なかなかジーンとくるタイトルの曲である。
 「わが青春はすでに過ぎ去り」(Mein junges Leben hat ein End)。
 ネーデルラント(オランダ)のオルガニスト兼作曲家であったスヴェーリンク(Jan Pieterszoon Sweelinck 1562-1621。ただし本姓はSwybbertszoon)のオルガン曲である。

 スヴェーリンク(スウェーリンクと表記することも多い)はネーデルラントからイタリアに留学しヴェネツィア楽派の手法を習得、変奏曲形式の発展に貢献した。アムステルダムの教会オルガニストとして名声を博し、「ドイツ・オルガン奏者製造者」と呼ばれ(なんか変な呼ばれ方だけど)、シャイト(Samuel Scheidt 1587-1654)など、北ドイツ・オルガン楽派を輩出したという。

 「わが青春はすでに過ぎ去り」は昔、今から30年以上前、毎週日曜日の朝にNHK-FMで放送されていた「オルガンとコーラス」(という番組名だったと思う)のエンディング曲に使われていた。あるいはそれは私の記憶違いで、そのあとの「名演奏家の時間」のエンディングだったかも知れない。
 いずれにしろ、毎週毎週、断片だけ耳にして「この曲は誰の何という曲なのだろう」と欲求不満的に感じていたのだが、あるとき、“FM fan”誌で、各番組のテーマ曲一覧みたいな特集があって、それで初めてスヴェーリンクの名と曲名を知ったのであった。
 「わが青春はすでに過ぎ去り」はスヴェーリンクの作品の中では最も知られたものであるが、それにしても、こういった曲を探し出してくる番組制作担当者っていうのはたいしたものだと思う。
 あらら、“上から目線”的言いざまでしたわ。

 曲はわびしい。まさにタイトルどおりである。
 除草剤をばらまかれた竹林を、絵心のない人間が水墨画に描いたような、枯れた感がある。わかりにくいか?
 実はこの曲は、同名のドイツ民謡を変奏曲にしたもの。ただし、スヴェーリンク自身はドイツに行ったことはなかったそうで、弟子がこの民謡を教えたらしい。

67f29921.jpg  私が持っているCDはナクソス盤で、オルガン演奏はジェイムス・デヴィット・クリスティ。
 このCDはスヴェーリンクのオルガン作品集で、以下の曲が収録されている。
 トッカータ ハ調 Toccata
 大公のバレー Balletto del Granduca
 リチェルカーレ Ricercar brevis
 おかしなシモン Malle Sijmen
 わが青春はすでに過ぎ去り 
 エコー・ファンタジア イ長調 Fantasia No.12 in A majir "Echo"
 緑の菩提樹の下で Unter der Linden grune
 トッカータ イ短調 Toccata
 我を憐れみたまえ、おお、主なる神よ Erbarm dich mein,o Herre Gott
 ポーランド舞曲 Poolsche Dans

 録音は1993年。規格番号は8.550904である↓。

 ⇒ Sweelinck: Organ Works / James David Christie

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