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名称はいろいろあって、

AZTEK、AZTEK-Pro、AZTEK-Elite、Set of Foursなどとよばれているものです。

なにかというと、4倍力ないし5倍力の引き上げシステムを、コンパクトなツインのプーリー2個と細めのそれほど長くないコードを利用してユニット化した物です。
これをチェーンブロックのように利用するのです。


普段、ロープアクセス作業において、ロープを登り降りしているときには、自分の体の重みを、自分の筋力を利用して移動させれば良く、大抵の場合、自分の腕力や脚力で十分対応が可能です。

しかし、重量物の荷揚げ・荷下ろしや、ロープレスキューでは、自分の体重より重いものを、腕力や脚力で移動させ、荷重の架け替えもできなければなりません。
また、ハイライン(チロリアン)の設置や、Aフレーム、ポールの設置では、強い張力でロープを張る作業が繰り返し必要になります。

人手が沢山あれば、マンパワーでこなせるでしょうが、人員が限られている状況では自分一人の腕力と脚力で、自分の体重の何倍もの荷重を制御する必要があります。

これらの作業を実現するのは、プーリーを利用した倍力システムなのですが、
倍力システムが必要になるたびに、ロープ、プーリー、プルージックないしカムデバイスを取り出してそれを構築するのは煩雑であり時間のロスが多いということになります。

そこで、プーリーを利用した倍力システムをあらかじめユニット化して用意しておき、個人で装備して、必要に応じていつでもすばやく使えるようにしようというのがAZTEKの狙いなのです。

あらかじめ、計画的に各種のシステムの中でAZTEKを利用すると、とても便利なのはもちろんですが、僕としてはトラブルが生じたときにこそ、AZTEKが活躍する
と考えています。

重量物の荷揚げやロープレスキュー等での引き上げシステム等が順調に運用できている時は良いのですが、ちょっとしたトラブルや変更が生じたとき、たとえば、

1.一時的に引き上げシステムに作用している荷重を別の支点やラインに架け替えたい時。
2.変にジャミングしたり、ねじれてしまった器具・ロープを修正するために、一時的にある部位の荷重を抜きたい時。
3.ぶら下がっている付き添い人や、担架の吊るし方をちょっと変更したいとき。

などと、概して、
「まあ、とにかく、一度システムに荷重を掛けてぶら下げ始めてしまったけど、ちょっとそこだけやり直したいんだよなぁ。」
なんてときに、人一人の腕力ではどうにもならなくても、AZTEKをチェーンブロックのように利用して、大きな力をゆっくり制御しながら使用することで、安全・便利にトラブルを解決できるということなのです。

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AZTEKのバリエーションはどうやら3種類あるようです。

1.倍力システムなし、セルフビレイ用のロープとパーセルのみ
AZTEK Edge Kit という名称で販売されていたりする。
写真を見たい人はこちら
(米国のレスキュー用品販売サイトAHS RESCUEです。)


2.倍力システム(PETZL-GEMINI利用)とセルフビレイ用のロープとパーセル
AZTEK Pro という名称で販売されていたりする。
一般的に、AZTEKというと、これを言うようである。

日本国内で販売しているのは、レスキュージャパンAZTEK販売ページ

米国のレスキュー用品販売サイトの例では、
RESQUE RESPOCE GEARこのページや、
AHS RESQUEこのページです。

3.倍力システム(スイベル付きの極小専用プーリー利用)とセルフビレイ用のロープとパーセル
AZTEK Proの進化形として、AZTEK Elite、AZTEK OMNI といった名称で販売されている。

日本国内で販売しているのは、レスキュージャパンこのページ

米国のレスキュー用品販売サイトの例では、
RESQUE RESPOCE GEARこのページ
AHS RESQUEこのページです。

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どんな構造で、どんな使い方があるのか、参考になるサイト、リンクをいくつか、

1.Rope That Rescueのサイトの情報

a) AZTEK Eliteの構造と組み立て方法
b)AZTEKの利用方法の説明

c) AZTEKの活用メリットについて考案者Reed Thorne氏がRescue Magazineに寄稿した文章


2.RESQUE RESPOCE GEARのサイトの情報
AZTEKに関する情報は整理されずに断片化しているため、トップページの検索(serch)欄にAZTEKと入力して検索するといろんな情報が出てくる。
利用方法の説明と写真はぜひ見てもらいたい。

a)AZTEK OMNIプーリーの構造説明

b)AZTEKの利用方法の説明
http://www.rescueresponse.com/store/ph_buttblock.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_backtie.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_guying.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_backtie2.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_litterscoops.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_hitch.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_direct.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_secondpt.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_travel.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_moveabledir.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_rappel.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_hobbling.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_litterrigging.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_solopickoff.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_dynamiclowers.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_litterrigging2.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_attendanttether.html
http://www.rescueresponse.com/store/ph_use57.html

3.レスキュージャパンのサイトのAZTEKに関する情報


また、レスキュージャパンではアドバンスロープレスキューにてAZTEKの利用方法を講習してくれます


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出来合いのを買うべきか、自分で材料を揃えて作るべきか?

結論は出来合いのを買うべきでしょう。

自分は9mmのいらないスタティックロープがあったり、PETZLのGEMINIやマイロンがそこそこ安く買えたりしたり、たまたま、パーセルが1個余っていたりしたので自作しました。記事のはじめに掲載されている写真がそれです。

しかし、9mmのロープではかさばるのと、専用ポーチがないと扱いにくいなぁと感じています。
写真ではPETZLのハーネス用ポーチに入れてますが、使用感は「ダメ」ですね。

しかし、最近になって、レスキュージャパンさんが、AZTEK専用の8mmロープを販売したり(8,400円)、
AZTEK専用のウエストポーチを販売したり(4,600円)と自作環境も整っています。

しかし、「ツインのプーリーが2個余っているよ。」なんて人はほとんどいないでしょうから、出来合いのキットを買うのが良いでしょう。
一から材料を全部購入して自作するメリットはほとんど無いと思います。

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AZTEK Pro (GEMINI)か?AZTEK Elite(OMNI)か?

PETZLのGEMINIを利用したキットは価格が安いこと、それと、もし「引き上げシステムを構築するのにプーリーが足りないよぅ」なんてことになった時に、AZTEK ProのキットをばらしてPETZLのGEMINIを取り出して転用・流用するなんてことが可能です。

一方、AZTEK専用設計のプーリー、OMNIを利用したキットは、OMNIに通せるロープの径が小さいため、他のシステムへの転用・流用はできませんが、
a)スイベルが付いているため、ねじれによるトラブルや、ねじれによるロープ同士のこすれあいによる摩擦ロスが少ない。
b)専用設計で極小化され、最短長さが短く、狭い間隔にも設置できる、一回の設置で引き上げる距離を少しでも長く取れる。
c)軽量・コンパクト
というメリットがあります。

AZTEKを完全に個人装備として利用し、流用・転用を考えないなら、若干価格が高いことを考慮しても、Elite(OMNI)を利用することをお勧めします。

現場に持ち込む装備を最小限化して、流用・転用を考慮したいなら、Pro(GEMINI)を利用することをお勧めします。

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何個必要か?

本気で、スピード重視のチームレスキューに取り組むなら個人装備化すべきだと思います。
また、Aフレームやポールの固定に利用したり、担架の吊り下げに活用するなら、それように別途共同装備の中にAZTEKを組み入れると効果的だと考えてます。