2013年07月
2013年07月26日 02:54
「……幼女キラー」

銀弾の銃剣姫(ガンソーディア)II (MF文庫J) [文庫]
南の島編となる2巻。はやくも水着回というカードを切ってしまうとは。まあ1巻からわりと肌色率が高い作品なのであまり関係ないかもしれませんが。
前回よりも軍隊物としての設定が表に出てきてその点はよかったけど、その分作中のシリアスレベルの統一感のなさがちょっと気になったかな。蛍介とルノアの出席日数の為だけに、わざわざリスクを冒して「臨海学校」として一般人を前線基地の近くに連れてくるのはどうなのか……まあMF文庫で気にしたら負けか。ルノアが既に原隊復帰している以上、彼女に普通の生活を送らせるという当初の話もちょっと意味がなくなってますしね。
とりあえず新ヒロインの追加。しかも10歳児! ということでもうそれだけで他のことはどうでもいいような気がしてきますね(笑) 擬似ロリ枠のクロエがいるのでこういう直球キャラは出てこないものかと……何気にかなり重たい設定を背負った子でしたが、その辺も「ゆうれい」の頃のむらさきゆきやらしいといえばらしい感じ。
なんか状況はゴチャゴチャしてきましたが相変わらずサクッと読みやすいふしぎなバランス。今のところ、特に理由もわからず侵略してくる異界人と迎え撃つ銃剣兵という実はシンプルな話なので、その辺も掘り下げてくれるといいかな。
2013年07月25日 02:33
「気づいているか、小僧」
「それは妾に代わって、おまえが“悪魔”になるという意味だぞ?」

盟約のリヴァイアサンIII (MF文庫J) [文庫]
ここからはメインヒロイン(仮)のターンだ!
1巻ではドラゴンの侵略を受けた世界の有り様を描き、2巻ではハル達が巻き込まれた「ゲーム」の説明。そして今巻で、この事態に対するハルのスタンスの決定やライバル(&真のヒロイン)との関係構築というわけで、舞台は充分に整えられたといえるでしょう。作品の明確なコンセプトとしてRPGを意識しているため、わりと段階を飛ばしがちなカンピオーネに比べると、徐々に明かされていく情報や手持ちの駒を増やしていく感覚が楽しい。まあハルに言わせると「正攻法では無理ゲーすぎるので裏技を駆使して攻略する」ということなのでゲームとしては邪道を行くかもしれませんが。
女子力の圧倒的な低さと、始めから瀕死のパートナーというひどいハンディを背負っていたアーシャさんにもようやく日の目を見る時が! まあ結局、織姫が最後に美味しいところをかっさらっていくあたりは相変わらずですね。「現状維持しているだけで最強」というM部長の評価が的を射ていて恐ろしい。ただ自然体であるだけでヒロインになってしまう女に対して、勝機はあるのか……?
羽純もすっかりハルにべったりでハル自身もそれを受け入れていますが、あくまで可愛い後輩兼有能な助手という扱いなので今後のがんばり次第かな。部長によると覚醒したら織姫と頂上決戦になるらしいですが……あれアーシャさんは?
新しく参戦した黒船・ルナは初登場と思えないくらいメンツに馴染んでましたが、あまりにも自然に混ざりすぎて逆に印象は薄かったですね。ハルとの性格的な相性はよさそうだけど、あくまで現状はビジネスライクな関係なので次回以降のエピソードに期待。
度重なる襲撃によって「ドラゴンのコロシアム」と化した東京がどこまで保つのか心配になってきますが(というか既に占領済み)、そろそろハル達が他の土地や海外に遠征する展開もありそうですね。3巻までが基礎(ビギナー)編ということなので新展開が非常に楽しみ。
2013年07月23日 21:25
「もう迷わない。私はお前たちを倒し………十六夜を助けに行く―――!!!」

