Book_KobutsuZukan  没後200年に『石』発見
 今日は石の話である。

 堀秀道氏の「鉱物 人と文化をめぐる物語」(ちくま学術文庫/筑摩eブックス)は、読んでいてこっちがそのノリについていけないというか恥ずかしくなるようなやれやれといった章もあるが-著者がタイムスリップ機の製作に成功し石器時代に行ったり、江戸時代に行き平賀源内と会うあたり-、全体としてはそこそこ楽しめた。

    紙の本 鉱物 人と文化をめぐる物語

 この本のなかの「モーツァルトが石の名前になったわけ」(初出は2006年)。

 1991年のモーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)の没後200年の年に、『モーツァルト石(Mozartite)』なる鉱物が発見命名されたことが紹介されている。

 有名無名とにかかわらず作曲家が鉱物名になったのは初めてだった。ただし、発見地がザルツブルク地方であれば理想的だったろうが、イタリアであった。命名者は「モーツァルトの記念の年の発見であること、モーツァルトが歌劇『魔笛』をはじめ、作品の各所で地質鉱物に理解を示しているから」というやや漠然とした抽象的な理由を述べるにとどまり、それゆえ新鉱物を審査する国際鉱物学連合の新鉱物委員会の方でもとまどったらしい。難色を示す意見も出たが結局、国際投票で3分の2に達する票をえてモーツァルト石に決定された。


 モーツァルト石はその後、日本でも発見されたそうだ。


  「魔笛」に陰の台本作者がいた?
 著者は、命名者が歌劇『魔笛』に現われている地質学、鉱物学の影響がフリーメイソンにあると考える。


 フリーメイソンの起源は古く、明確ではないが、石の職人の組合に端を発しているという通説がある。モーツァルトの時代のフリーメイソンのオーストリアのリーダーは、ボルン(1742-91)であった。ボルンは鉱山学、冶金(やきん)学者で鉱物と化石の研究者でもあった。―(中略)―『魔笛』の重要人物の高僧ザラストロはこのボルンをモデルにしたと考えられている。―(中略)―
 次に台本作者は興行師のシカネーダーとされるが、これは表向きで、真の作者、少なくとも陰の共作者はアウグスブルク生まれのギーゼケ(1761-1833)とする説が強い。彼は若い頃、ウィーンで大学に通いつつアルバイトとしてシカネーダー座に加わり、座主のシカネーダー同様に役者から台本作りまで何でもやっていたという。フリーメイソン会員でモーツァルトとも一緒だった。
 彼は後にグリーンランドの鉱物の研究に長年を費やし、アイルランドの首都ダブリンで鉱物学の教授となった。1817年から19年にかけてダブリン協会への鉱物標本を入手するためにウィーンに滞在していた折に、『魔笛』の原作者であることを告白したとされる。―以下略―


 このあたりの話は、私も初めて知った(100%鵜呑みにできていないけど)。


 著者はこう結ぶ。


 終わりに、モーツァルト石について、モーツァルト本人の意見を聞いてみることにしよう。
 「鉱物にぼくの名前が付いたんだって、それはうれしいね。ザルツブルクの石ではなくて残念でないのかって?そんなことはないよ。ぼくはイタリアには3回も長くいてね、気に入っているんだ。自分のこともイタリア風にアマデーオと呼んでるくらいだよ。2番目の産地が日本だって!それは良かった。当時は東洋趣味が流行していてね、『魔笛』の主人公のタミーノは日本人の王子にしておいた。先見の明かな。すてきな報せをありがとう。チャオ!」


 って、お願いだから聞くんじゃないって……

MozartClMayer モーツァルトのクラリネット協奏曲イ長調K.622(1791)。


 モーツァルトとはフリーメイソンで一緒だったバセットホルン(クラリネットの仲間の古楽器)奏者のシュタードラーのために書かれた作品で、完成したのはモーツァルトの死の2か月前。
 こんなに心に染み入る音楽がほかにあるだろうか!というもの(いや、あるんですけど)。

 マイヤーがクラリネットではなくバセットホルンを用いた演奏を。
 共演はフォンク指揮のドレスデン国立管弦楽団。

 1990年録音。EMI。

   このCD(同一音源)の詳しい情報 【タワレコ】※ポイント10倍キャンペーンは7/13 23:59まで
   Mozart: Clarinet Concerto K.622, Sinfonia Concertante K.297b, etc

  小学生のときに拾った石の名は?

 ところで、この鉱物の名をご存知のかたはぜひお教え願いたい。


Stone_Midori1

 この石はいまから40数年前に、私が浦河町に住んでいるときに拾ってきたもの。


 とはいえ、山などから採取したものではない。ある空き地に無造作にトラック1台分くらいの量が小山になっていたのだ。
 よくわからないが、鉱物として利用するのではなく砂利などの代わりに使うために運ばれ一時保管されていたと思われる(あのあたりで産出する鉱物ではないだろう。鉱山があると聞いたこともないし)。
 断っておくが、少年MUUSANは友だちと立ち入り禁止のどこかの敷地内に入り込んで盗んできたのではない。私有地だったかもしれないが、そこは誰でも入れる場だった。

 私が持っているこの石のサイズは、正確に測っていないが7~8cmの長さ(ずさんな保管のために一部が割れて幽体離脱してしまった)。

Stone_Midori2

 濃い緑色の光沢のある柱状の結晶が美しい。


 捨てずに、けど日の目を見させないで、よくぞとっておいたものだと自分でも思う。
 やっぱり私、石ラブ男だったのね。

    

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