新・読後充実度 84ppm のお話

 クラシック音楽、バラを中心とするガーデニング、日々の出来事について北海道江別市から発信中。血液はB型かつ高脂&高尿酸血症の後期中年者のサラリーマン。  背景の写真は江別市「らーめん しょう」の味噌ラーメン。 (記事にはアフィリエイト広告が含まれています)

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電子音楽

耳は2つ!だからスピーカーも2つある♪ドビュッシー/パスピエ arr.by Tomita

  もちろん「文五」はモノラルだった……

TomitaIsao

 冨田勲の訃報をネットのニュースで見たのは、私が名古屋のマンションに帰って来たときだった。

 亡くなったのは5月5日。
 こどもの日に、こどもにも夢を与える曲も多く書いたユニークな音楽家はこの世を去った。

 当たり前のことだが、もう十分なおじいさんの齢になっていたのだ。

 が、私にとってはシンセサイザーを日本に持ち込み新たなる世界にチャレンジしている若々しい、でもクラシック音楽ファンからみれば異端児的な音楽家だった。

 また、私が子どものころに親が観ていたNHKのドラマ“文五捕物絵図”のテーマ音楽は私の記憶に深く刻み込まれていたが、それが冨田氏の作曲と知ったときには、なぜか「お世話になりました」という気持ちになってしまった。

 多くの番組テーマ曲を残しているが、私には“きょうの料理”や“キャプテンウルトラ”,“ジャングル大帝”がなじみ深い。もっとも、“ジャングル大帝”のアニメそのものは面白いと思ったことはなかったけど。

 実は冨田氏は亡くなった私の父と同じ年の生まれである。
 それは頭ではわかっていたが、やはり私の中ではいつまでも若々しいかっこいいおじさんで、クラシック音楽家らしくない人でもあった。

 シンセサイザーを始めたころに雑誌“FM fan”に載った紹介記事の写真。
 そしていまだに手元にあるのが、1976年の“音楽の友”の別冊”日本の音楽家”(音楽之友社)。それにに載っている氏の写真が上に掲載したものだ。

 このころ私の父はちっともこんな若々しい服装なんかしてなかった。
 でも、もし父がモザイクっぽいシャツを着たら、ご近所に不思議がられるから頼むからやめてくれとひざまずいてお願いしただろうけど……

 自分の父親にはいただけないが、この服装、容姿がいつまでも私にとっての“モダーンで革新的な”冨田勲なのであった。

  氏の“絶望”はある意味現実になった
 この別冊誌に氏は書いている。

 最近の現代音楽に対しては絶望的、むしろポピュラーといわれるジャンルの中にこそ、真の音楽が存在しているのではないか。

 氏の言葉を裏付けるかのように、その後理屈は大したものだが聴く者にとってはワケのわからない“前衛音楽”は衰退した。
 時代は吉松隆のような新しい風を吹き込む作曲家の登場を歓迎したし、その後の伊福部昭の再評価の根も、冨田の指摘の中にあるのではないか?

 最近ではここで取り上げているが、私は冨田のシンセサイザーによるディスクをすべて聴いているわけではないし、知っている中でもどれもがすばらしいと思っているわけではない。

 が、ドビュッシーの「パスピエ」なんかはいまでも色あせてないと思っている。
 左から右へ、右から左へと、なんとも形容しがたい、まるでボールを思わせるような音の球が行ったり来たりするのが、ステレオの効果のおもしろさ、すごさをも私にわからせてくれたのであった。

Tomita

マリネをわさび醤油で食す。曲もらしくなくTOMITAのPlanets

TomitaPlanets  マリネと思えば洋風である
 クリスマス・イヴである。

 気持ち的には、今日はバッハの「クリスマス・オラトリオ」とかヘンデルの「メサイア」R-コルサコフの「クリスマス・イヴ」やらブリテンの「キャロルの祭典」チャイコフスキーの「くるみ割り人形」なんかを聴きたいところだが、気力倒れ、企画倒れ。ふつうにお仕事に行って来る。

 それに、私としてはもうすでに昨日チキンもケーキも食べてしまった。
 つまりイヴらしきことは、イヴのイヴに一応終えたのである。

 いや、チキンはしょっちゅう食べている。ザンギ(唐揚げ)だの焼き鳥だのチキンカツだの……
 そういう意味では、年がら年中鶏を摂取しているわけだが、昨日は儀式的かつ祝祭的気分、つまりクリスマス・モードで鳥せいのから揚げをデパ地下で買って食べたのであった。

 加えて全然クリスマス的ではないが、しめさばも食べた。
 そのような玉石混合ディナーのあと、小さなケーキも食べた。

 だから今朝は体重計に乗らないでおく。

  時代を感じさせるなぁ……
 で、そんな話とは全然関係ないが、今日は冨田勲(Tomita,Isao 1932-  東京)による組曲「惑星」。
 シンセサイザーによって1976年に作られた音楽・演奏で、原曲はお察しのとおりホルスト(Gustav Holst 1874-1934 イギリス)の組曲「惑星(The planets)」Op.32(1914-16)。

 いまどきの人はシンセサイザーというと、電子ピアノのようないわゆるキーボードを思い浮かべ、だからどんだけのもんじゃいと思うかもしれないが、当時冨田が輸入したシンセサイザーは部屋1つを埋め尽くすようなものだった。

 冨田版の「惑星」は、火星-金星-水星-木星・土星-天王星・海王星、という構成。
 曲の始めと終わりには、「木星」のあのすっかり有名になったメロディーが、オルゴール調で加えられている。

 また、冨田は2011年になってこの「惑星」をリメイク、「イトカワ」と「はやぶさ」を追加し、サラウンド化した。

 私が聴いているのはリメイク前のもの。
 冨田はこのサウンド作りについて、「左右のスピーカーの間隔と同じ間隔で、更にその外側にスピーカーを左右一個ずつ置いたのと同じ状態にすることにした」と書いている。

 つまりこの盤の音空間はサラウンドではなく疑似的なものだが、かたくなに2ch再生に固執している私にも、けっこう楽しめる。こういうもんだ、という別物として。

 そしてまた、オーディオ・チェックにも向いている。

 宇宙が舞台ということで、「火星」では交信の声や無線ノイズを模したものが目立つのがご愛嬌。そうしたい気持ちはわかる。
 また、不思議なもので、この演奏というか録音、なんとなく1970年代の香りがする。

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