社会保険加入逃れの事案発生に伴い今後調査が徹底される海外別事業所

zu 昨日、一部のメディアで海外のダミー会社を利用した社会保険の適用逃れについて報道されました。そして、厚生労働省からはこの内容に関する通達が公開され、報道された事案が「判明した事案の特徴」として記載、今後、同様の事案が疑われる事業所への徹底した調査を行うことが記載されています。

■判明した事案の特徴
・正規職員である被保険者に対し二つの事業所から報酬の支給が行われており、一方は適用事業所、他方は香港に所在する別法人の事業所(以下「香港別事業所」という。)であって、双方の事業所とも同じ者が事業主である。
・疑義の対象となる被保険者は、適用事業所に採用された後、香港別事業所に転籍し、転籍先となる香港別事業所から適用事業所に出向しているが、日本国内で、適用事業所の業務にのみ従事しており、香港別事業所において業務に従事した実績はない。
・香港別事業所の事業実態を確認することができない。
・適用事業所から被保険者に支払われる報酬は、職種や勤続年数に関わらず一律に15万円程度となっており、勤続年数が増えても報酬に変動がない。

 これに対し、今回、事業所調査の実施について、以下の通達が行われています。
1.事業所調査の徹底について
・職種、勤務形態、勤続年数等を考慮した結果、標準報酬月額が著しく低いと認められる被保険者が存在する適用事業所については、必ず事業所調査を実施すること。
・適用事業所の事業主に対する質問調査の結果や、通報、告発等により標準報酬月額の基礎となっていない海外別事業所からの報酬があると見込まれる場合は、源泉所得税や労働保険料の申告、納付状況を必ず確認し、源泉所得税や労働保険料について適用事業所と海外別事業所からの報酬を合算して申告している場合は、標準報酬月額の基礎となる報酬について、海外別事業所からの報酬を合算していない理由を聴取すること。

2.事業所臨場による調査の徹底について
 事業所調査の結果、下記,了象のいずれかに該当する被保険者を確認した場合は、必ず事業所に臨場のうえ調査を実施し、賃金台帳等、下記△坊任欧觸駑爐料瓦討鯆敢困垢襪箸箸發法∩瓦討亮未靴猟鷭个魑瓩瓩こと。

〇象
 被保険者に対する報酬が、適用事業所と海外別事業所の二つの事業所から支払われている場合であって、次のいずれかに該当する場合。
(イ)職種、勤務形態、勤続年数等を考慮して比較した結果、適用事業所から支払われる被保険者に対する報酬が、適用事業所の所在する地域の同業他社に所属する被保険者に対する報酬を著しく下回る場合
(ロ)海外別事業所について事業主に質問調査した場合に、例えば、「海外法人設立や転籍・出向等は全て経営権の範疇であり、これを指摘するのであれば民事不介入の原則に反するのではないか。経営権に指摘できる法的根拠を教えてほしい。」等の申し立てにより回答を拒否した場合、又は、書類提出に応じない場合
 なお、全ての被保険者が当該取扱いとしている場合のみならず、一部の被保険者のみに当該取扱いを適用していることも想定されるので留意すること。また、被保険者も協力している場合が想定されることから、被保険者からの回答が必ずしも参考になるものではないことに留意すること。

提出が必要となる書類
(イ)対象となる被保険者に係る賃金台帳、勤務時間管理簿、所得税及び労働保険料の源泉徴収状況が確認できる書類。
(ロ)対象となる被保険者と適用事業所の間で取り交わされた雇用契約書、出向又は転籍に関する同意・取決めに関する書類。
(ハ)対象となる被保険者と海外別事業所の間で取り交わされた雇用契約書、出向又は転籍に関する同意や取決めに関する書類。
(ニ)適用事業所における報酬に関する規定、出向又は転籍に関する規定。(ホ)海外別事業所における報酬に関する規定、出向又は転籍に関する規定、海外別事業所の活動実態が確認できる資料。

 事業所調査に応じない場合には、法令に基づいた罰則の適用があることも説明することとなっており、場合によっては、立入検査も行うことになっています。海外事業所を持つ企業は適切な処理ができているかを確認するようにしましょう。


関連blog記事
2014年6月27日「盛り込まれた海外勤務者の社会保険取扱いパンフレットが公開」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52040618.html
2014年3月25日「日本年金機構から発表された海外勤務者の社会保険取扱い」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52030376.html

参考リンク
法令等データベース「適用事業所の報酬調査の徹底について(平成29年8月30日年管管発0830第5号)」
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T170925T0020.pdf
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

facebook最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu

当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。


30名未満の中小企業 大卒男性の3年以内離職率は50.2%

30名未満の中小企業 大卒男性の3年以内離職率は50.2% 有効求人倍率がバブルの最盛期を超えるなど、採用に関しては非常に厳しい状況が続いています。新卒採用についても多大なコストがかかる一方で、採用予定数に達しないといった話を頻繁に耳にしていますが、採用後は採用後で、早期離職の防止という大きな課題があります。

