MakiShowaKaitai  病んだ組織・国鉄
 昨年、北海道新聞に載っていた書評を読んで購入した(私は電子書籍を選んだ)佐藤信之の「JR北海道の危機」(イースト新書)

 この本から派生して、元々鉄道好きということもあって、関連する本をいくつか購入し読んでいるのだが、これは読みごたえがあった。
 牧久の「昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実」(講談社)である。
 JR発足30年にあたる昨年の3月に出版された。

 国鉄の労働組合のどうしようもない実態、それに何の手も打てない国鉄当局。
 そこから改革を目指すメンバーとただならぬ圧力。政治のかけひき。

 これを読むと国鉄がいかに病んでいたか-こんなことあり得るの?という組織-がわかる。そしてまた、JR発足後もその余韻、悪しき影響が残っているのではないかと想像してしまう。

  列車を愛してないの?
 むかし、札幌駅で『スト権奪還』『スト権スト」と大書きされたディーゼルカーが停まったままだったのを見たことがある(『権』の字は『木』に『又』の略字だった)。
 スト権ストだのなんなのか、当時の私はわからなかったが、自分たちの仕事の命ともいえる車両をあんなに汚くするなんてなんてことだと思ったものだ。

 あるいはJRが発足して、職場を追われたと駅前でビラを配っていた人たち。
 事情をよく知らない私は、雇ってもらえなくてかわいそうにと思ったものだが、本書に描かれている労働組合の暴走を読むと、それも当然と思えてくる。

 当時、最も荒れている職場と言われていた中央線甲府駅に国会議員たちが抜き打ちで視察する場面。

 極秘裏に進めた視察だが、それでも情報は漏れていた。甲府駅には午前八時半に着いたが、いつもは構内にべたべたと張られた組合のビラはきれいに撤去され、赤旗が整然と林立していた。だが出勤してきたばかりの組合員には連絡がつかなかったのだろう。点呼などはいつものようにでたらめで返事もしない。遅刻者が突然、途中から入ってきて「おい、助役、おれをまさか遅刻扱いにしていないだろうな」とすごむ。別の組合員が「昨日のオレの休み、どう処理した。まさかポカ休にはしていないだろうな」と助役に突っかかる。
 「休暇として処理しました」。助役は低姿勢で答える。駅長、助役はきちんと制服、制帽なのに、職員の中には制服も着ず、くわえ煙草で点呼に出ている者もいた。


 そのあと、視察団一行は大月駅の保線区に立ち寄るが、そこの倉庫には当局が発行している社内報『つばめ』が梱包も解かずに捨てられていた。組合が、当局が発行する『つばめ』は読んではならないと指示し、職員に配布していないのである。

 さらに東京駅、田町電車区、桜木町駅に行くが、

 情報は事前に伝わり、すでにきちんと手は打たれていた。ふだん開いていない出札窓口は全部開いており、いつもは一つしか開いていない精算窓口もすべて開いていた。

のである。

 この部分だけを読んでも-私には特に印象深い箇所だが-国鉄職員のモラルのなさ、常識のなさ、なによりやる気のなさがひじょうによくわかる。

 国鉄マンになろうと夢と希望をもって就職しても、組合に入れらされ、歯向かうこともできず、そして惰性の日々を過ごすようになる(推測だが)。
 そういえば、高校時代に鉄道学校に進学するといきなり言いだし、国鉄マンを目指したN君はどうなっただろう?

Rosso ヘンデル(Georg Friedrich Handel 1685-1759 ドイツ→イギリス)の「怠惰なあなたはそうしますか?(Neghittosi or voi che fate?)」。

 歌劇「アリオダンテ(Ariodante)」(1734)のなかのアリアである。

 私が持っているのはソプラノのプティボンによるアリア集。
 伴奏はマルコン/ヴェニス・バロック管弦楽団。

 2009年録音。グラモフォン。

   このCDの詳しい情報【タワレコ】
   Rosso - Italian Baroque Arias

  改革派に思い入れあり?
 「昭和解体」の著者は日経新聞の記者だった人。

 偏りない立場で客観的な視点で書かれている方だとは思うが、話が進むうちに「魔笛」じゃないが、善と悪、光と闇の対比が強くなる。元記者ならば、もっと淡々と筆を進めてほしかったというのが正直な思い。
 改革を進める『3人組』と改革派の政治家を、実際偉業を成し遂げたとはいえ、持ち上げすぎのように感じるところがある。
 一方で労組-特に国労-に対しては、諸悪の根源と手厳しい。もっとも、組合員の生活のためといいながらも、組合のための組合になっていたわけで、同情すべきところは見当たらないのだが。

 そしてまた、国鉄が「無事に分割」されたはいいが、東・西・東海と3島との格差は広がるばかり。
 それは、この大著が取り上げている時代のあとに顕著化する問題だが、このときの改革が果たして正解だったかどうかは判断は難しい。

 しかし、国鉄で何が起こっていたかの実態を知る上で、本書は貴重なドキュメントといえる。

   紙の本 昭和解体―国鉄分割・民営化30年目の真実

 おととい(負傷した日)は昼過ぎから音もなく大粒の雪が降り続いた。
 夕方に雪かきをした。

 昨日の朝は市の除雪車が出動してくれた。

 そんなわけで2018年に入り5日連続で、断続的ながら雪が降ったのである。
 やれやれ……

 そしてまた、昨日はある偶然の出会いが……
 この話については、こちらの投稿の都合上、あさってにでも。

     

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