April 04, 2006
私的香港考察
さて、香港と言えば、1997年に中国へ返還されたものの、未だ”特別行政区”扱いの、一風変わった都市である。イギリスでもなく、完全に中国でもない。通貨も”元”ではなく、”香港ドル”が流通している。
そんな曖昧な線引きをされた香港。そこに住む人々の意識は、どこにあるのだろうか?と、出発前に気になっていた。なので、それとなく彼らの意識を探ってみようと思ったわけだ。
まず、彼らはよく「This is Hong Kong style.」という言葉を口にする。例えば、彼らと一緒に食事をしている席で、日本にはないモノが出されると「This is Hong Kong style.」。僕が、驚き(あるいは戸惑い)の表情をみせると、彼らは決まってそう言うのだ。まぁ、それを少し楽しんでいるのかもしれないけれど。。。お陰で”ゲテ物”を食べさせられたりもしたのは事実・・・。
他にも、日本ではありえないスピードを出すタクシー(的士)に乗っても「This is Hong Kong style.」だ。
そして、言葉について。彼ら(特に若い世代)は広東語と英語を話すのだ。お陰で僕は助かったのだけれど、これが大陸になるとそうはいかないらしい。上海のような大都市でさえ、英語は全く通じないらしい。これは、長い間イギリス領だったことが、大きく影響していることに違いない。
また、街を見渡せば、看板は広東語と英語で表記されている。まぁ、たまに間違った日本語が書かれた商売用の看板もあるけれど、駅などで見かけるモノは、ほぼ全てが広東語に英語のスタイルをとっている。これもある意味「This is Hong Kong Style.」なんだろう。。。
先日、フルーツ・チャン監督、サム・リー主演の『Made in Hong Kong』を見たのだが、そこに出てくるギャング達の会話には「大陸の奴ら」という言葉がよく出てくる。そう、たった電車で30分の深センの人間でさえ、彼らにとっては「大陸の奴ら」なのだ。この映画に出てくるギャング達は、どこか自分と中国本土の人間(大陸の奴ら)を、区別して意識しているようだった。
つまるところ、こういうことだ。香港の人々にとって、自分がどこの国の人間なのかということは、あまり重要なのではないのだ。彼らは、中国人でもなければ、イギリス人でもない。あくまで『香港人(ヒョンゴン・ヤン)』なのだ。「This is Hong Kong style.」とは、つまり「Hong Kong is Hong Kong.」というわけだ。
中国とイギリス、そして地理的にも近い東南アジア(料理などで実感)の文化がミックスされた”国”、それが香港であり、彼らは”香港人”なのだ。
彼らのアイデンティティは、彼らの中にしっかりと根付いている。自分にとって、それを実感させられた5日間の香港滞在だった。
posted:Ryoh Mitomi
