2013年03月30日 02:06
正しいトモダチの壊し方
「誰もが京耶を憎む世界ならば」
「その世界では、私だけが京耶の味方であり続けるということだろう」

バロックナイト2 (MF文庫J) [文庫]
表紙や口絵からの「瑠璃子の掘り下げ回なのね」とか「ヒロイン一人追加かあ」みたいな甘い想像を打ち砕くような飛ばし具合。君はこの濃密な葉村テイストについて来られるか!?
狂信めいた「一途さ」こそが真髄である葉村ヒロインの系譜を正しく受け継ぐこのシリーズ。しかしバロックをはじめキョウコやセフィロトなど、本作に登場するのはいずれも「世界そのもの」に匹敵するような超常存在ばかりであり、そんな人知を越えた娘らが文字通り世界を歪ませるほど激しく愛をぶつけあうのだからたまりません。がんばれ瑠璃子。
バロックとキョウコの会話などまともに読み解こうとすると途方に暮れますが、原初の海とこの世界、高次の海の構図はわりとわかりやすいモチーフだったかな。しかしそんな連中に目を付けられる京耶って本当何者なのか……同じく只人であるはずの瑠璃子さんがどう関わってくるのかも気になりますね。
もはや後戻りできない感じの引きで終わってますが、こっちはあまり長く続ける気が無いのかな。どうも自業自得らしい京耶はともかく、早香あたりは救いが欲しいですね。しかしバロックが怖い。御堂叶流あたりの要素も入ってるのである意味最強の葉村ヒロインだなあ。