 新卒採用に関しては、昔から七五三という言葉があります。これは、中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が入社3年以内に離職するというものですが、厚生労働省は、2014年3月に卒業した新規学卒就職者の就職後3年以内の離職状況について取りまとめました。その結果は以下のとおりとであり、高卒の離職率は4割程度となっているものの、概ね七五三の状況にあることが分かります。
[新規学卒就職者の就職後3年以内離職率]
大学
  32.2%(前年比+0.3ポイント)
短大等 41.3%(前年比▲0.4ポイント)
高校  40.8%(前年比▲0.1ポイント)
中学  67.7%(前年比+4.0ポイント)

 このうち、大卒と高卒の3年以内離職率を従業員規模別で見たのが以下の結果です。
1,000 人以上
 大学 24.3%(+0.7P)
 高校 25.3%(+0.6P)
500 〜999人
 大学 29.8%(+0.6P)
 高校 32.9%(+1.4P)
100 〜499人
 大学 31.9%(±0.0P)
 高校 37.9%(±0.0P)
30 〜99人
 大学 38.8%(+0.2P)
 高校 47.1%(▲0.6P)
5〜29人
 大学 50.2%(+0.3P)
 高校 56.4%(▲0.8P)
5人未満
 大学 59.1%(+0.1P)
 高校 64.0%(▲4.0P)

 これは予想の範囲内ではありますが、やはり小規模企業における離職率は高く、従業員数30名未満の企業では、大卒の半数以上が3年以内に離職しています。この結果からは改めて入社後の定着および育成に力を入れなければ、組織力は高まらないということが言えるのではないでしょうか。
参考リンク
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成26年3月卒業者の状況)を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553.html

(大津章敬)

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

facebook最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu

当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。

労政時報で宮武貴美の連載「社会保険・労働保険・給与計算 事務手続きで起こりがちなミス防止策」が掲載中

労政時報 労政時報において、弊社の宮武貴美(特定社会保険労務士)の連載記事「社会保険・労働保険・給与計算 事務手続きで起こりがちなミス防止策」が現在掲載されております。最新号である第3937号では、その第3回として「雇用保険の手続きで起こりやすいミス」という記事をお読みいただけます。

 WEB労政時報においても常に人気記事のトップ5に入るなど大きな反響も頂いておりますので、是非ご覧ください。


参考リンク
https://www.rosei.jp/static.php?p=about_jiho


(大津章敬)

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

facebook最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu

社労士が知っておきたい医療機関・福祉施設の税務基礎知識 東京・大阪・福岡で開催

naotaka201711L 医療機関や福祉施設においては、人材確保や定着のために積極的に職員に対して研修に参加させたりしますが、その費用負担にあたっての基準は、税務的な背景によって設定されていることがあります。これは、通勤手当の支給にあたっての非課税限度額が設定されていることと同様と考えると理解が早いでしょう。こうした点を理解しておくことによって、規程整備の着眼点がわかり、根拠のある金額設定が可能となることもあります。

 また、医療機関や福祉施設においては、近年、経営状態が悪化しているところが増えてきていますが、それは決算書を読み解くことによってある程度、状況が把握できることがあります。社会福祉法人等といった事業形態であれば、決算書が公開されていることもあり、決算書のどういった点をみればよいのか、社会保険労務士が知っておくとよいポイントも少なくありません。

 そこで、今回の日本人事労務コンサルタントグループ(LCG)医業福祉部会主催の研修は、社会保険労務士の視点で、医療機関や福祉施設における税務の基礎知識を習得してもらうべく、様々な角度から理解ができる税務基礎講座を開催することになりました。難解な表現を用いることなく、可能な限り専門用語は噛み砕きながらわかりやすくお話しますので、是非、ご参加下さい。


医業福祉部会主催セミナー【第33回】
社労士が知っておきたい医療機関・福祉施設の税務基礎知識
〜規程整備の数的根拠を理解し、決算書のどこを見るとよいのか
講師:加藤尚孝 税理士法人名南経営 代表社員 理事
(1)出張旅費や研修参加にあたっての税務基礎知識
(2)採用から退職にあたって関連する費用の税務基礎知識
(3)知っておくと便利な医療機関・福祉施設の税務基礎知識
(4)医療機関・福祉施設の決算書の見方と目安となる指標
(5)顧客アドバイスと注意をしたい税理士法違反

[開催日時]
東京会場
2017年11月29日(水)午後1時30分〜午後4時30分
 名南経営東京支店セミナールーム(日比谷)
大阪会場
2017年12月12日(火)午後1時30分〜午後4時30分
 名南経営大阪支店セミナールーム(中之島)
福岡会場
2017年12月13日(水)午後1時30分〜午後4時30分
 名南経営福岡支店セミナールーム(博多)

[講師 加藤尚孝プロフィール]
 税理士。税理士法人名南経営 代表社員 理事(所得税担当役員、医業・福祉介護部門担当役員)。名古屋市立大学卒業後、佐藤澄男税理士事務所(現税理士法人名南経営)入社。新規開業支援を中心とした営業活動に携わり、現在は、名南コンサルティングネットワーク税務会計部門の一員として、医療機関・薬局・介護施設の開業支援・税務相談・経営指導に携わっている。

