先日から取り上げている雇用保険法の改正。今回は2回目として育児休業給付の給付率の引き上げについて取り上げましょう。


[質問]
 今回の雇用保険法改正は、育児休業をしている社員にとってメリットがあると聞きました。具体的にはどのような内容ですか?

[回答]
 育児休業給付制度は平成7年4月1日より、労働者が育児休業を取得しやすく、またその後の円滑な職場復帰を援助・支援することにより、育児をする労働者の職業生活の円滑な継続を目的として創設されました。給付には、育児休業期間中に支給される「育児休業基本給付金」(以下、「基本給付金」という)と育児休業後に職場復帰し、復帰後6ヶ月勤務した場合に支給される「育児休業者職場復帰給付金」(以下、「復帰給付金」という)の2種類があります。今回の改正では、このうち復帰給付金の給付率が引き上げられ、全体の給付率が休業前賃金の40%から50%となります。

 旧給付率
  基本給付金 30% + 復帰給付金(職場復帰後6ヶ月) 10%

 新給付率
  基本給付金 30% + 復帰給付金(職場復帰後6ヶ月) 20%

 なお、今回の改正は、平成19年4月1日以降に職場復帰した被保険者から平成22年3月31日までに育児休業を開始する被保険者までが対象となります。

[まとめ]
 今回の改正では、復帰後の給付率が引き上げられています。これは育児休業の取得率向上とともに、復帰する被保険者が増えてきた実態と、復帰後の勤務率をより上昇させたいという背景があるのだと想像されます。少子化対策や労働人口の減少を考えると、更なる改正により育児休業期間中の給付率引き上げも期待されています。


関連blog記事
2007年5月11日「[平成19年雇用保険改正]雇用保険の受給資格要件変更」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50967273.html
2007年4月23日「[確報]厚生労働省より年度更新納付期限延長(6月11日)が正式発表」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50952091.html
2007年4月20日「改正雇用保険法成立に伴う新雇用保険料率」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/50949440.html

参考リンク
厚生労働省「雇用保険法が変わります!〜雇用保険被保険者のみなさまへ」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/pdf/02.pdf
厚生労働省「雇用保険法等の一部を改正する法律(平成19年法律第30号)の概要」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken05/pdf/01.pdf

(宮武貴美)

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