Ifukube_Tri_PCCR90079a  藤田さん、ごめんなさい
 今年3月にKitaraで行われた札幌交響楽団による「伊福部昭トリビュート」コンサート。
 予約しておいた、そのライヴCDが届いた。

 伊福部の愛弟子だという藤田崇文氏の指揮。
 しかし、いくら愛弟子でも指揮者としては私にとって未知のもの。まぁ、まさにお祭り感覚で楽しめりゃいいんじゃない?ってノリで聴いてみたのだが、私のそういう投げやりな態度に猛省を促すような立派な演奏。

 いやいや、なんてたって、札響のパワーがすごい!ものすごい!なんか腹立つことがあったのかというくらいの炸裂度。熱い!熱すぎる!

 録音も優秀でステレオ感を強調した感じのするもの。
 このあたり、クラシックのオーケストラ作品の通常の録り方とはちょっと違うのかも知れない。
 また、それと関係するのかも知れないが、オーケストラのサウンドは重心がやや高め。低音にもう少し厚みがあってくれればと恨みに思う。
 逆に言えばきらびやかな豪華絢爛な響きがスピーカーからこれでもかと飛び出してくる。


Ifukube_Tri_PCCR90079c  朝からハイな気分にはなれない曲調かもしれないけど
 放送開始のアナウンスのあとに最初に流れるのはHBCのコールサインであるHBCラジオのテーマ曲「ウポポ」。
 そして最後に流れるのはHBCテレビのコールサインであるHBCテレビジョンのテーマ曲(この曲は「伊福部昭百年紀Vol.3」にも収められている)。演奏会終了を告げるアナウンスが放送終了の案内のように流れる。

 始まりとお開きにコールサインをもってくるところなんか、なかなか憎い演出だ(HBC=北海道放送はTBS系列の放送局)。


 さて、個人的にはいつもの習慣で“管弦楽作品”として聴くと、パワーは十分すぎるほどあるものの、上に書いた軽めのサウンドがちょっぴり不満。

 芥川の「交響管弦楽のための音楽」(第2楽章)やSF交響ファンタジー第1番(一部割愛あり)、シンフォニア・タプカーラ(第3楽章)では、「もっとズンズンして欲しいの」と、おねだりしたくなっちゃう。

 一方で、賛歌というには重苦しい「北海道賛歌」は、このサウンドによって賛歌らしく聴こえてくる(声楽なしのオーケストラのみの演奏)。
 ショスタコーヴィチの「祝典序曲」も、祝典にふさわしい華やかな響きだ。


  すばらしすぎる「レズギンカ」
 伊福部作品でなくて申し訳ないが、この演目の中でいちばん名演だと思ったのはハチャトゥリアンの「ガイーヌ」の「レズギンカ」(CDでは「レスギンカ」と表記されている)。

 この曲ではチェクナヴォリアン/ナショナル・フィルの演奏に勝るものはないと思っていたが、こと「レズギンカ」だけについていえば、この藤田/札響の演奏が私が知っている演奏のなかでは最高にて最強にて最優秀!
 炸裂するパーカッションが快感すぎる!


Ifukube_Tri_PCCR90079b 全体を通して、札響のうまさにまたまた感心・感動させられた。


 CDの帯の裏には、「ゴジラのテーマ」の楽譜が。
 これまた憎い配慮だ。

 2018年ライヴ録音。ポニーキャニオン。

   このCDの詳しい情報 【タワレコ】
   伊福部昭トリビュート 春の音楽祭 イン キタラ

 ちなみに、「ゴジラのテーマ」に似ていると言われるラヴェルのピアノ協奏曲第3楽章。
 いや、正しくは「ゴジラのテーマ」がラヴェルのピアノ協奏曲に似ているのだが、そのメロディーがこれである(掲載譜は日本楽譜出版社のスコア)。

RavelPfconIII

    

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