歳をとってくると、いろいろな感性が鈍って来るが、逆に研ぎ澄まされてくる感覚もある。
たとえば、残尿感などは最たるものだ。
でもなぁ、歳をとっても、そのあたりを徘徊して子どもたちに迷惑をかけるような老人にはなりたくないなぁ(子どもたちが、そのときも私に関与してくれているという大前提が必要だが)。
ということで昨日に引き続き、メシアン(Olivier Messiaen 1908-92 フランス)。いや、メシアンが徘徊して歩いたのではない。
彼は1962年に日本を訪れている。
何しに来たのかは私の知るところではないが、日本旅行だ(旅行会社の名前のようだ)。
そのときの日本の印象から作曲したのが「七つの俳諧(Sept haikai)」(1962)である。なお、7歳児がディズニー・ランドで迷子になって泣きながら親を探している状況は「七つの徘徊」という。早く見つけてやれ,親を!
楽器編成はピアノと13の管楽器、木琴、マリンバ、4打楽器、8つのヴァイオリン。
7曲から成り、それは次の通り。
1. 導入部 Introduction
2. 奈良公園と石灯籠 Le parc de Nara et les lanternes de pierre
3. 山中湖カデンツァ Yamanaka-cadenza
4. 雅楽 Gagaku
5. 宮島と海中の鳥居 Miyajima et le torii dans la mer
6. 軽井沢の鳥たち Les oiseaux de Karuizawa
7. コーダ Coda
このなかでは、第2曲の、鹿の糞を踏んで悔しがる感情表現が見事!、って大ウソです。
う~ん、要は日本てわけわからん国なのね、っていう印象を受ける音楽である。
いや、この曲耳にしたガイコク人が、日本をどのようにイメージするかと考えると、どんなもんなんだか想像できない。
いやはや、いささか、あなごくん。
って、交響詩じゃないので、そこは音響的イメージなんだろうけど。
でもさ、日本に来て強烈な印象が、フジヤマとかゲイシャとかテンプラとかじゃないのが不思議。
あと、スキヤキィ、スシィも。
導入部に続いて、この作品は「寿司、偉大なる生モノ」「すき焼き、甘美なる牛」「芸者、食欲を増す舞い」なんて楽章が続くと楽しいのに。
そうそう、けっこう珍しがられるのだが、私はあまりすき焼きが得意ではない。
いや、作るのが下手だっていうんじゃなくて、お好みの食べ物ではないということ。
あの、甘さが苦手なのだ。
そんなことはどうでもいいか……
私が持っているCDは「ミのための詩」のときに紹介したブーレーズ盤だが、これは廃盤……だったはずなのに、「七つの俳諧」で検索したらあったではないか!在庫僅少のようだけど。
オーケストラはクリーヴランド管弦楽団。ピアノはジョエラ・ジョーンズ。
最近の中国からの観光客は、おみやげに育児用粉ミルクをずいぶんと買い込んでいくそうだ。
ニッポンのイメージは「ゲイシャ」から「メイジ・ほほえみ」へ……
口蹄疫の問題で、中国への持ち込みが禁止されたようだが、日本での安全宣言を受け再び持ち込み許可になるだろう。
でも、持って帰るの重いだろうな。
上の写真は、庭で再び咲きはじめたクレマティスのアロマティカっていう品種である。
記事のトップでブーレーズの写真を2日続けて見たくないとは思ったので、載せてみた。
あぁ、「小樽のひとよ」
それは、東京ロマンチカ。
意味はないが励みになるかも
新館入口(2014.6.22~)
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