2月9日(日)

以前にも登場したことのある、地元の飲食店マスター。

GMARCHを出て、脱サラで飲食店を開業している人です。

長くお読み頂いている読者の方には、記憶にある方もいらっしゃると思います。

お店は、それなりに混んでいることが多いのですが、いつも気を遣って声をかけてくれます。

また、4人家族だった頃からの全てを見ていることもあって、人がいないときはかなり突っ込んだ会話になることもあります。

先週末、珍しく人が途切れた時でした。

(マスター)
「シングルパパさん。この時期になると、さつきちゃんとメイちゃんの受験を思い出しますよね。パパさんお一人で、本当に大変そうでしたもんね。」

(シングルパパ)
「いろいろ、お気遣いありがとうございます。助かりましたよ。当日の夜の食事とかね、思い出します。」

(マスター)
「来年は、メイさんが主役ですか。早いですね。」

(シングルパパ)
「そうですね。3年って、あっという間です。」

(マスター)
「本当に、そうですね。」

(シングルパパ)
「さつきの中学受験から3年で、さつきとメイの中高ダブル受験。そして、そこから3年で、さつきの大学受験。何だか、もう十分っていう気がしますけどね。」

(マスター)
「そうか、ということは、さつきちゃんはいよいよ二十歳ですか。このお店で、みんなで乾杯だ!なんて言ってたけど、本当にそういう時期になったんですね。」

(シングルパパ)
「そうですね。早いもんです。」

(マスター)
「成人式は、出席されたんですか?」

(シングルパパ)
「ええ…。」

(マスター)
「それじゃあ、パパさんは、1日運転手かな?」

(シングルパパ)
「そうだったら良かったんですか…。」

(マスター)
「…。」

(シングルパパ)
「私は、見てないんですよ。さつきの晴れ着姿…。」

(マスター)
「どうして?まさか、元奥様?」

(シングルパパ)
「向こうの家の着物を直して着たんです。こちらで、レンタルを用意しようと思ったんですが、向こうの家が着せたかったらしくて。こんなことでケンカしてもいけないんで控えてたんですが、何もしてくれない父方の家には、見せる必要は無いって言ったらしくて、地元の旧友と一緒にその家の車で早朝に着付けに行って、そのまま出先で着替えたらしくて、同窓会をはしごして深夜に帰宅したんですが、晴れ着姿は見ず仕舞いでした。」

(マスター)
「それはそれは…。嫌な思いをされましたね…。しかし、パパさんと一緒に住んでいて、親権も何もパパさんでしょう?いくら向こうの家で着物を用意するとは言っても、ちょっとひどいですね。離婚したって母親なんだから、自分が着物代出したからって、父親に見せるなってのもあり得ないですよ。」

(シングルパパ)
「マスター、それがね、お金だけは請求が来たんです。しかも、着付けからお直しから小物代まで全額…。こういう人を、一度は配偶者に選んでしまった自分なのでね。見る目が無かったってことですね。」

(マスター)
「いや、てっきりおめでたい話だと思ってしまっていました。かえって、嫌な思いをさせてしまいましたね。申し訳ないです。せめて、コーヒー、もう1杯飲んで行って下さい。」

(シングルパパ)
「お気遣いありがとうございます。ありがたく頂戴します。」

(マスター)
「さつきちゃんも、どうしちゃったのかなぁ。いくら気難しい年頃とは言っても、二十歳でしょう?ママが車を運転していたわけじゃないんだから、お友達の方に頼んで、ちょっとご自宅に寄って、パパさんとメイちゃんと3人で写真くらい取ればよかったのにね。」

(シングルパパ)
「大学2年になった途端に、態度が悪くなってしまって。やっぱり、早稲田を落ちたのを引きずっている面があるのかもしれないですね。こちらは、11年ぶりにラグビー日本一になっても、控えめに喜んでるんですけどね。」

(マスター)
「メイちゃんは、以前はパパさんの味方でしたけど、最近はいかがですか?」

(シングルパパ)
「変わってしまいましたね。すっかり。年明けから、進路選択の件で父親に負担を強いることがわかっているのか、ちょっと態度が変わりましたが…。まあ、中学受験でほどほどの成功体験があるので、モードを自主的に切り替えたところはさつきと違いますね。」

(マスター)
「でも、さつきちゃんも、メイちゃんも、かわいそうですよね。元奥さんに誘導されるのも。後味が悪い思いをさせてるんじゃないかなあ。自分が中高年になって、成人式の思い出を振り返る時、必ず自宅を避けて父親に着物姿を見せないようにしたことを思い出すわけでしょう?それは、どう考えたって、子どもにとっていいことじゃないですよね。余計なお世話ですみません。」

(シングルパパ)
「いやいや、そう言ってもらえて、気持ちが楽になったような気がします。こっちがレンタルとか言って新品の晴れ着を買わないから、これくらいの仕打ちをして当然だって言われているような気がして、嫌な気分だったんです。まあ、配偶者を選んだのは自分なんで、これも自分の蒔いた種なんですけどね。」

(マスター)
「メイちゃんは、少しちがうんじゃじゃないかな?私、覚えてるんですよ。離婚されて最初の年末のこと。さつきちゃんはママの実家に行ったとかで、メイちゃんだけがパパとこちらに残って、大みそかにウチの店で食事されたじゃないですか。あの時、メイちゃんが一生懸命にパパを元気づけようとしているように見えましたよ。まだ、小学校の低学年でしょう?ほら、年越しそばを用意して欲しいって言っていただいたので、お出ししたじゃないですか。あの時、お客さんもお二人だけだったし、お二人がお蕎麦を食べる姿が目に焼き付いちゃって、いまだに忘れないです。それに、中学受験宣言のことも覚えてます。来年、何を頑張るのって聞いたら、私は中学受験を頑張りますって答えたんですよ。お母さんがいなくなった直後に、動揺も見せずにすごいなって思いました。そんな小さい頃のメイちゃんが記憶にあるから、受験を頑張って、良い成人式を迎えて欲しいですね。」

(シングルパパ)
「ありがとうございます。メイの成人式の時は、しっかり写真撮って、お見せしないといけませんね。」

(マスター)
「その前に、今度はメイさんの受験ですよね。来年、春に祝勝会、やりたいですね。」

(シングルパパ)
「まあ、ちょっとハードルが高いので、浪人覚悟ではありますけどね。残念会かもしれないけど、それはそれで。さつきとは目指す世界が違うので、親の方も必死で勉強中です。」




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