン達もまたベタっぽい味付けだけども、主人公との噛み合わないようで合っているやりとりが楽しい。イチオシはやはり次女の莉子ですが、遠いドイツの地で主人公に振り回され続けるルファも好きです。

 いい意味でGAらしくないアクのない話で個人的には気に入りました。ワインのくだりだけちょっとよくわからなかったので後でもう一回読み直そう。

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