Hyouten  人間の心の闇を暴く
 ここでお知らせしたように、三浦綾子の「氷点」を読み終えた。

 いまでも放送されている、大喜利が人気の「笑点」の名は、この「氷点」をもじったそうだ。子供のころから「笑点」は知っていたのに、「氷点」を読むのは初めてとは、この私はうつけ者である。

 「裁きの家」に登場した『優子』は良くできた理想的な女性であったが、「氷点」に出てくる『夏枝』に対しては、私は共感できなかった。よろめき女で自分が魅力的であるとうぬぼれているからである。

 それにしても三浦綾子という作家は、人間のイヤな人間を描くのがとてもうまい。
 夏枝の意地の悪さの描写はみごとだ。

 いや、イヤな人間ではなく、人間の誰もが持っているイヤな面をえぐり出しているということなのだろう。
 「氷点」のあと、いま私は続けて三浦綾子の作品、自伝である「この土の器をも 道ありき第二部 結婚編」を読んでいるところだが、

 過去のわたしには、前川正との真実な恋愛もあったが、無責任な、異性との交際も数多く経て来ている。

という一節がある。このような豊かな経験があるからこそ書けるのだろう(←皮肉とかそういうんじゃ全然ないです。念のため)。


BartokPf3 バルトーク(Bartok,Bela 1881-1945 ハンガリー)の「2つの肖像(Ket portre)」Op.5,Sz.37。

 2曲からなる管弦楽作品で、ここに書いたように、第1曲は「理想的なもの(Egy idealis)」(19007-08)、第2曲は「醜いもの(Egy torz)」(1911)である。

 シュナイト/南西ドイツ放送交響楽団の演奏を。

 1989年録音。ARTENOVA。

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