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 暴虐の三頭龍 オリジナルアニメ ブルーレイ同梱版 (角川スニーカー文庫) [単行本]
通常版より1週間ほど早いリリース。修羅場すぎる7巻の続きということでみんな期待していたと思うけど、諸般の事情で今回は100Pちょっとの本編+短編(中編)という構成なので実はあまり話が動いていません。とはいえ、金糸雀や十六夜に関する重要なネタバラシや耀と飛鳥の新能力お披露目など、短いなりに情報量はあったかな。
「第4の最強種」とすらいわれる人類の幻獣・詩人(クリエイター)。伝承や功績、時にはギアスロール(!)すら改変し、意図的に歴史の転換期(パラダイムシフト)を引き起こす事もできる強力な存在。外界に追放された金糸雀たちの真実が徐々に見えてきましたが、同時に彼女達がそこまでやらなければならないほどの敵――ウロボロスの全貌がますます未知なものに思えてきます。殿下達も所詮末端にすぎないわけで。
今回一番印象に残ったのはやはり耀ですね。度重なる激闘を経験し、自他共に認める実力を得てもなお胸にわだかまっていた想い。いつも背中を見つめることしか出来なかった十六夜の隣に、今こそ並び立たんとする覚悟に胸を打たれました。そしてなによりついに発現した、生命の目録の最強形態の格好良さときたら! しかしギフトの限界を越えた能力の代償はとても大きなもので……相変わらず状況は絶望的です。
後半の短編はWEBに掲載されたものの加筆修正+一部書下ろしで、今回はアンダーウッド編と同時期の2本が収録。わりと謎の構成だけど、『リリの大冒険』の方は「人類最終試練」など、本編でピックアップされた要素がいくつか出てきているので一応納得は出来るかな。先行した短編2つが文庫未収録になってしまうけど、そちらはのちほどフォローされるようです。
9巻は冬とのことですが、7巻からの諸々は全く解決されてないので待つのがつらいです。アニメの方も一応見てみましたが、しょうもないエロシーンがあまりうれしくないことを除けば原作の短編みたいなネタで話自体は悪くなかったです。原作3巻のプロローグに繋がる要素もあるので、これで2期に続いてくれるのではないかとそこはかとない期待があったりなかったり。
2013年07月21日 00:31
「私はね、ナインさん。楽しいことが好きなんです。嬉しいことが好きなんです。……でも、同時に、悲しいことも不幸なことも、きっと同じくらい好きなんです……」

神さまのいない日曜日VIII (富士見ファンタジア文庫) [文庫]
救世主ふたたび。そして衝撃の最終章スタート。
黒面の向こう側に生まれた新世界。目まぐるしく状況が変化するこの世界では、オスティアの実質的な代表となったディーを始めとする人々の尽力により新たな秩序が生まれつつあった。15年前の世界――人が人として生きられる新天地へと旅立つ者達。墓守による埋葬――人としてあるべき死を求め、荒野へと向かう者達。オスティアの開放から始まった騒動がひとまずの収束を見せる中、黒面の向こう側から、来るはずのなかった二人目の少女が現れる。
とある人々の葬儀と結婚式から幕を開ける8巻。ディーに後を託し、荒野へと去る市長達の姿に涙しつつも、新たな門出を迎えたあの二人の姿に思わずオッサン爆発しろと怨嗟の声が。しかし物悲しくも幸福なプロローグから一転、ある少女の登場により物語はあらぬ方向へ突き進んでいきます。相変わらず突発的で衝動的で、真っ当なラノベならやらないような展開を平気でやる作品なのだけど、それでも物語としての連続性を失わないところが魅力だと思います。
世界の救済を叫ぶ少女――ナインの姿を通じて、アイのこれまでの道程を追想するような趣向なのだけど、当然それだけで終わるはずがなく。全ての人の願いをかなえる、救世者として絶対的な力をもちながら、「世界を救うことしか出来ない」がゆえに絶望的なまでに失敗していくナイン。それでも彼女に寄り添おうとするアイと、ナインを止めるべく対峙するアリス。彼女達の決意と、世界をめぐり加速する事件は、やがて一つの結末を迎えることとなります。
作者が受け入れられないのではないかと危惧する通りの、あまりにも重過ぎる展開。しかし個人的には、このシリーズならやりかねないなという漠然とした予感があったのも事実なのです。そして、その時に彼女が取る選択肢が一つしかないということも。
泣いても笑っても次が最終巻。墓守として生まれ、人として夢に破れ、「何者でもないアイ・アスティン」として歩み始めた少女の旅路。最後まで目を逸らさずに見届けたいです。
内容とは関係ないですが、今回は紙の書籍ではなくBOOKWALKERにて電子書籍版を購入しました(文庫の方もそのうち手に入れるつもりですが)。いまさらだけど家にいながらにして発売日に新刊が、しかも日付が変わった直後に買えるというのはなかなかすごいです。
2013年07月13日 01:49
「見せてやれ。お前の中にある、無限の可能性を」

ヴァリアブル・アクセル (GA文庫) [文庫]
「うちの居候」シリーズの七条剛の新作(そういえば最近積んでた) ジャンルはだいぶ変わりましたが、作風から予想される通りの王道な構成が目立つ異能アクション。とはいえ安定感はある内容で、ベタな中でも良いアクセントになっている要素(喋る犬とか)がみられるので、読みやすさも手伝って割と楽しめました。
コード保持者と呼ばれる異能者や学生による警察組織などベタベタな設定なのでわりとどうでもいいですが、おちこぼれのヒロインである咲良が単に「秘められた力」というだけではなく、自らの努力が実を結んだ結果として大きな力を得る展開はなかなか良かったです。しかし「強すぎる新人」というキャッチフレーズが与えられた主人公の和久だけど、わりと負傷が多かったのと主に最後に暴れたあの人のせいでそんな印象はふっ飛んでしまった。中身はともかく相手の身体は罪の無い幼女なんだから手加減しろよ!
咲良と和久の能力の描きかた次第ではなかなか面白くなるんじゃないかなと思います。アクション描写も思ったよりまともに書けてました。
