2011年02月27日 01:41
赤だの青だの
「用意がいいんだね」
『当然です。私なんですから』
ジュエルガール 1.眠り姫と心の玉座 (角川スニーカー文庫)
クチコミを見る
「ピーチガーデン」の青田八葉のおよそ一年ぶりとなる新作(最近こういうの多いような)。
ある種の変身ヒロインもの、だと思うけど理路整然とした設定の構築ぶりはいかにもこの人らしい。ただそのせいで設定の説明に一冊丸々かかっているのだよなあ。長々と一気に説明するのではなく、話の流れの中で徐々に詳らかにするという形なので決して退屈ではないのだけど。さすがに誰でもすぐ疑問に思うはずの美海の謎を最後まで引っ張るのはやりすぎでしたが。
決められたルール、定められた条件の中で目標の達成を目指すキャラクター達を描くのがこの作者のスタイルだと思うのだけど、どうも本作ではその辺のシステマチックさが障害になっている印象。まあ今後の展開次第だとは思いますが。社会的に影響力のある秘密組織に対して、現実的なアプローチで戦いを挑む、ということで突き詰めればミュートスノート戦記(古いな)みたいな話になるのかも。
起承転結でいう転のところで話が終わってしまっているので、この一冊だけではなんとも言えず。続きは夏前くらい? もっと早く出せないものか……
一応、期待してる作家さんなので頑張ってもらいたいですね。「完璧」が口癖の木乃葉お姉ちゃんがかわいい。というかこの「過保護な姉」ってピーチガーデンが打ち切りに終わったせいで出せなかったキャラのリサイクルなんじゃ……