SibeliusTateno  舘野のシベリウスへの思い入れ
 『私の札響感動史』の第33話で、ハチャトゥリアンのピアノ・コンチェルトを弾いた舘野泉が、アンコールでシベリウス(Jean Sibelius 1865-1957 フィンランド)の「6つの即興曲(6 Impromptus)」Op.5の第5曲を取り上げてくれ、その曲、演奏がすばらしかったということを書いた。
 1992年10月の第340回定期のことだ。

 それまでシベリウスのピアノ曲を聴いたことがなかったが、この曲は何か特別な存在であるかのように私の前に現れた。そして、いまもひじょうに思い入れがある曲だ。

 1936年生まれの舘野はこのときもうすぐ56歳になろうというところ。
 いまの私とほぼ同じ年齢だが、あのときの舘野のようにいまの私が若々しくないのはなぜだろう?

 舘野は1965年にフィンランドに渡り、以後、ヘルシンキに住んで音楽活動をしてきた。シベリウス音楽アカデミーの教授も務めていた。
 2002年、リサイタル中に脳溢血で倒れ、右半身に後遺症が残ってしまった。
 しかし、1年半後に復帰し、左手のための作品を演奏している。
 私も氏が復帰した後に、左手の作品を取り上げた札響での演奏を2度ほど聴いているが(東京公演と定期)、定期ではミスが目立ったものの舘野の復帰のための努力に、ただただ敬服するしかなかった。
 
  もっと早く買っときゃ……
 それはそうと、その舘野はアンコールで披露した「即興曲」Op.5-5を録音してくれている。

 「シベリウス ピアノ名曲集」というアルバムで、私としては敬遠していたのだが-たとえば「即興曲」なら全6曲を弾いてほしい。このアルバムでは第5曲のみ-、このあいだの記事を書いていて、あの心しみいる経験を再び味わいたくてCDを購入した。

 いやぁ~、泉さんよ泣かしてくれるな、と言いたい。

 あの日、厚生年金会館にしっとりと響き渡ったそのものが、再現されている(って、CDの録音の方がずっと前)。

 1978年録音。EMI。

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 こんなことなら、意味のないこだわりなど捨てて、もっと早くに手元に置くべきだった。