[受講料(税別)]
一般 20,000円
LCG特別会員 4,000円 正会員 8,000円 準会員 15,000円

[お申し込み]
 以下よりお願いします。なお、LCGメンバーのみなさんは専用サイトMyKomonよりお申し込みをお願いします。
https://www.lcgjapan.com/seminar/sr-igyou33/


(大津章敬)

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

facebook最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu

障害者雇用制度の全体像がよく分かる厚生労働省職業安定局制作の資料「障害者雇用の現状等」

障害者雇用 障害者雇用に関しては、来春より法定雇用率が引きあがるなどその対策が求められていますが、先日(2017年9月20日)より、厚生労働省で「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」が立ち上がり、障害者雇用納付金制度や障害者雇用率制度の在り方についての議論がスタートしました。

 こうした研究会の資料の中には非常によくまとまったものも多く、実務の役に立つものが結構あります。今回も厚生労働省職業安定局が提出した「障害者雇用の現状等」という資料は非常によくまとまっており、障害者雇用制度の内容から各種支援策、そして障害者雇用の現状がわかりやすく示されています。実務にもすぐに使える資料となっておりますので是非ご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11601000-Shokugyouanteikyoku-Soumuka/0000177948.pdf

[大阪と福岡で障害者雇用実践講座を開催]
 障害者雇用率の引き上げを控え、障害者雇用の重要性が高まっていることから、弊社では、大阪と福岡で「法定雇用率の引き上げに備える!障がい者雇用に必要な知識と事例を踏まえた雇用継続のポイント〜平成30年4月より障害者雇用率2.2%に向けて行うべき、障がい者雇用知識から採用後フォローまでを解説」セミナーを開催します。講師は全国各地で障害者雇用の支援を行っていらっしゃる株式会社FVP 代表取締役の大塚由紀子氏をお迎えします。先に開催した東京会場では非常に良かったという声を多くいただいておりますので、是非ご参加ください。
大阪会場
2017年10月17日(火)午後1時30分〜午後4時30分
 大阪産業創造館 6F会議室E(堺筋本町)
福岡会場
2017年11月28日(火)午後1時30分〜午後4時30分
 JR博多シティ会議室 9F1(博多)

 お申し込みは以下よりお願いします。
https://www.lcgjapan.com/seminar/sr-otsuka20170913/
関連blog記事
2017年7月10日「ハローワークを通じた障害者の就職件数が過去最高に」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52132243.html
2017年5月31日「障害者法定雇用率は2018年4月に2.2%、その後、更に2.3%へ引き上げへ」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52130528.html

参考リンク
厚生労働省「第1回今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会資料」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000177951.html

(大津章敬)

当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。

facebook最新情報の速報は「労務ドットコムfacebookページ」にて提供しています。いますぐ「いいね!」」をクリック。
http://www.facebook.com/roumu

当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。

名南労務 正社員募集中
福間みゆき最新刊
8月1日発売
5月30日発売
人事労務メルマガ

4月27日発売
働き方改革で話題沸騰
大津章敬 人事制度本



livedoor プロフィール
職場のルールブックテンプレート

社労士向け自動更新ホームページ2


人事考課者訓練用DVD発売中
名南経営制作・監修 人事考課者訓練用教材DVD発売中
大津章敬単行本
大津章敬単行本発売中
日本一わかりやすい退職金・適年制度改革実践マニュアル
服部英治単行本
「病医院のための人事労務マニュアル」


 弊社人事コンサルタントの服部英治が執筆を担当した「病医院のための人事労務マニュアル」が日経BP社より発売中!
大津章敬単行本
最近のコメント
最近のトラックバック
利用上の注意
 記事の転載は禁止とさせて頂きます。なおコメントやトラックバックは自由に行って頂けますのでご自由にお願いします。但し、管理者が不適切と判断した場合には、その削除を行うことがあります。またコメントやトラックバック先の内容については当社は一切保証できません。またコメント等で頂きました個別のご質問等にもお答えはしておりませんのでご了承ください。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

無期転換
労基法
柊木野
エール
尚孝
向井
労基署
障害者
海外出版記念
看護
超基礎
岡崎
労務ドットコム facebookファンページ

大津章敬が執筆を担当
大熊ブログ単行本発売中
最新刊「日本一わかりやすい!人事労務管理相談室」発売中

組織風土診断ソフト10年振りの全面改定
組織風土診断ソフト10年振りの改定
職場のルールブック 作り方と活用法
単行本「規律の乱れを見逃さない!職場のルールブック 作り方と活用法」5月20日発売
職場の難問Q&A 医療・介護編

服部英治単行本
服部英治単行本「最新/医療機関の就業規則・諸規程完全マニュアル」
名南経営 専門誌執筆実績
名南経営 専門誌執筆実績
服部英治単行本
服部英治単行本「最新/医療機関の人事・労務管理ハンドブック」
月別アーカイブ
業務案内
□賃金・賞与制度改革
□退職金・企業年金制度改革
□人事評価制度設計
□就業規則整備
□社会保険等諸手続
□給与計算代行
□各種セミナー講師
その他人事労務に関する業務はお任せ下さい。